神宮の覇者は今

神宮の覇者は今

2016-11-15

大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢)
県外でもチバリヨー! 大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢) 第53回 神宮の覇者は今

 沖縄に初めて神宮大会の優勝旗をもたらした時のエースで、その後亜細亜大学に進学したのが、山城です。

 2015年の秋季大会では3試合登板しましたが、その後はじっくりと鍛え、この2016年秋に、公式戦で2回無安打無四死球2三振を記録しました。現在の亜細亜大学は、嘉陽、高橋の両エースが、ガッチリと先発の座を確保しており、それぞれが完投能力が高いため、中々山城の出番が回って来ないのが現状です。しかし、非常にブ厚い選手層を誇る亜細亜大学の投手陣の中で、常にベンチ入りをしている実力は本物です。ここで、更に抜け出して、両輪体制を打破し、鼎(かなえ)のように、3名で引っ張る状況に、早く持ち込んで欲しいと思います。

 山城と言えば、速球で勇名なノーラン・ライアンを彷彿とさせる、左足を高く上げる投球フォームが有名です。後攻時代は、その見たことも無い投げ方に圧倒され、多少ボールでも振ってくれる相手がいましたが、流石は猛者揃いの東都リーグでは、そんな楽な相手はいませんでした。とは言え、制球力とりわけ左右の制球力に長けた山城は、派手さは無いものの、登板の度に、期待通りの結果を残して来たと思います。

しかし、この期待「通り」の結果と言うのが曲者で、鼎体制に持ち込むには、期待「以上」の結果を出す必要があります。山城の球速は、常時140km前後で、全力投球をして140km中盤と言う所です。これは、いきなり150km中盤に持って行くことが不可能であることは、誰よりも山城はわかっていることと思います。

と、なると、期待以上の結果を出すためには、決め球、もしくは、直球を更に効果的にみせるための布石の球の習得が必要と思います。筆者は、やはりそれは縦の変化球であると思います。高校時代から、山城のSFFには注目していましたが、球速は落ちて当然ですが、更に落差の大きなフォークボールを自在に操ることができるようになれば、嘉陽、高橋を抑え、エースに君臨することが可能と思います。

往年の野茂に代表されるように、独特な大きなフォームの投手のフォークボールは、大きく外れるボールであっても、思わず打者は手を出してしまいます。凡打に打ち取るためでは無く、空振りを狙う縦の変化球が、山城が連日に渡って、新聞のスポーツ欄を彩るための条件で、あると筆者は思います。更に、決め球は直球であるとして、その直球も生きますし、縦の変化球が来る前の早打ちも誘いますので、ここで、左右のギリギリの所に行く.山城ならではの制球力が、有効となってくるハズです。

 いかにも気の良い沖縄の兄ぃ兄ぃと言う風貌の山城。試合前、試合中、試合後と、我々は君の笑顔を観るだけでその日1日中とっても楽しく過ごせるさ~。だからよ、もっとその笑顔を新聞でテレビで伝えてね~。チバリヨ~、大智!

 山城 大智(やましろ だいち) 1996年9月26日生 今帰仁中学→沖縄尚学→亜細亜大学

 

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