頂点を目指せ

頂点を目指せ

2016-09-15

大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢)

 2007年の夏、エースとして小禄高校を36年振りの県内4強に導いた原動力。その後、野球の名門大分の日本文理大学に進学し、卒業後はこれまた野球の名門富士重工業で、主力投手としてちばっているのが當間です。

 當間を注目したのは、既に9年前になってしまいましたが、興南が久し振りに甲子園に出場した夏、準決勝でその興南と投げ合い、延長10回に0-1でサヨナラ負けを喫した試合からでした。

当時、「沖縄で1番美しい投球フォーム」と言われ、美しさと実力を発揮した3年の夏。その後進学した日本文理でも、主力投手として活躍し、1年生,2年生の時に全国大会へ出場したのですが、惜しくも優勝は叶いませんでした。

その後故障もあり心配しましたが、名門富士重工業に入社し、社会人で頂点を目指すことになりました。

 社会人1年目で早くも都市対抗に出場するも、2回戦敗退。2年目の全日本、3年目の都市対抗は、共に準優勝。高校時代から、とっても惜しい所まで行くのですが、頂点にわずかに届かないと言う状態が続いていたと思います。

しかし2015年、スポニチ杯に出場すると、ドラフト指名された選手を擁する、なみいる強豪を次々と撃破し、ついに優勝の栄冠を手にしました。筆者が知る、いわゆる大きな大会で、當間が優勝したのは、これが初めてだと思います。

大きな大会で優勝経験の無い筆者が言っても、ただの戯言にしか過ぎませんが、やはり優勝を経験したことの有る無しでは、試合や練習に挑む気持ちが違うと思います。1球の一瞬の重要性。チブルではわかっていても、優勝の喜びを知っている人た~は、より一層その思いが強いと聞きますし、その通りだと思います。また、辛い練習の時にも、優勝の喜びを知っていれば、乗り越えられるとも聞きました。

 そんな経験豊かな當間は、上半身をしなやかに使って、制球力良く、スパッと切れの良い球を投げるのが信条です。

グイッと胸を押し出し、捕手を真っ直ぐに見つめながら、若干遅れ気味の手がチブルの近くから出て来る。文章にすると、「変則投手?」と誤解されるかも知れませんが、當間の一連の投球動作は、それこそ流れるようなフォームと言えます。

余計な力を微塵も感じさせない。だからこそ、同じフォームで直球も変化球も投げることができ、体力も有効に使えていると思います。それが故に、現在は先発とロングリリーフの両方を担っています。

投球も円熟味が増し、打者との駆け引きと、その類まれなる制球力で、安心して観ていることができます。以前から、「下半身をもっと使えば、球速は10kmは向上する。」と、勝手な外野が言っていましたが、今更投球フォームを変えることは得策では無いと思います。と、なると、更なる飛躍、チームを都市対抗や全国大会で優勝に導く原動力になるのは、狙って空振りの取れる球への挑戦かと思います。

未だ未だ発展途上だハズの當間。次に大舞台で観る時には、びっくりするような魔球を投げてくれることに期待します。

チバリヨ~、一生!

 當間 一生(とうま かずき) 1989年8月5日生 小禄→日本文理→富士重工業

 

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