韋駄天を更に磨け

韋駄天を更に磨け

2016-08-15

大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢)

 豊見城から八重山に渡り、八重山商工でこの夏に定年で退いた伊志嶺監督に3年間徹底的に鍛えられ、その後富士大学に進学し、王子で強打に磨きをかけた韋駄天、それが天願です。

170cmと言う、野球選手にしては小柄で、体重は約80kg。一見、小柄ながら、パンチ力のある打者かと思いきや、驚きの駿足を持っています。

初対面の投手であっても、試合の中盤になると、早くもその投球の癖を見抜き、駿足と相まって楽々盗塁を決めるそのセンスには、誰もが脱帽を通り越し、恐怖すら感じる所です。

大学までは、駿足ではあるものの、打撃の安定性に欠ける点が見受けられましたが、社会人になってから、この部分を徹底的に鍛え上げ、今では長打も単打も思いのまま。

特に、上手い具合に体重増加に成功し、剛速球投手が相手であっても、コツンと内野を越して出塁し、その後早々に盗塁を決め、結果的に長打と同じとそ、続く単打で2塁から楽々生還と言う、相手にとって、とってもわじわじ~する選手となりました。

守備においても、その駿足で打球に追いつき、更に、2~3歩前に出てから送球し、相手に進塁を許さないと言う、投手としては万全の信頼を預けることのできる存在でもあります。去年までは、左翼方向に流し打ちを多く決めるのが目立っていましたが、今年は右翼方面に引っ張る打球が増加し、非常に高角度で多方向へ鋭い打球を飛ばすようになりました。

 しかし、以前の天願選手を知る筆者としては、今度はその韋駄天に更に磨きをかけて欲しいと思います。ボテボテの内野ゴロをことごとく内野安打に変えたり、送りバントが常に野選や内野安打の対象となり、相手投手に物凄い圧力をかける存在になって欲しいと思います。

ただ、例えば今後、プロを目指したり、社会人野球の頂点を目指すのであれば、打力の向上、とりわけ、強打長打を増やすことは、必要であると思います。

それは重々わかっているのですが、それでも、筆者は天願選手には、韋駄天を期待してしまいます。

それは、過去に何度も見た、天願選手の盗塁で、相手バッテリーが唖然とし、とぅるばってしまうような光景。この光景を見る度に、筆者は、「やさ!」「上等!」を思わず口にしてしまい、周りの内地の人た~に、「あいつ、どこの国のことばを話しているのか?」と、奇異の目で見られた日々を思い出します。そして、今後も数多く、その状況に、自分を持って行きたいと思ってしまいます。

 王子には、2年先輩に、読谷高校出身の伊礼選手がおり、心強い存在であると思います。お互いに高め合いながら、日々実力の向上をすることができると思います。

 我々うちな~んちゅにとって、「てんがん」は、特に珍しい苗字では無いのですが、きっと内地の人た~には、「何と読むのですか?」と、毎回聞かれていることと思います。ここは是非とも、その名を全国に轟かせ、天願を全国どこに行っても通用する苗字にして欲しいと思います。名古屋で、全国で、旋風を巻き起こして欲しい。

チバリヨ~、陽介!

 

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