チームを変える男

チームを変える男

2014-08-11

大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢)

2008年の沖縄尚学選抜優勝は、エースであった東浜に注目が集まっていましたが、筆者は、沖縄尚学選抜優勝の立役者は、主将であった西銘であると思っています。ひと言で表現するならば、「チームを変えた男」であるからです。高校野球に限らず、名門と言われているチームには、既に敷かれたレールがあり、選手達は、いかにそのレールに従って行くかが重要であると言う風潮が見受けられます。当時の沖縄尚学も同じく、そのレールに沿った野球をしていたように見えました。しかし、それに真っ向から向き合ったのが西銘です。良い部分は、無論踏襲するのですが、不要な部分や改善が必要な部分には、ドンドンメスを入れました。恐らく、1~2年生の間は、変えたくとも変えられなかったと思うのですが、最上級生となり、かつ、主将になったので、自らの目指す理想の野球をすべく、時には迅速に、時には粘り強く折衝を重ね、それまでの沖縄尚学とは、全く異なるチームを作り出しました。結果は周知の通り。惜しくも夏の甲子園出場は叶いませんでしたが、全国に沖縄尚学の名を轟かせ、当時の選手は今でもプロを始め、一流所で野球をしています。

 その後、西銘は東都の名門中央大学へ進学し、これまた抜群のリーダーシップを発揮し、主将を務めつつ、高校時代以上に、チームの改革を行って来ました。そして、一昨年の秋、ドラフト会議で指名されることを期待したのですが、残念ながら指名されることは叶わず、社会人の名門のhondaへと進み、初年度から、中心選手として活躍しています。

 華麗な守備もさることながら、170cmに満たない身長で、外野の頭を越す打球を連発する西銘は、技術的にはプロで充分やって行けると筆者は思っています。更に上を目指すのであれば、打席に立った時に、相手投手に与える威圧感を増すことができれば、鬼に金棒と思います。例えば、「内野に転がせばセーフ。」「センター前に運ぶなら、いつでもできる。」等です。どうしても、小柄な西銘は、相手投手からは非力に見え、組み易いと思われがちですので、そこを払拭してくれることを期待します。しかし、西銘の本当の凄さは、技術的なこと以外にあると思います。勝利を続けるためには、客を呼ぶ試合をするには、どのようなチーム作りが必要なのか。これらのことを考え、無理なく迅速に実行に移すこと、これこそが西銘の真骨頂だと思います。5連勝した後に10連敗したり、球場に空席が目立つようなチームにとっては、西銘は救世主になるハズ。10年以上、そう言うことに取り組み続け、そして、実績を残して来た西銘は、うちな~んちゅ初のプロ野球監督になりうる頭脳と心を持った逸材だと思います。

 この号が出る頃には、都市対抗の結果も出ていますが、西銘は活躍し、ドラフト指名への起爆剤となって欲しいと思います。是非、今年こそ指名されて欲しい。西銘は、チームを変える男だから。

ちばりよ~、生悟!

 

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