今年の目玉となれ

今年の目玉となれ

2016-03-15

大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢)

4年前、宮古高校が甲子園にとっても近づいたと感じた時の秘密兵器、それが久貝でした。

170cmに満たない上背ながら、筆者は当時の沖縄の高校生で、1番速い球を投げていた投手が久貝だと思っていました。

真上から、躍動感満点の投げ方で、素晴らしい直球を投げるその姿は、筆者が今まで観た投手の中で、最速投手である山口高志を彷彿とさせました。

何よりも、球の回転が、地面にほぼ垂直と思われ、その直球がより一層速く感じられました。

そして、久貝が最上級生となった最後の夏、期待していたのですが、真上から叩きつけるようだった投げ方が、何故か変わっており、筆者としては、釈然としないまま、久貝の夏の終焉を観ました。

 高校卒業後、久貝はうちな~んちゅ部員が沢山いる、東北の注目校である富士大学に進学しました。  

昨年までは、絶対エースと言われ、西武にドラフト1位指名され、背番号18を託された、中部商業出身の多和田がいましたが、その多和田が抜けた今、久貝にエースとなる絶好の機会がやって来ました。

久しく久貝の投球を観てはいませんが、高校時代よりも、どれだけ進化しているのか、非常に楽しみです。

 久貝の持ち味は、その剛速球もさることながら、抜群の制球力でした。  

しかし、その抜群の制球力がありながら、更に制球力を求めることによって、却って球威を殺してしまい、痛打を浴びる結果になっていた高校時代。変化球も、制球力抜群であったため、変化球に頼る傾向も感じられました。

無論、野球は勝利を得るために行いますので、その時点での判断であったのだと思いますが、勝手な外野は、もっと久貝の直球を観たいと思っていました。

 最近は、練習方法の向上や、栄養学の発展で、小柄な投手が増えて来ました。ですが、野球選手、とりわけ投手については、身長の高い選手が多いことは事実としてあります。

しかし、小柄であっても、エースとなることができ、剛速球で三振の山を築くことができることを目の当たりにし、その投手がうちな~んちゅであるならば、小柄な人間の多い沖縄の野球好き達には、大きな自信と希望につながることだと思います。

そして、それができるだけの実力は、高校時代の久貝には充分に備わっていましたから、大学でその実力に、更に磨きがかかり、うちな~んちゅの希望の実現に、更に何歩も近づいたであろうと思っています。

 久貝の売りは、その直球です。より上の世界で野球を続けるのであれば、直球だけでは通じないことは、筆者も承知しております。  

しかし、それでも筆者が久貝に期待するのは、直球、剛速球です。

あの、躍動感に溢れる投げ方で、目にも止まらぬ直球を大学選手権や神宮大会で全国に披露し、全国の野球好き達のド肝を抜いて欲しいと思います。ブ厚い選手層を誇る富士大学ですので、レギュラーをエースを勝ち取ることは、並大抵のことでは無いと思います。

しかし、久貝には、間違い無く、その力はあると、筆者は信じています。宮古の夕暮れに輝く、真っ赤なマティダのような、その真っ赤なユニフォームで、剛速球を連発し、全国にその名を轟かせてください。

チバリヨ~、拓夢!

 

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