王子(えーじ)から御主(うしゅ)へ

王子(えーじ)から御主(うしゅ)へ

2014-12-11

大平 山人(おおひら やまと 宮古と内地を行き来する野球好きの料理自慢)

2010年の興南高校春夏連覇の偉業。その背景には、様々な要因があり、それらの1つが欠けても、あの偉業の達成はならなかったと思います。そんな中で、2007年夏の興南の甲子園出場によって、多くの優秀な中学生が甲子園を目指すべく、興南に集まったことは、春夏連覇の大きな要因になったと思います。

そして、その2007年の夏、「琉球王子」と呼ばれ、全国の注目を浴びた1年生投手、それが石川清太です。2年生となり、1年上の東浜(現ソフトバンク)と伊波(現沖縄電力)との三つ巴を期待したのですが、生憎冬に肩を壊してしまい、以降、その堅実な守備と強打で興南を支え、エースの座は島袋(ソフトバンク)に譲った感じでした。 その後、関東学院大学へ進学した石川は、ようやく肩の怪我が癒え、再び投手として脚光を浴び始めました。大学では、主に救援を務め、チームの勝利に貢献していました。制球にやや難があり、四死球が多かったのですが、その伸びのあるキレの良い直球は、そうそう打てる物ではありませんでした。4年生になると、制球も安定感を増し、力で相手をねじ伏せる投球は、かつて「王子」と言われた面影を完全に払拭する物でした。

大学卒業後は、名門の新日鉄鹿島に入社し、硬式野球部で、その剛速球を披露しています。球速は150Kmに迫り、何より も低めからバッと浮き上がるような直球が魅力です。持ち球は、カーブとスライダーと少ないのですが、筆者としては、新たな変化球を取得するよりも、まずは制球力の向上だと思います。「タラレバ」ですが、今の直球のの威力を保持しつつ、制球力の向上を図ることができれば、ドラフトの目玉になることも可能だと思います。球速表示は同じでありながらも、石川の球は他の投手と異なり、凄まじい威力を感じます。恐らく、それは真っ直ぐな回転であるがゆえに、綺麗な揚力を生み出し、伸びのある直球になるのだと思います。ただ、綺麗な回転は諸刃の剱。ミートされると飛んで行くと言うことにもつながります。ですが、振ったバットの更に上を行き、キャッチャーミットに納まる直球は、寒客を魅了することに間違いありません。だからこその制球力。直球で客を呼べる投手として、我々うちなんちゅ~を喜ばせて欲しいと思います。

 琉球王国時代、王子は成長し、御主(国王)となりました。ですから、石川には、王子で終わること無く、御主として、野球界に君臨して欲しいと思います。我々は君を忘れてはいないさ~。

チバリヨ~、清太!

 

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