ホームランを打つ方程式

ホームランを打つ方程式

2014-12-11

皆さんの中で、野球が大好きな人~?

 「は~い!」

 では、皆さんの中で、物理が大好きな人~?

 「.....」

 そうですよね。野球が好きで、かつ、物理む好きな人って、少ないですよね。でも、野球と物理って、とっても関係深いんですよ。今回は、おきなわ野球大好きを買ったあなたへの特典として、物理の法則に、ホームランを打つ方程式があるのを紹介しましょうね。

 ホームランを打つために必要なことは?

 まず真っ先に思いつくのが、打球の速度ですよね。速い打球は遠くまで飛ぶ。これは、物理を未だ習っていない中学生以下の子供達でも、理解できるかと思います。では、速い打球を打つためには、どんな~すれば良いか?

 筋力増強?良いバットを選ぶ?球を真芯で捉える?

 その通りです。でも、物理の法則を知っていれば、1つ重要な要素があることに気づきます。それは、「運動量と力積」の関係則です。ここからは、高校生の物理になってしまいますが、野球に応用が効きますので、ちばって着いてきて来てくださいね。

運動量と力積とは、

  mV-mv=Ft

で表すことのできる法則です。それぞれのアルファベットの意味は、

 m:野球の球の質量
 V:打つ直前の投球の速度
 v:打った直後の打球の速度
 F:球に加わった力
 t:球がバットに当たっていた時間

です。投球と打球は反対方向に進みますよね。ですから、投球が150kmであり、打球も150kmならば、vは「-150km」になります。このため、打球が速ければ、等号の左側の値が大きくなります。つまり、速い打球を打つためには、等号の右側の部分の「球に加わった力×球がバットに当たっていた時間」を大きくすれば良いと言う訳です。そして、力を大きくするためには、筋力の向上が必要ですので、普段の練習において、筋力をつける練習が重要だと言う理由は、このためです。

 さて、もう1つの要素、これが今回の重要な所です。即ち、「球がバットに当たっていた時間」です。こいつを長くすることによって、速い打球が飛ぶ、つまり、ホームランを打つことができるようになります。単純計算で言うと、バットに当たっている時間が、0.1秒であったのが、0.2秒になれば、打球の速度は倍になります。打撃の際に、「腰を使って打て。」と言われるのは、正にここに理由があります。つまり、腕だけで、ギチギチにバットを振ると、球がバットに当たっていた時間が短くなり、打球の速度が上がりませんが、腰を使って、バットに球を乗せて運ぶような状態になれば、球がバットに当たっていた時間が長くなり、打球の速度が上がり、ホームランをカッ飛ばせるのです。

 さて、ここで気になるのが、「重い球、軽い球」の話です。「投手が投げる球には、重い球と軽い球があり、重い球は、バットに当たった時に、押し込むようになるから飛ばず、軽い球は、当たった瞬間に飛んで行くので遠くまで飛ぶ。」と言う考え方です。この考えは、「巨人の星」と言う漫画で、主人公の球が速いのに通用しないための理由付けとして、野球未経験の原作者が作った虚構なのですが、巨人の星が余りに有名であったがために、あたかも正しい理論のように、日本人には信じられています。虚構であることは、物理の法則からも明白で、もしも、バットを押し返す球が存在するならば、球がバットに当たっていた時間が長くなりますので、それは逆に、非常に良く飛ぶ球になると言う訳です。

 重要なのは、球をいかに長い時間バットに当てておくか、です。そのためには、手首をなるべく柔らかくし、腕では無く、腰を使ってバットを振り、球をバットに乗せるようにして打つことが重要です。では、早速そんな~意識をして練習し、ガンガン皆でホームランをカッ飛ばしましょう。

 

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