酵素って何ね～？

2016-08-15

　先日、草野球の試合の時に、遅れて来た人間がいました。寝坊したとのことです。して、朝食も取らず、大急ぎでやって来たとのこと。幸い、試合には間に合い、彼の代役を探すのに大慌てと言うことにはなりませんでした。

して、試合前に、何やらスーパーで売っている刺身のパックに入っている、ワサビのような小さな袋を破り、彼は口に入れていました。

何やら、黒いジャムのような物。ぬ～やが、それ？（何それ？）すると、「酵素」とのこと。更に、「現代人には酵素が不足しており、補わないと、体から毒素が抜けない。朝食は抜いても、これだけは抜かないようにしている。」と、熱弁を振るっていました。

まぁ、試合直前に食べ物を取ったからと言って、すぐにそれが消化吸収される訳では無く、却って消化のために血液循環等が使われ、野球に支障が出てしまうことがあるので、試合前に慌てて食事をかき込むことをしなかったのは良いとして、酵素って、そんなに良い物なの？いや、そもそも酵素って何ね？

　酵素とは、一言で言うならば、タンパク質です。例えば、消化を促進させたり、摂取したアルコールを分解したりと、人間が生きて行く上で必要な、様々なことを助けるタンパク質、それが酵素です。

た～でも持っていますが、人種や年齢によって、それぞれの酵素の量は変化します。「酵素」と一括りで言っても、とっても沢山種類があります。

彼が口にしていた酵素とやらが、どの酵素なのか、恐らく説明書等には書いてあるのだと思いますが、彼自身は知らない（忘れた？）とのこと。どの酵素かは知らないけど、現代人に不足していて、毒素を排出する酵素だと言うことは言っているとのことです。

何か、それ？酵素とは、その人間が体内で作り出すタンパク質ですから、不要な場合は、産出量を減らしますし、必要な場合は増加させます。

ですから、これまた一括りで、「現代人に酵素が不足している。」と言われても、何のことだか意味くじわかりません。

更に、っや～の体では、テトロドトキシンだかシアン化合物だかの「毒」を作っているのか～？腎臓に疾患があり、最終的に有効成分を使い切った物を排出することに支障がある人にとっては、毒と言えるでしょうけど、老廃物を「毒」扱いしたら、可哀相よ。

　彼が口にしていた「酵素」が、何かしらの酵素として、タンパク質は胃で胃液（塩酸）で、その構成単位のアミノ酸に分解されます。

ですから、胃を出る時点で、既にもう酵素ですら無くなっています。このアミノ酸を小腸から吸収し、血管と肝臓を経由して、体の各部分に送られ、必要に応じて、タンパク質に再構成されます。

ですから、口に入れた時とは、全く違う物として使われますので、生命活動をするための手助けをするために、まぁ、じぇんじぇん使われないとは断言しませんが、ほとんどが使われないことはわかると思います。

だってさ～、そんなだったらさ～、タンパク質が豊富な豆腐を沢山食べたら、右手の小指位が豆腐になるのか～？肉を沢山食べたら、練習もしないで、筋骨隆々になるのか～？そんなこと、ある訳無いさ～。

とは言え、良い効果があると信じて体内に取り込むことによって、良い効果が現れることはあります。やしが、今回の、酵素と言っている、恐らくはタンパク質であろう物は、タンパク質であるが故に、人によっては、アレルギーを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

どのタンパク質に対してアレルギー反応を示すのかは、人それぞれ。

更に、食事を抜いても、そのワサビの袋のような物を食べれば安心と思い、充分な栄養を摂取しないと、勝てる試合も勝てなくなるからよ～。彼に、その「酵素」の値段を聞いたのですが、しにどぅまんぎたよ～。（とってもビックリしたよ～。）筆者ならば、その金があるならば、上等肉ですき焼きするか、上等すしでも食べるってば。

　野球の練習や試合の前は、ちゃんと時間に余裕を持って準備してから、早めにキチンと食事しましょうね。