あれだったら大丈夫です

あれだったら大丈夫です

2016-11-15

 先日、内地で草野球の助っ人に行きました。試合前の打ち合わせで、主将と思われる人が、相手投手の説明をしました。「相手投手は、結構速い球を投げる。だから、基本的には最初の内は待ちだが、『あれだったら』流し打ちで。」とのこと。え?皆、今の説明で、打席に立ったら何をすべきかわかったんか?いや~内地の人間は、そろいもそろって超能力者か?わんには、じぇんじぇん意味くじわからんかったってば。このまま試合に臨んだら、きっと足を引っ張ってしまうハズ。だからよ、聞いてみました。

「何だったら、流し打ちにするのですか?」

 主将と思われる人は、瞬時にはぁじら~。

「『あれだったら』流し打ちとおっしゃいましたのですが、生憎私には、何だったら流し打ちにすべきなのかわかりませんでしたので、教えてください。」

 見る見る赤くなる顔。え、わじったってよ、わからん物はわからんやさ。野球とは、勝利に向かって進める競技だからよ、疑問点は当然解消してから、勝利に近づかんとよ。100歩譲って、「あれ」とやらを想像すると、

 1.今日はたまたま制球が良い場合

 2.たまたま、自分の得意な球が来た場合

 3.球速がいつも程無かった場合

 4.応援席に、ちゅら~な姉ぇ姉ぇがいる場合

等、様々な状況があり、いずれも可能性があり、断定できません。揚げ足取りでは無く、勝利のための質問です。結局、説明が無いまま、「大平さんは、好きに打って良い。」となり、好きに打ちました。

 人間は、年齢を重ねると、記憶力が低下します。そのため、特に普通名詞や固有名詞が出て来難くなり、「あれ」と言う代名詞でごまかすことが増えて来ます。

1度この代名詞を使ってしまうと、楽なようで、やめられなくなるようです。更に、最近では、芸能人がテレビで頻繁に「もしも『あれ』だったら。」と言うセリフを使いますので、ひょっとしたら、芸能界に憧れていて、彼らと同じ言葉づかいをすることによって、親近感を得てから、止められなくなったのかも知れません。

いずれにせよ、野球は1名で行うのでは無いので、以心伝心がとっても重要です。指導者や主将に当たる人は、意味不明な代名詞は、極力使用を避けるべきと思います。

 と、そんなことがあったその日の夜、あるテレビを見ていると、女性芸能人が、買い物をしようと、店に向かっていた所、カットモデルを頼まれてから、「大丈夫です。」と拒否の気持ちを答えたと言っていました。

ありり?「大丈夫」は、肯定の返事だハズ。やしが、最近、特に若い連中の間で、「大丈夫」は否定や拒否の返事として使っているようです。今回の女性芸能人も然り。

こうなると、野球の試合でも、今後困ったことが起こる可能性が高いのかなと、想像してゾッとしました。例えば、1死3塁の状況で次の打者に、「スクイズのサインを出すかも知れないから、見落とすな。」と指示をし、「大丈夫です。」と言われ、「あぁ、了承したんだ。」と思ってからスクイズのサインを出したら、失敗して3塁走者アウトと言う状況になり、「大丈夫って言ったのに、何でスクイズのサインを出したのですか!」「大丈夫って言ったからやしぇ!」と言う、不毛な会話が発生し、試合にも破れると言う状況になるかなと思いました。

 今は、曖昧な表現が世間を横行していますが、野球をする時には、練習にせよ試合にせよ、明確な表現が求められます。指導者は大変だハズね。だからこそ、周りも協力してから、正しく明確な表現を心がけましょう。それが、勝利に近づく方法の1つですから。

 

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