支えるべきもの、信じるべきもの

名護高校野球部マネージャーのお仕事

2014-08-11

支えるべきもの、信じるべきもの

夏の選手権大会。新チームで発足して以来、それまで1勝も挙げることが出来なかった名護高校野球部は、球陽戦の3回裏、四球を挟んで4連打を許すなど4点を奪われ苦しい展開に。だが、「 部員たちを通して、絶対に諦めないことを教わった 」と新城杏奈(あんな)さんが振り返ったように、同点に追い付くと8回表には3本のヒットや犠飛を集めて見事公式戦初勝利を手に入れた。

「 中学で吹奏楽部に入って、野球部の応援に駆け付けてました 」と語るのは、外間水晶(みずき)さん。その吹奏楽部で尊敬する大好きな先輩が名護高校で野球部のマネージャーになったことを聞くと「 一緒にやりたくて 」と4月に即入部した。その約半年後の9月、野球に全く興味を示さないクラスメートを水晶さんが誘う。「 水晶に勧められ、さらに野球部の男の子たちからもお願いされて仕方ないかと(苦笑) 」と言う杏奈さんは、興南高校の春夏連覇で県内が持ちきりだったときでさえ、全く見向きもしなかったほど野球に疎かったが、「 今では一人ショップに行ってはフラッと野球コーナーに立ち寄る自分がいる 」と、はにかんだ。1年生の頃から学童野球に携わり、羽地中学でソフト部にも入っていた宮里比奈(ひな)さんは「 毎日のように遅くまで起きていたので、朝連のときの早起きがキツかったけど、今はすぐに眠れる 」と、マネージャーの仕事にやりがいを見つけた今は、心身共に充実した毎日を送っている。そんな名護高校野球部では普段の練習や、週末の試合のときなど、担当マネージャーがその日のメニューや気付いたことなどをノートにビッシリと書き記す。時たま、おちゃめな部員が可愛い絵を書き残したりするのはご愛嬌だ。

マネージャーの仕事をこなすようになって以前と変わったことについて尋ねてみた。「 コミュニケーションをとれるようになった 」と水晶さんが言えば、杏奈さんは「 先輩と一緒に会話したり行動したりする時間などは、マネージャーになったからこそ 」と目を輝かせた。そんな三人にとっての名護高校野球部は「 支えるべきものであり、信じるべきもの 」といった揺るぎない存在になっている。

マネージャーとして青春の殆どを捧げていく中で得た自信と確信は逆に、これからの彼女たちを支えていく大切なものへと変わっていくのだろう。かけがえのない、素敵な宝物として。

 

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