たくさん食べてくれたら嬉しい!

嘉手納高校マネージャーのお仕事

2014-12-11

たくさん食べてくれたら嬉しい!

「もうすぐ冬休み。また一所懸命作らなきゃね!」ハンバーグや肉ダンゴの味噌鍋、焼き鳥丼など、選手たちのために彼女たちが作る手料理は多岐にわたる。

夏休みや冬休みなど、嘉手納高校のマネージャーたちは朝8時から昼食の準備に取り掛かる。皿洗いなどの片付けを含めると、遅いときは午後の3時頃まで時間を取られる。だがその労苦も、「美味しいと、おかわりしてくれたら嬉しい」と声を揃えた。

「休みの日以外の普通の日も味噌汁を作っています」とは沙夜香さん。先述したのと同様、当番制でその役は回ってくる。豚肉に豆腐、切り干し大根やワカメが入る豪華な味噌汁だ。その日の午後の練習後に食べてもらい、残ったら温めて一夜置き、次の日の朝練のときにまた食べてもらう。前任の南風原高校でも、そういった食トレを導入していた大蔵先生に対する彼女たちの信頼は高い。

「とにかくアツイ!学校内では生徒として、グランドでは選手として凄く考えてくれる先生。もちろん私たちマネージャーのことも!」

前田敦子主演の「もしドラ」を見て、高校野球のマネージャーをやろうと決めた明梨さんと、彼女に誘われて入った沙夜香さん。依菜さんも「ずっとマネージャーに憧れていた」と、3人ともに入学後すぐに野球部へ入ったが、もちろんキツいときだってある。「冬の間の、雨が降ったあとのグランドの水取りは、冷た過ぎて手の感覚が無くなる」。でも、そんな大変なことも「きっと後で良い思い出になるのだろうな」と笑い飛ばした。

大勢の観客の中でアナウンスをすることで「学校行事で人前に出ることがあっても動じない」(明梨さん)心や、朝早く起きることで「規則正しい生活」(沙夜香さん)が送れるようになったなど、精神的にも逞しくなった一方で、「選手たちの努力を、一番身近で感じられる」(依菜さん)と、努力し続けることの大切さを学ぶことで、自分たちのハードな仕事や辛いことからも逃げない強さを身につけた。

「家族よりも一緒に居る時間が多いのが野球部。このメンバーじゃないとダメよね」。しんみりと、でもその後の笑顔があふれる中に強く感じた。ここが彼女たちの居場所なのだと。

 

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