第3回中体連軟式野球場内アナウンサー育成講座

青春応援席〜がんばってますマネージャー(特別篇)

2015-06-01

沖縄県中学校野球のレベルが向上し、九州大会や全国大会で好成績を残している。その野球部員たちを支えているのが各校のマネージャーたち。

大会が行われる会場では場内アナウンスの役目を担い、試合進行を影で支えている。

今月の青春応援席は、場内アナウンスの技術向上を目的に行なわれた中体連軟式野球場内アナウンサー育成講座の模様をお届けする。

頼もしいアナウンサーの卵たち

5月9日、那覇市立石嶺中学校にて、沖縄県軟式野球部専門部の主催による第3回中体連軟式野球場内アナウンサー育成講座が開かれ、県内21校男女68名の中学生たちが集まった。

まずは各自自己紹介をし、簡単な交流ゲームを行なった後、講義へと進んだ。

講義の最初は、昨年まで宜野湾中学でマネージャーを務めていた與座優花さん(浦添高校)が講師として立ち、アナウンスの心得と発音の仕方や、スターティングメンバーと用紙の記入方法などを後輩たちに伝えた。

その後、アナウンスのDVDを鑑賞しての昼食時間になる頃には緊張もほぐれ、学校の垣根を越えて生徒同士が情報を交換しあう姿もみられた。

午後からは初級、中級、上級の各コースに分かれて、レベルに応じたアナウンスの練習や講義が開始。

「こんなに集まってくれたのは初めて」と、照屋ケオキ先生(あげな中)が嬉しい表情を見せたのは初級コース。

中学1年生の野球部マネージャーたちは、小学校から中学校に進学したばかりで、まだ野球の基本的なルールもおぼつかない。初級コースを受講した生徒たちは、上級生から、ストライクとボールの違いなど、基本的なルールを学んだ。

そんな初級コースのテストをいくつか紹介しよう。

1. 野球は何人で行う?

2. アウトをいくつ取れば、守備側は攻撃へ、攻撃側は守備へと移りますか?

つい3月まで小学生で、中学に上がって初めて野球に本格的に触れる生徒たちは、アナウンスの講義の前に野球について学ぶことから始まった。

これが中学生のアナウンスなのか!と、こちらが驚くほど上手い子も、みんな初めは初級者だった。

大事なのは、「終わってから『楽しかったなぁ』と思わせること。」(照屋先生)なのだ。

各コースで行われた講座の内容

【 初級者コース 】
1. 試合の始め方、攻守交代、イニング
2. 審判員のジェスチャー(ストライク、ボール、アウト、セーフ)
3. 守備位置の番号
4. 試合開始~試合終了までの流れとアナウンス

【 中級者コース 】 1. 試合開始~試合終了のアナウンス確認
2. 選手・シート交代の反復練習

【 上級者コース 】 1. 選手・シート交代のスピード測定
2. 今後の沖縄県中学校アナウンスを活性化するための会議

アナウンスレベル観点レベルレベル概要
上級12~2020=大人がつかなくても、自分たちで試合アナウンス、開閉会式、表彰などの運営が出来る
中級7~1111=アナウンス原稿を80%暗記している。または練習試合を1~5試合経験している。
初級1~66=守備ポジションの位置が分かる。

それぞれのクラスでみっちり90分間の講義を受ける生徒たち。

だが、以外と時が過ぎるのが早いと感じたのではないだろうか。

そう思うほどに、終了間際の生徒たちの顔は、笑顔で溢れかえっていた。

最後に上級者を代表して金城優李さん(北谷中)が、「焦らない、恥ずかしがらない、とにかく楽しむこと!」と、初級及び中級者に向けたメッセージを語れば、比嘉結野さん(琉大附属中)は、「自分に自信を持ってアナウンスをやりましょう。」と伝えた。

「場内アナウンスだけに止まらない。

例えば校内の発表会や生徒会(現に多数が生徒会に所属しているとのこと)での意見交換など、積極的な姿勢へと繋がっていきます。」と、照屋先生は彼女たちに優しい眼差しを向ける。

中学野球のアナウンスのレベル向上はもとより、将来はテレビ局で活躍するアナウンサーになる子や、立派なスピーチを披露する政治家になるかも知れないと思わず想像してしまった。

沖縄の野球界の一端を担う場内アナウンサーの卵たちに、これからもエールを送り続けたいと思った一日であった。

 

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