マネージャーを務めさせてくれてありがとう

東江中学校野球部マネージャー

2016-03-15

 「嬉しいことばかりじゃなく、悔しいことも共有しあえて良かった。」と語るのは、東江中学校野球部マネージャーとして頑張ってきて、この4月から宜野座高校に入学する大城あのんさんだ。

周りが、素晴らしいマネージャーですと口にするあのんさんだが、このお仕事をする前の彼女は「ホームランだけは知ってました。」と、野球に関しては全くの素人だった。

当初はバレー部に所属していたあのんさんだったが、足のケガにより離脱。それから無気力な日々が続いていたが2年生になった夏、野球部の門を叩いた。

とはいえ、右も左も分からない彼女だったが、当時の先輩マネージャーや同級生部員たちに色々教わる一方、自分でもネットを利用してスコアブックのつけ方を勉強するなど一歩一歩成長。

野球のポジションをやっと覚えた頃に、中体連軟式野球アナウンサー講座に参加。そのときに、講師として後輩たちに教えてくれた中部商業高校のマネージャーの姿を見て、私もそうなりたいと強く心に刻んだ。

 重いキーパーを運んだり、冬の寒い風が身にしみるときなど辛いこともあったが「選手たちがいつも笑わせてくれて。」と、周りの気持ちが嬉しくて心の中は常にポカポカしていた。

最後の選手権大会が終わっても「いつもありがとう。良いマネージャーだったよ。」と、ラインを通して感謝の言葉が届く。

県大会には届かなかった東江中学だったが、国頭村長杯では決勝へ進出。リードして迎えた終盤、優勝まであと少しというところまでいったが逆転負けをくらってしまう。それでも準優勝という成績に笑みがこぼれるかと思いきや、選手たちと共に悔しさを表していた彼女がいた。

昨年の中体連の大会が終わったあとも、彼女の行動力はとどまることを知らず、東江中学校の陸上部や硬式野球育成会(やんばるスラッガーズ)などで積極的にマネージャーとして選手たちを支え続けた。

「マネージャーをやる前の私と比べて、周りに対する気付きが出来るようになった。」と、自分の成長を振り返るあのんさん。

野球部顧問の上間先生も「今まで僕が見てきたマネージャーでも1,2を争うほど気遣いに優れる」と太鼓判を押す。

彼女自身が「マネージャーを務めさせてくれてありがとう」という謙虚な心をあわせ持つからこそ、周りにありがとうと、素直に感謝の気持ちを言えるようになったのだ。そんなあのんさんが4月から通う宜野座高校には、がらまんの山々に囲まれた伝統ある野球部のグラウンドがある。

更なる成長が約束されている彼女の新たなステージは、まだ始まったばかりだ。

 

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