勝って恩返しする。その言葉に涙

古蔵中学校野球部マネージャーのお仕事

2016-01-15

古蔵中学校の3人は、野球部へ入部してまだ一ヶ月余りというホヤホヤのマネージャーだが、野球に関してはそんじょそこらの女の子とは訳が違う。

「二人の兄が古蔵ファイターズに居て応援してた。」と洲鎌優芽(ゆめ)さんが語れば、津波涼香(すずか)さんは「古蔵イーグルスでおじいちゃんがコーチしてて兄が選手。私も選手としてホームランを打った。」と話す。

さらに山川仁唯奈(にいな)さんはプロ野球選手を従兄弟に持つ。そう、西武ライオンズへ2位指名を受けた山川穂高がその人。それでも、3人が野球部の門を叩くのは、そう早くは無かった。

「唯一の女子部員として頑張る彼女を見てて、少しでも力になりたい。」そう思った優芽さんと仁唯奈さん。方や母親に勧められて、マネージャーとして頑張ってみるか!と一念発起した涼香さん。

1年以上も不在だった古蔵中学に、一気にマネージャーが3人も誕生した瞬間だった。

だが何をしていいのか分からない。そんな折、新人大会の那覇地区予選会であるスポーツトグチ杯で、金城中学のマネージャーを務める、きらりさんやなつきさんといった他校のマネージャーたちと出会いすぐに意気投合。

「アナウンスシートの書き方など教えてもらった。」(優芽さん)と、イロハを教えてもらった。

マネージャーになる前は、夜遅く寝る前までスマホを触ったりしてた生活が一変した。7時過ぎに起きていた以前に比べ、5時に起きて週末の練習試合に備える。

「与勝中学への遠征でした。(遠距離のため)凄く早起きしたのに、到着した途端に雨で結局中止。」あれは辛かったと本音を言いながらも、彼女たちの青春の1ページとして刻まれたことは決して無駄では無かった。

スポーツトグチ杯前、彼女たちのLINEに「いつも支えてくれてありがとう。勝って恩返しするからね。」と通知が入る。副顧問の大城先生も、「エースの神山と並ぶ、頼れる選手」と太鼓判を押す国吉涼介くんからだった。「ジーンと来ちゃった」。このときばかりは、彼女たちもマネージャーになって良かったねと、はにかみあった。

「彼らの試合での真剣な表情やプレーを近くで見れる。マネージャーになって改めて、野球の魅力を感じています。」と、言葉を合わせた3人。地区ベスト8のナインが来年の春、海邦銀行杯の県大会への切符を、彼女たちへのプレゼントとして贈ることだろう。

 

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