支えてくれたことに感謝
嘉数中学校野球部マネージャー
2015-09-15
嘉数中学校で行われた作文の校内発表会で狩野鈴寧(かりのすずね)さんは、支えてくれたことに感謝という題目で「以前は興味が無かった野球だけど好きになりました。でもそれ以上に私は、嘉数中の野球部が大好きです。」と、マネージャーの仕事を通して得た胸の内を告白した。「そのとき、野球部のみんなが照れてにやけてたよと聞かされました(笑)。」
野球に全く興味が無かった鈴寧さん。当時の担任であった當銘先生にやってみたら?と勧められ、マネージャーになったのは昨年の夏休みが終わる頃。はじめは遠慮して離れたところから練習を眺めていた毎日。
あるとき、グラウンドでボールを追いかけているはずの先輩がイスを持ってきて、『座って見ていいんだよ』と優しく接してくれた。
重いキーパーも二階から運ばなければならないが、『大丈夫か?一緒にやろう』と、同級生が声掛けしては手伝ってくれた。
どう書いていいか分からないスコアブックも、それを知っている選手が丁寧に教えてくれることで、徐々に野球が、野球部が大好きになっていった。
年が明けた4月、弟が野球をやっていたという仲宗根知江里(ちぇりぃ)さんと、友達の儀間授楽邦(じゅらく)さんの同級生二人が、鈴寧さんの誘いを受けて入部してくれた。
「アナウンスの仕事をクリア出来たときの達成感が最高」(知江里)、「部員にありがとうと言われると嬉しい」(授楽邦)と、今ではマネージャーの仕事を満喫中だ。
嘉数中学校の生徒会としての活動も行っている鈴寧さん。会長や副会長ら先輩との交流の中で、今では自分から積極的に何かを取り組めるようになり、それがマネージャーの仕事にも結びついている。
以前は、人とコミュニケーションを取ることが得意ではなかった彼女が、マネージャーになって先生たち大人と接する機会が増えて明るくなった自分の成長を振り返る。
野球部顧問の比嘉先生も「なくてはならない存在」と語るように、抜群の信頼を寄せるまでになった。
「今は私がチームを支えてあげることで、部員や周りが喜んでくれる。それが嬉しい」。そんな彼女な原動力は、右も左もわからなかったあの頃の、自分を支えてくれた野球部から受けた優しさだ。
原点となった感謝の気持ちは、人から人へと受け継がれていく。この素敵な学び舎と、思い出あふれるグラウンドの上で。
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