手留照(てるてる)の甲子園への黄金の5ケ条 (第15回)

手留照(てるてる)の甲子園への黄金の5ケ条

2016-12-15

甲子園への黄金の5ケ条

  • 1) 頭に思い描いた夢を文字や絵などの形にする
  • 2) 夢がかなった時のかっこいい自分の姿を想像する
  • 3) ファンをいっぱい増やす(挨拶の達人になる)
  • 4) 履物をきちんとそろえる。(コロコロ大作戦)
  • 5) 必ず声に出してありがとうを伝える(ありがとう大作戦)

ビーチボールを使ってバッティング

小学生だった四人の息子たちに甲子園に行くためにはどうすればいいのと問われ、黄金の5ケ条を授けた手留照だが、息子たちが幼いころには野球を好きになってくれるようと工夫もした。

以前にも記したが、2、3歳の頃はビーチボールを転がしてプラスチックのバットで打たせることを行った。大きなビーチボールだと空振りをすることもなく必ず当たる。打った後は、一塁ベースに見立てた母親のもとへ一目散に向かいその胸に飛び込み抱きしめてもらう。

楽しいから何度も繰り返す。その遊びでは「今度は右で打ってみて、左で打ってみて」と言って右打席、左打席の両方で打たせるようにした。そのうちに自然に自分が好きな、

打席で打つようにさせていった。四人の息子は全員右投げだが、長男と四男は右打ち、次男と三男は左打ちへと育っていった。

マジックキャッチでキャッチボール

さらに手留照は「ボールを捕るっていうことを小さい子供に教えることは難しいから」と、おもちゃ屋でマジックキャッチを購入してきて、それをはめさせてキャッチボールを始めた。

ゆっくりと時間をかけボールをキャッチすることを教えた。最初は正面に投げキャッチさせ、だんだんとキャッチしにくい位置にボールを投げた。「おへそから下は、こんなしてキャッチするんだよ」などと教えながら遊んだ。マジックキャッチがうまくできるように成長してくると、こんどはビニール製のおもちゃのグローブでテニスボールを使ってのキャッチボール。

徐々に慣れさせていった。小学生に入ると、キャッチ面が平らなフラットグローブをつけさせてのキャッチボールもやらせた。このグラブだと両手を添えないとボールを捕とることができない。

胸の前にグローブを持ってきて右手で添える、グローブにボールが当たった瞬間に送球の勢いを殺す。小さいときから癖をつけさせていた。手留照は、息子たちが幼いころには、遊びの延長で自然と野球が好きになり、ボールの扱いに慣れさせることを試みた。

投げ方は「投げる~ん」を使って

息子たちに対して技術指導的なことは、ほとんど行わなかった手留照だが、肩肘に負担を残さない投げ方だけは覚えてもらおうと考えた。

「とにかく投げることに関しては、小さいときから癖をつけさせておかないと大きくなってから直すのはなかなか難しい。変な投げ方が癖になっていくと体が成長して筋肉がついたときに力いっぱい投げて肘とか壊す」と思った。

そこで手留照は息子たちに「投げる~ん」を与えた。「投げる~ん」は正しいフォームを作り、インナーマッスル(内側の筋肉)を強化するグッズ。

「タオルを持ってシャドウピッチングをやるのもいいのだけど、このほうが音もヒュッと切れる音が聞こえるからやっていて楽しい。腕の振りが早くなって来ると切る音もビッとだんだん変わってくるので成長の度合いが感じられる」とこれを素振りするのと同じように家の中で毎日やらせた。

肩肘に負担を残さない投げ方はフォロースローした瞬間に小指が上を向くような力を逃がす腕の振り方。それを身に着けさせるために「投げる~ん」を使った。「投げる~ん」をなるべく高いところにある太鼓を叩くようにして腕を下ろして振る。そうすることで腕の振りも自然に大きくなる。

また、ノックを受けているイメージをしながら「投げる~ん」を使ったスローイングの練習もさせた。「投げる~ん」で投げ方を身につけた四人の息子たちは誰一人として肩肘の故障に見舞われずにすんだ。

肘を上げる投げ方の習得は

「投げる~ん」を使った練習の他に、正しい投げ方を身につけさせるために手留照が行ったもう一つの練習法が地面にボールを叩きつける練習。小学生に対して「グリップを体の近いところから持ってきて、前を大きくして投げるんだよ、肘を上げて」と言葉で言ってもなかなか理解してもらうことは難しい。そこで、肘を上げて投げる動作を身につけるために息子たちにさせたことは、ボールを地面に叩きつけて高く弾ませる練習。

足元の地面に円を描いて、それを的にしてボールを叩きつける。的にボールを叩きつけ高く弾ませるためには自然と肘を上げないとうまくできない。そのようにして、肘を上げて投げる投げ方を覚えさせた。言葉で説明しても分かりづらいと思う技術的なことに関しては、アイデアを使って自然と身に付けさせた。

Profile

本名 砂川正美

昭和36年生まれ(那覇市出身)
真和志高校エースとして秋季大会優勝。福岡工業大学では4年間で27勝。社会人野球では九州三菱自動車に所属)
社会人野球を引退後、浜川ジャイアンツの監督に就任。4年後に県大会優勝をはたし全国大会に出場。)
野球の指導を通して感謝の気持ちを子供達に伝えているうちに「夢」と「ありがとう」が組合わさった文字を発案。)
現在は、 いろんな場所で講演をしながら「夢」の文字を自身の夢と共に描き続けている。

 

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