手留照(てるてる)の甲子園への黄金の5ケ条 (第9回)
手留照(てるてる)の甲子園への黄金の5ケ条
2016-03-15
甲子園への黄金の5ケ条
- 1) 頭に思い描いた夢を文字や絵などの形にする
- 2) 夢がかなった時のかっこいい自分の姿を想像する
- 3) ファンをいっぱい増やす(挨拶の達人になる)
- 4) 履物をきちんとそろえる。(コロコロ大作戦)
- 5) 必ず声に出してありがとうを伝える(ありがとう大作戦)
楽しみながらキツイ練習をする
長男の政輝は4年生になると少年野球チームに入った。それをきっかけに、手留照氏もチームの手伝いをすることになりコーチに就き、子ども達の面倒を見るようになった。そして3年後に監督としてチームを率いるようになった。
手留照氏が少年野球の指導者に就いて考えたのは、いかに子どもたちが練習取り組くんでもらえるかということ。
そこで、とにかく楽しみながら練習をさせること、楽しみながらキツイこともさせることを考えた。
例えば、走り込みにはアメリカンノックを取り入れた。ライトとレフトのポジションに子どもたちを守備につかせノックを打つのだが、わざとぎりぎりぐらいに大きな当たりを打つ。
そうすると、おのずと子ども達はボールを追いかけて、ボールを捕りたいと思い全力で走った。
このような練習を数多くこなすことで、走る練習とした。また、普段の走り込みに関しても、必ずストップウォッチを持ってタイムを計ってあげて、目標、目的意識を持たせ練習に取り組ませた。
とにかくチーム内で競争みたいなものを数多く取り入れ指導した。
キャッチボールを教えるときも、中継プレーのリレーで速さを競わせた。これは先日の大リーグ、シカゴ・カプスの川崎宗則選手のキャンプリポートでも同じようなシーンが放映されていたが、選手を4人ずつチームを組ませ、離れて並ばせて、端の選手から端の選手までボールを繋ぎ、中継プレーの速さを競わせるもの。
手留照氏は、これを往復させ最初にボールを投げた選手にボールが戻って来るまでの速さを競わせた。
ボール回しの捕って早く投げる練習。途中でボールを落としたり暴投をすれば、また先頭にボールを返す。このようなゲームを徹底的にずっとやらせた。初めは何も教えずに好きにさせる。
子どもたちは、捕り方もバラバラ。どんなふうにすると早く投げられるのかも考えずに、相手に正対し捕って一回転して投げる。
それを半身になってボールを受けることなど、少しずつ教えていく。うまい子たちの中継プレーを見せて、学ばせる。こうして本番の一発勝負の競争。1番になったところは道具を片付けて練習終了。
2番、3番、4番のチームはグランド何週、インターバルダッシュをしてそれから終わりなどと罰ゲーム的なものもつける。子どもたちは勝ちたいから真剣にやり、考えてやる。「うまくなる方法とか口で言って教えるよりも、競争させて体験させて教えるとかよくやりましたね」。
ファンを増やす
自分に対するファンをいっぱい増やすために挨拶の達人になることやありがとう大作戦をすることを甲子園への黄金の5ケ条の中にも掲げているが、手留照氏はユニークな話で子どもたちを引き付けた。
「お前ら中学校に行っても野球するんだろ。中学校になると、いろいろな小学校からも来る。その中で1年の時から監督に目をかけられる方法、レギュラー候補になる方法を教えような」。それが、人の話を聞く姿勢と返事の仕方。
「グローブと帽子は左手に持って、監督の目を真剣に見る。見るときには監督の目の中に自分の顔が映るくらいに見る。監督に試合に出たい人とか質問されたら、グリップを体の近くから持ってきて「はい」って答え手を上げる。
「はーい」は駄目だよ、ちゃんと目を見て返事も短く。いいか野球選手の手の上げ方っていうのは、グリップは必ず体の近くから。
ボールを投げるときも、グリップは必ず体の近くから投げる。ボールを投げるのも手を上げるのも同じだよ。グリップが体の遠いところから投げる人は肩の筋肉を痛めるんだよ」。
そう言って、相手の目を見て話しを聞く練習や、返事の仕方の練習をさせた。
挨拶に仕方も、『(あ)相手より(い)いつでも(さ)先に(つ)伝わるように』とチーム全員が言えるようになるまで教えていった。
そして感謝の気持ちを持つことを。「甲子園に限らず、スポーツ選手のインタビューっていうのは必ず、優勝できたのは応援してくれた皆のおかげですとか、支えてくれたいろいろな人たちのおかげですって言うだろう。だから、ありがとう大作戦なんだよ」
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