手留照(てるてる)の甲子園への黄金の5ケ条 (第13回)

手留照(てるてる)の甲子園への黄金の5ケ条

2016-08-15

甲子園への黄金の5ケ条

  • 1) 頭に思い描いた夢を文字や絵などの形にする
  • 2) 夢がかなった時のかっこいい自分の姿を想像する
  • 3) ファンをいっぱい増やす(挨拶の達人になる)
  • 4) 履物をきちんとそろえる。(コロコロ大作戦)
  • 5) 必ず声に出してありがとうを伝える(ありがとう大作戦)

グランド以外でも常に野球を意識して行動する

勝負の世界で、勝ち負けの目に見えない部分で、幸運を自分のところに引き寄せることができるようにするためにと、息子達に授けた黄金の5ケ条。

手留照は、息子たちが所属する学童野球チーム「浜川ジャイアンツ」の監督を5年ほど務めていた時期があり、そこでも部員たちに挨拶の達人やコロコロ大作戦、ありがとう大作戦を伝えた。

「ありがとう大作戦をやると、お前たちもファンが増えるんだよ、そして目に見えない幸運がひっついてくるんだよ」と息子達と同じように教えた。

「浜川ジャイアンツの挨拶は、(あ)相手に(い)いつでも(さ)先に(つ)伝わるように。そのために必要なのは、勇気とタイミングと、間」。

挨拶についても徹底して教えた。手留照が、監督を務めるにあたり、重視したのは、グランド以外でも常に野球を意識して行動すること。

グランドの上での、投げる、走る、打つことは、もちろん一生懸命にやるが、野球の試合に勝つためには、運を引き寄せることも必要、応援してくれるファンを増やすことが大切だと伝えた。

試合後のヒーローインタビューで「声援が後押ししてくれた」とか、「皆の気持ちがボールにのりうつった」などと表現する選手も多い。

運は、字のごとく人が運んでくれる。手留照は、子ども達を応援してくれる周りの人を増やすことで、本人もチームも成長しながら運を身に付けることができると考えた。

運を運んできてくれる人は多ければ多いほどいい。だからグランド以外でも野球を意識して、地域の人に挨拶をする、学校でも皆のリーダーになる、いい人になる、やさしい人になる。

人から好かれるようになれば、バッターボックスに立ったときにも頑張れと皆が心から応援してくれる。

手留照は、「学校でも、乱暴な言葉を使わずに優しい言葉を使う。仲間を大事にする、周りから好かれる人になる、人の文句は言わないようにする。いじめなんてやったら、絶対に試合に勝てない」と、全ては野球につながると教えた。

レギュラー候補になるためには

手留照は、子ども達にレギュラーをインセンティブにして野球以外のことでも意欲も駆り立てた。

新学期が始まると「明日から新学期だ。学級委員長になったのが、レギュラーの第一候補だよ」とミーティングで話した。

すると、なんと全員がクラスの委員長や副院長になった。野球部員全員がクラス委員に手を上げた話は校長先生の耳にまで届いたという。「クラスの役員をすれば難儀をするかもしれないけど、

いろいろなことを任されたり、経験することができるから、損はないと思った。積極的にこのようなことに関わると、心に筋肉がつくから試合のときも落ち着いてプレーができる」と手留照は言う。

そして、レギュラーをインセンティブに使った第2弾は、どの科目でもいいからテストで80点以上をとること。

「国語でも算数でも何でもいいから80点以上を取ったら、そのプリントを持って来て。そしたら名簿に書くから。これで6月の大会のレギュラー候補を決める」。

成績の良い子は「よっしゃよっしゃ」とほくそ笑み、勉強があまり得意じゃない子からは「監督インチキ。俺50点以上とったことないし」と不満の声。

それでも、勉強が得意じゃない子も試合に出たい思いで頑張りをみせ、80点を超えるようになった。

「監督!、92点!」と練習が始まる前にプリントを手に喜び勇んで駆け寄ってきたときは、手留照も嬉しくなった

低学年のレギュラー候補の条件は、母親へ感謝の言葉を伝えること

3年生以下の低学年には、誕生日プレゼントをもらうときに、母親へ感謝の気持ちを伝えることをレギュラー候補の条件にした。

「お母さんからプレゼントを貰う前に、世界中で一番僕のために頑張ってくれてありがとう。そう言ってからプレゼントを貰うんだよ。これをやったらレギュラー候補だよ。

今だけじゃないよ、毎年やるんだよ、そうしたら中学になっても、高校になってもレギュラー候補だよ、試合に出られるよ」と手留照は伝えた。

実際に実行した子どもを、あからさまに試合に出してあげたら、低学年なので「あい俺もやろう」と皆がやるようになった。

これをさせた目的は、試合に出すよと言えば、子ども達は恥ずかしくても勇気を出してお母さんに感謝の言葉を言う事ができるから。

子ども達は試合に出たいががために、深い考えもなく、そのような行動を行うかもしれない。例えそうであったとしても母親は嬉しく思うだろうし、この子をもっと好きになってくれるのではないか、手留照の作戦だった。

Profile

本名 砂川正美

昭和36年生まれ(那覇市出身)
真和志高校エースとして秋季大会優勝。福岡工業大学では4年間で27勝。社会人野球では九州三菱自動車に所属)
社会人野球を引退後、浜川ジャイアンツの監督に就任。4年後に県大会優勝をはたし全国大会に出場。)
野球の指導を通して感謝の気持ちを子供達に伝えているうちに「夢」と「ありがとう」が組合わさった文字を発案。)
現在は、 いろんな場所で講演をしながら「夢」の文字を自身の夢と共に描き続けている。

 

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