球陽高校野球部 PICK UP! TEAM

球陽高校野球部

2014-12-11

意識を持ってやらないと意味を成さない

第64回高校野球秋季大会一回戦で球陽高校は、中部農と南部農の合同チームを相手に驚愕のゲームを見せつけた。

玉城一志、玉栄圭一朗、仲地群星の3人で7安打を放つと、中軸に座る與那嶺樹志と山城遥の2人も4得点。その2年生たちに負けじと1年生エースの我如古莉也が、2回裏に与えた一つの四球のみで5回参考ながら見事ノーヒットノーランを達成し快勝した。そして迎えた一年生中央大会中部南地区予選(以下一年生大会)では、普天間との2位決定戦を制し、同校野球部史上初の、中央大会への出場を手に入れるセンセーショナルな出来事をやってのけたのだ。

県内上位に位置する進学校である球陽は、部活動に勤しむ子たちも2年生の夏で終わりを迎え、大学進学へ全神経を傾けるのが常。野球部でも練習試合は月に1度あれば良い方で、「第一試合は2年生たちが行い、1年生たちがゲームを出来るのはせいぜい3イニングほど」(遠矢彪我)と実戦に疎く、負けても良いから楽しもうと思う部員が多数を占めていた彼らが意識を変革しだしたのは昨年の秋。9回表に追い付き延長10回へと持ち込んだ具志川高校戦。そして今年の春の与勝高校戦では延長11回を戦い、夏の選手権大会では3回裏に一挙4点を奪うなど7得点を挙げて、名護高校を慌てさせた。

「ここでは僕ら指導者が(練習メニューを)与えるのではなく、部員たちが全て考えて動く」(徳山先生)スタイルの球陽。打線では次に繋げること、守りではボールを支配するために声掛けや準備力といったことが出来るようになってきた。一年生大会の初戦では美里高校を相手に6対3と勝利するも、次戦の普天間高校に完敗。だが3戦目となる北中城高校との戦いでは、6回裏に3点を奪い勝利すると、宜野湾との2位決定進出戦では我如古、平良海聖、知念周斗の3連打で1点を奪い、さらに荘司陽太のスクイズで決勝点をもぎ取った。そんな球陽の前に再び立ちはだかったのが普天間だ。

先制点を奪われた2回裏、上地一輝のタイムリーと前原洸大の犠飛で逆転すると、投げては前回、8回途中までに4失点を喫した我如古が2失点完投し、リベンジを果たしたのだった。

「冬は1時間、夏でも1時間半あれば良い方」(仲宗根先生)という短い練習時間だからこそ、「ポイントを絞って且つ集中力を切らさない練習」(仲地主将)で、他の強豪校との差を埋めてきた。遠矢は「意識を持ってやることで結果がついてきた」と語った。しかし事はそう上手く運ばない。 北中城戦以降の3試合27イニング全てに登板、その間の防御率が0.67の我如古を持ってしても、南部地区1位通過の知念高校の前では、なす術もなく敗れた中央大会の本戦。だがこの世は、自らをまだ弱いと言い切れる者が後に大成していくもの。ここはこの経験を肥やしに糧とするだろうナインの、さらなる向上に期待したい。

真理の極み尋ねんと「文武両道」の熱き思いは天を衝く。進学校だから部活動の時間は無い、などという言い訳を誰一人もらさず、練習に励む頼もしい彼らの思いはこれからも、天を衝くほどに熱くあり続ける。

TEAM DATA FILE

チーム名球陽高校野球部
スタッフ仲宗根寛史先生、徳山篤史先生、多和田真先生
創部1989年学校創立と同時に創部
部員数選手20名、マネージャー3名
練習毎日

監督取材

仲宗根寛史先生 (監督) 球陽高校野球部

1967年7月25日生まれ(47歳)。
1972年10月3日生まれ。具志川高校、琉球大学を経て教職の道へ。普天間高校、八重山農林高校を経ての母校への赴任となった具志川高校では夏の選手権や秋の県大会で16強入り。2013年に球陽高校へ。物理教論。シンプルに考えることを教えの柱とするが、選手からは奥深く説得力があると好評だ。42歳。
  球陽高校 

 

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