県立北谷高等学校野球部 PICK UP! TEAM
県立北谷高等学校野球部
2014-10-11
中学でレギュラーだったのは一人だけの上、部員数は僅か15名の野球部。。。
そんなある種の固定観念であなたが彼らを見に行くと、おそらくあっさりと裏切られるだろう。
北谷高校のグランドはライト側が極端に短く、学童野球の試合でなら使えるかなという距離しかない。取材に訪れたこの日は幸運なことに他の部活動が休みだったので全面を使えたが、外野手はレフトとセンターに固定される。例えば試合で相手打者がライト線へ打球を放ち、一塁走者が三塁へ向かう中での中継作業といった練習は不可能だ。だが、安里監督が放つ鋭い打球に対して一年生も含めた外野についた6名の殆どがそのボールに対しての反応が良く、且つ中継作業も形になっているのだ。
昨年の新人中央大会でコザを準優勝に導いた嘉陽先生を師と仰ぎ、前任校である前原高校において、2年前の選手権沖縄大会で監督として初めて指揮を執ったにも関わらずチームを見事ベスト4へと導いた安里監督は、「昨年の一年生中央大会の中部南予選を戦って、何とか行けるかな」という手応えを感じていた。新チームへ移行しての去った新人中央大会中部南予選で、夏の大会でも投げている宜野湾高校の主戦野原陽介が相手だったにも関わらず3対4と惜敗。中部商業やコザ、美里工業といった強豪校とも試合終盤まで何とか形を作るまでに成長している。「厳しいことしか言わない僕によくついてきてくれている。200%の力を発揮してくれている」と安里監督は、練習後のグランド整備をしている彼らに温かい目を送った。桑江中からたった一人だけの入部者である我如古幸音は「中学の仲間がいないのは寂しいけど、だからといって僕は辞めない。野球が好きだから」と語る。
少ない人数だからこそ、一人一人が量の多い練習を受けることが出来る北谷高校は、この日までに7つの勝利を積み上げるなど、少しずつではあるが勝利への階段を上りはじめている。去った秋季県大会の初戦、南部工との戦いでは7回表を終えて3対9と劣勢を強いられたが、ここでも良い意味で彼らは周りを裏切る。その裏、下位の連打と相手のエラーを誘い2点を返すと、8回には4番富川の二塁打などで1点を奪う。そして9回裏、二死ランナー無しと追い込まれたがここから驚異の4連打でついに1点差に詰め寄ったのだ。最後はファーストゴロに倒れ試合には敗れたが、勝負では互角以上に渡り合ったと言えるだろう。
強いとか弱いとか、多いとか少ないとか、中学でレギュラーだったとか関係ない!一番大切な「野球が好き」という純粋な気持ちを持つ彼らが見せる快活な下克上劇に、今後も胸を躍らせながら期待したい。
TEAM DATA FILE
チーム名 | 県立北谷高等学校野球部 |
高校創立 | 1975年 |
選手権大会最高位 | 1989年ベスト8 |
監督 | 監督:里大作、伊藝秀策部長 |
部員数 | 選手15名、マネージャー3名 |
練習場所 | 北谷高校グラウンド |
主な卒業生 | 伊志嶺忠(現楽天イーグルス) |
監督取材
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