少年翼 PICK UP! TEAM
少年翼
2016-12-15
「野球が好きになった」といわれるチームを目指して
普天間基地のフェンスに隣接する普天間第二小学校。そのグランドで、少年翼の部員たちは行き交う騒音にも負けじと元気に練習に励んでいる。チームが誕生したのは昭和60年のこと。その前年に指導者不在のまま活動していた新城光神というチームの面倒をみてくれと託された現総監督の山城誠進が、新たに少年翼とチーム名を変えスタートさせた。以来、チームの歴史は30年を超える。
当初は指導方針に迷いもあったというが、山城総監督が選んだのは「弱くても野球が好きになったといわれる野球」。その方針は今も受け継がれる。今年の2月からチームを率いる石川毅は、「子供たちが練習をどれだけ頑張ったかが問題であって、勝ち負けは少年野球に関係ない。中学、高校に行ってからの勝負」。だから、子供たちが小学校で燃え尽きてしまわぬよう、ケガをさせないよう、勝負至上主義は避けている。長くチームに携わる金城信夫相談役も「上の学校でできるように、技術指導よりも挨拶や礼儀作法などを重視して指導している」と話す。
年間120試合の練習試合
小学校のグランドの使用条件などもあり、週末は他のチームとの合同練習を行うため、今年は練習試合を年間120試合行った。このことで、子供たちが他のチームのメンバーと友達になり友情の輪を広げている。
大会前にはお互いで激励の言葉を送りあったりもしている。「これが一番の大きな収穫かな」と石川監督。少年翼では、学年でチームを構成している。現在の6年生は14名。練習試合では、勝ち負けにこだわらずに全員にチャンスを与える。
レギュラー9人だけの野球にはしない。先日は、6年生になってから初心者で入部した部員が、70打席目で初めてのヒットを放った。
「上手下手ではなくて、みんな一生懸命頑張っているのでチャンスを与えないといけない。同時に競 争もさせている」と石川監督は話す。しかし、遅刻をするなど規律面できちんと出来ないときや練習を休むことが多かったりすると上手くても試合に出さない、など厳しさも保つ。
名護~宜野湾タスキリレーが復活
平成3年から20年間続いていた毎年12月の名護~宜野湾駅伝。4年ほど途切れていたが昨年から復活した。名護のヒンプンガジュマル前をスタートし、国道58号を南下し、宜野湾市を一周して普天間第二小学校をゴールとした駅伝。交通安全キャンペーンとして、また6年生から下級生の後輩たちへチーム繋ぐ意味で行っているもの。60kmの距離をチームの仲間たちでタスキをつなぐ、少年翼の伝統行事だ。駅伝以外にも緑の少年団を結成しての植樹活動や海臨清掃など地域の行事には率先して参加するようにしている。
チームの歌『翼魂』
少年翼にはチームの歌がある。結成15周年のときに創られたもので、試合前や試合後にチーム全員で歌い、士気を高めている。練習中にBGMで流していた時期もあったという。 『翼魂』の歌
もちろん県大会出場という目標はあるが、勝つことだけを目指すのではなく、その過程を大切にして、一生懸命練習して野球が好きになってくれる子を育てることを目指す少年翼。「できなかった子が休まないで一生懸命練習して最後までやり遂げる。こういう子が続けてくれて、楽しそうにやっている姿をみると、野球だけ、技術だけじゃないな 感じ、我々も励みになります」と3人の指導たちは口を揃えた。
TEAM DATA FILE
創部 | 昭和60年 |
総監督 | 山城誠進 |
監督 | 石川毅巳 |
相談役 | 金城信夫 |
コーチ | 森根達輝 |
部員数 | 43人 |
練習日 | 火・木・土・日 |
練習場所 | 普天間第二小学校 |
モットー | 気迫 |
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