島袋洋奨

島袋洋奨

2014年プロ野球ドラフト会議で、福岡ソフトバンクホークスに5位指名された、島袋洋奨投手にインタビューを行いました。

2014-12-11

島袋洋奨(しまぶくろ ようすけ)
宜野湾市出身
嘉数中学→興南高校→中央大学
高校3年の夏、甲子園春夏連覇
大学4年時、中央大学硬式野球部主将

昨日の暖かさから一転。非常に寒く、雨もパラつく天候。常日頃、「心がひじゅる~(冷たい)」と言われている筆者をティーダは見逃してくれなかったか?しかし、約束の時刻となり、インタビューが始まると、雨はサッと上がり、風も止みました。

おおっ!沖縄に2本の優勝旗をもたらしてくれた興南高校の選手には、ぐす~のご先祖様た~が良い環境を用意してくれたんだハズ。ご先祖様、島袋投手、たんでぃが~たんでぃ~。専用球場のバックネット裏の観覧席でインタビューを始めるイケメン2名。嘘です。私はイケメンではありません。それにしても他の部員は、「あれ、た~やが?(誰?)」「ぬ~そ~が?(何してるの?)」状態でしたが、楽しく話を聞くことができました。

福岡ソフトバンクホークス

大平「まずは、ソフトバンクホークス5位指名、おめでとうございます。」

島袋「ありがとうございます。」

大平 「しかし、今日は寒いですね。」

島袋「ですね。自分は寒いのが苦手なので、辛いです。」

大平 「え~?4年も東京にいるのに?」

島袋「いや~、全然慣れませんね。」

大平 「でも福岡は、冬は東京よりも寒くて、雪も沢山降りますよ。」

島袋「えっ!本当ですか?」

大平 「あきさみょ~。島袋さん、福岡には行ったことは?」

島袋「中学,高校と、遠征に行ったことはありますが、野球シーズンだけでしたからね。そうなんですね。九州なので、暖かいと思っていました。」

大平 「なるほど。寒さはこれは頑張って早く慣れてもらうとして、5位指名だった訳ですが、テレビで観ていた私達は、も~ドキドキでしたけど、島袋さんはどうでしたか?」

島袋「それはもう、ドキドキでしたよ。」

大平 「ですよね~。事前に、『5位で指名します。』等と言う話は、当然無かったと思うのですが、それでも、何か兆候のような物はありましたか?」

島袋「確かに、具体的所か、自分に直接話は無かったのですが、ソフトバンクがブルペン等での自分の投球をいつも1番最後まで観ていてくれたように思います。結果論ですが。」

大平 「なるほど。左の即戦力が喉から手が出る程欲しいハズのDeNAが上位で指名するのではと言う話がまことしやかにささやかれていましたが、そんな感じだったのですね。」

島袋 「ここからがスタートですけど、まずは指名されて1安心です。」

大平 「ソフトバンクですと、常に比較されて来ている東浜や、島袋さんが2年の夏に、甲子園でばんみかされ(やっつけられ)た今宮、そしてうちな~んちゅの嘉弥真がいて、引き寄せられたようで、非常に楽しみです。」

プロで対戦するとしたら

大平 「プロ野球選手島袋が誕生するとして、対戦したい相手はどなたですか?投手,打者どちらでも良いとして。」

島袋 「あ、それはやっぱり、中央大学の先輩ですね。ロッテの井上選手と日本ハムの鍵谷選手。この2名とは、是非対戦したいです。」

大平 「ああ、そっちですね。う~ん、我々うちな~んちゅとしては、沖縄対決を是非観たいと思っています。」

島袋 「沖縄対決ですか?」

大平 「そうです。ザッと挙げても、ロッテの大嶺兄弟と川満と伊志嶺、西武の山川、楽天の伊志嶺と西村と島井、オリックスの比嘉、日本ハムの屋宜と、パ・リーグだけでも、こんなにいますよ。」

島袋 「沖縄対決になった場合、どちらを応援しますかね?」

大平 「だからよ!皆、困ってしまって、嬉しい悲鳴だハズ。ですから、1軍でガンガン試合に出て活躍してくださいね。それに、同じチームの東浜や嘉弥真等とも、勝ち星や防御率で対戦できますから。」

注目して欲しい所

大平 「プロに入ったら、目指すのはやはり先発ですか?」

島袋 「いえ、特に投げる場所については、こだわりは無いです。確かに、高校時代はほとんどが先発でしたけど、大学に入ってからは、中継ぎも抑えも経験しました。そして、それぞれの重要性や、調整方法の違い、そして何よりもそれぞれの面白さがわかったつもりです。」

大平 「なるほど。最終的には、監督なりコーチなりが決めることですけど、来年から、工藤新監督が指揮を取る訳ですので、同じ左で、身長も島袋さんと同じ位ですから、目をかけられて、重要な位置を任せられることを期待しています。所で、今でも決め球と言ったら直球ですか?」

島袋 「そうですね。これは高校時代、いや、もっと前から変わっていません。自分の決め球は直球ですね。」

大平 「それを聞いて安心しました。島袋さんと言えば直球でバッタバッタと三振を取ることを期待しているので。ただ、島袋さんは、真面目で、周りのことを考え過ぎてしまうと言う印象があります。」

島袋 「と、言うと?」

大平 「例えば、体力も消耗しておらず、三振が狙える場面であても、守備のリズムを作るために、敢えて打たせるとか、肩の調子が悪いのに、頑張って投げてしまう、とかですね。」

島袋 「ん~、そんな感じに見えましたかね。」

大平 「見えましたし、インタビュー等からも感じましたよ。ですが、プロは、そんなことを言い訳にする人間はいないと思います。淘汰されてしまうと思いますし、投手が三振を取ってくれれば、自分は楽だし、打撃に集中できると思うのがプロだと思います。」

島袋 「なるほど。」

大平 「ですから、我々としては、遠慮無く三振を取りまくって欲しいと思います。極端な話、勝利よりも三振が重要かと思います。」

島袋 「え~?そうですかね?」

大平 「確かに、2013年の楽天の田中のように、連勝することが集客につながることもありますが、奪三振ショーを毎回見せれば、確実に集客が期待できると思うのですよ。客を呼んでこそのプロですから。」

島袋 「三振ですか。まぁ、相手は1流のプロですから、そう簡単には行かないと思いますが、頑張ります。」

大平 「オールスターに出て、江夏を抜く16連続三振をやってください。」

島袋 「え?9連続では無くて?」

大平 「江夏は、前年のオールスターで、5連続三振を決め、翌年9連続三振。そして、その年の3戦めの先頭打者を三振に切って取っているので、15連続三振なのですよ。」

島袋 「うわ~。現代では、益々実現が難しい記録ですよね。でも、少しでも近づけるように頑張ります。」

スリムの秘密

大平 「それにしても、島袋さんは高校時代からスリムな印象が強く、それは大学に入ってからも変わりませんよね。食が細いのですか?それとも、いくら食べても太らない?」

島袋 「ズバリ、自分は食が細いです。それに、とっても汗っかきなんです。ですから、夏等は、体重がドンドン減って行くんですよ。」

大平 「うちな~んちゅなのに夏が苦手!」

島袋 「プロでローテーションを守るならば、体も大きくしないといけませんけどね。」

大平 「博多の食べ物は、沖縄とも東京とも異なる物ですから、口に合えば、も~一気に巨大化するかも知れませんよ。」

島袋 「巨大化ですか。体を大きくすることは必要だと思いますが、思うように動けなくなったら元も子もないので、そこはきっちり管理したいと思います。」

エースを目指して

大平 「島袋さんは、元ソフトバンクの和田とダブるのですよね。」

島袋 「あ~、和田投手ですか。」

大平 「お互いに左で、独特の球の出所がわからない投球フォーム。球自体は、島袋さんの方が10km以上速いのですけどね。」

島袋 「和田投手は、制球が良かったのと、直球と変化球で、投げ方がほとんど変わらなかったので、その2つは是非目標にしたいと思います。」

大平 「和田投手以上の成功を期待するのですが、そのためには、故障無くシーズンを乗り切ることがとっても重要だと思います。」

島袋 「ですね。自分は、結構故障が多かったので、そこは気にしています。」

大平 「博多って、結構腕の良いマッサージの人が多いのですよ。」

島袋 「え、本当ですか?」

大平 「本当ですよ。ですから、腕の良い理学療法士を上手く見つけて、故障を未然に防止したり、疲れが早く取れるようにすれば、良い方向に進むと思います。」

島袋 「ですね。今まで以上に、体が資本になると思いますので。」

大平 「島袋さんが、テレビにドンドン出ると、きっと真似する人が増えると思います。2010年の秋等は、沖縄県大会で、島袋さんの投げ方を真似た人間を数多く見ました。一朝一夕にできる投球フォームでは無いのは重々わかっていますが、野球のすそ野を広げるにはもって来いと思います。」

島袋 「そうだったんですか。知りませんでした。でも、嬉しいですね。比較する相手が偉大過ぎますけど、王選手やイチロー選手の打撃フォームを真似る人は多いと思うので、自分もそんな真似をする対象なのかと思うと、感慨深いです。」

イケメン投手

大平 「さて、ふざけた話題になりますが、今回のインタビューを何名かに知らせたら、女性から『島袋さんは日に日にイケメン度が増して来ているので、悪い女に引っかからないようにと伝えて。』と言われまくりました。この点は、いかがですか?」

島袋 「ププッ。自分は、イケメンじゃ無いですよ。まぁ、うちな~じら~は、して無いとは言われますけどね。でも、イケメンと言ってくれる人達がいるのは嬉しいです。そんな人達の期待も裏切らないように、野球も身だしなみも、高いレベルを目指したいと思います。」

大平 「今日は貴重な時間をありがとうございました。これからも我々、沖縄の野球大好き人間達をどうか楽しませてください。」

島袋 「わかりました。頑張ります。」

島袋投手を至近距離で観たのは、2010年の甲子園で、球場入りする時以来でしたが、話をしたのは初めてで、舞い上がってしまいました。そんな舞い上がっている筆者を気づかってくださり、かつ、主将として、インタビューの間も練習している部員に目を光らせる。島袋投手を1言で表現するならば、「真面目」です。それ以外の言葉が見つかりません。ただし、堅苦しい真面目さでは無く、常に周りに気を配りながらの真面目さは、なるほど周りの面々が島袋投手を絶賛しうる理由が、短時間で理解できました。

極力、今後の話をしようとしたのですが、故障や、気を使い過ぎではと言う、正直面白く無いであろう話にも、率直な答えをもらえた所にも、島袋投手の素晴らしい人柄を感じました。  ソフトバンク、いや、日本のエースとして野球界を牽引し、これからも我々うちな~んちゅに夢を希望を届けて欲しいと思います。心技体、その実力は充分に備わったハズ。後はそれを開放するのみ。ちばりよ~、島袋洋奨!

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