侍ジャパンU15に選ばれた、投走攻守4拍子が光る逸材

宮城 大弥 宜野湾ポニーズ(嘉数中)

2016-07-15

7月29日から福島県いわき市で開催される「第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016 in いわき」に出場する、侍ジャパンU15のメンバーに選出された宜野湾ポニーズの宮城大弥。MAX133kmの速球を投じる投手力もさることながら、バッティングでの長打力が期待されると評される。侍ジャパンU15では投手登録だが、走攻守を活かした外野手での出場も期待される。

119人の中から選ばれる

全国5カ所(愛知・大阪・神奈川・鹿児島・福岡)で行われたトライアウトを経て選ばれた精鋭20名による侍ジャパンU-15代表。

その一人に選ばれたのが宜野湾ポニーズの宮城大弥。トライアウトを受けた119人の中から選出された。

所属する宜野湾ポニーズではエースを務め、4番に座る。俊足で守備力も備えていることから、マウンドに立つとき以外は外野を守る。

宜野湾ポニーズで32年間、多くの選手をみてきた知名総監督をして、これまでで一番の選手ではないかと太鼓判を押す逸材だ。

トライアウトでは、ベースランニングのタイムを計り、センター、ファーストの守備につきノックを受け、フリーバッティング、ブルペンでのピッチングが評価の対象となった。

宮城選手本人は「フリーバッティングが良かった」と感じていたものの「うまい人が多かったので、落ちるかもしれない」と代表に選ばれる自信はなかった。それだけに、代表決定の報を知名総監督から受けたときは「ただただ嬉しかった」。

幼稚園から野球を始める

宮城選手が、野球を始めたのは幼稚園のとき。幼稚園児だった宮城選手は、小学校のグランドから聞こえてくる音に興味を持った。なんだろうかと行ってみると、野球の練習をしていた。楽しそうだったので、すぐさまチームに入れてもらった。

その時のチームのメンバーは4年生以上の部員ばかりで低学年の部員はいなかったが、そこに幼稚園児が飛び込んだ。

チームの名は志真志ドラゴンズ。小学校3年生まで、左右両方で投げていたという宮城選手は、ピッチャーをやるときは左で投げ、内野や外野を守るときは右で投げていた。

4年生のときにAチームで背番号1をもらいエースに。小学校の頃にバッテリーを組んでいて、現在宜野湾ポニーズで主将を務める小濱祐斗は「小学校の頃から球も速くていいピッチャーだった」と振り返る。

学童野球でも、その素材の片鱗をみせていた宮城選手だったが、6年生のときにヒジを痛めてしまう。医者からは、2年間はボールを握ることを禁じられた。

そこから宮城選手は低学年以来の右投げに転じ、野手として野球を続け、中学生になると宜野湾ポニーズに入部した。宜野湾ポニーズでの最初の一年間は、右投げで外野の守備についた。

サウスポー復活

一年生の後半になり、軽く左で投げてみると痛みを感じなったので、そこからまた左投げを復活させた。

2年生に上がると1年半ぶりにピッチングを再開、徐々にスピードボールも投げられるようになった。そしてチームの大黒柱となる。

小濱主将は、「コントロールも良く本当にいいピッチャーだと思う。ストレートに変化球を織り交ぜて、試合では得点を与えない」と賛辞を贈る。

宮城選手の持ち味は、MAX133kmの速球はもちろんだが、カーブ、スライダー、フォークなどの変化球も操れること。

「ストレートがダメなときは、変化球を多めに打たせて取るピッチングを心掛けます」と話す。

信条は低めへのコントロール。ストレート、カーブ、スライダーが高めに浮かないように、低めに投げることを意識。三振を奪うことも多い。

マウンド上では常に冷静。打たれたら打たれたで相手が上だったと素直に認め、次は打たれないようにするにはどうするかを考える。

侍ジャパンU15、始動

7月2日、3日の二日間、侍ジャパンU-15代表の強化合宿が東京都府中市の内海・島岡ボールパーク(明治大野球部グラウンド)で行われた。

臨時コーチに西山秀二氏(元広島、巨人)、仁志敏久氏(元巨人)が招かれた。

宮城選手は、緊張することもなく、練習試合では1イニングを三者凡退に退けた。

鹿取義隆監督(元巨人、西武)から、直接指導を受ける機会もあり、具体的に腕の振り方や足の上げ方を教わった。ヒジに負担の来る腕の振り方を指摘され、修正させられたことは、将来にとっても大きなプラスとなった。

侍ジャパンU-15代表は、7月24日に大会開催地となる福島県で再合流。25日から始まる直前合宿で最終調整をし、7月29日から始まるU-15ワールドカップで初優勝を目指す。

宮城選手は、「ピッチングで目立ちたい。バッターでは確実に打てるようにしたい」と抱負を話した。世界を舞台に戦うウチナーンチュの活躍に期待したい。

Profile

宮城大弥 (みやぎひろや)

平成13年8月22日生まれ。
身長170cm、体重65kg。左投げ左打ち。
幼稚園生のときに志真志ドラゴンズで野球を始める。4年生からエース。
小学6年時にヒジを壊し投手を離れるが、中学2年から投手復活。 宜野湾ポニーズでは、エースで4番を務める。

「第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016 in いわき」

◆開催場所:福島県いわき市
◆オープニングラウンド(予選リーグ):7月29日~8月2日
◆スーパーラウンド(二次リーグ):8月4日~8月6日
◆決勝・3位決定戦:8月7日

(予選グループA)

日本、韓国、キューバ、オーストラリア、チェコ、コロンビア

(予選グループB)

アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、メキシコ、パナマ、ニュージーランド
※オープニングラウンド各グループ上位3チームがスーパーラウンドへ進出。
※スーパーラウンド1位、2位で決勝。3位、4位で3位決定戦を行う。

オープニングラウンド・侍ジャパン試合日程

7月29日(金)19:00 日本VSオーストラリア
7月30日(土)18:00 日本VSキューバ
7月31日(日)13:30 日本VS韓国
8月 1日(月)18:00 日本VSチェコ
8月 2日(火)18:00 日本VS コロンビア

 

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