知ってるようで、以外と知らない野球用語のお話
知ってるようで、以外と知らない野球用語のお話
2014-07-11
そんな言葉が日本の野球用語には多いことは前回もお話しましたが、はまだまだ、いろいろあります。 いつのまにかに日本でつくられ使われている和製英語や、文法上通じないだろうという言葉、微妙に違う言葉など、今回も、そんな日本の野球用語とアメリカで使われている野球用語を比べてみてみました。
「キャッチボール」も和製英語。「タッチ」は「tag」
まずは、野球といえば「キャッチボール」ですが、これも和英英語です。球を受けるだと「to catch a ball」となります。ボールを取って投げる動作「キャッチボールをする」は「play catch」が正しい言い方になります。「キャッチボールをしよう」だと「Let's play catch!」ですね。「野球をする」ことを「play baseball」というのといっしょですね。
そして、以外と知られていないのは、選手やベースヘ触れる「タッチ」という言葉が、野球英語では「touch」ではなく「tag」が使われていること。 tag=鬼ごっこからきているといわれています。例えば「タッチアウト」は「tag-out」、「タッチアップ」は「tag-up」。日本でも公認野球規則には「タッグ」が使われていますが、ちまたではマスコミも含めて「タッチ」が日常的に使われています。でも、審判員の方は「tag-out」と声を出していますよ。こんどグランドに行ったときには、よく聞いていてくださいね。
なぜか違う言葉に・・・
日本で作られた英語のようで英語じゃない野球用語。いったい、いつ、誰が言い出して、どのように広まったのかなと思うほど、いろいろあります。簡単に捕れる飛球(フライ)のことを「イージーフライ」と呼んでいますね。英語では「rutine ny(ルーティンフライ)」といいます。捕球するのがeasyなのであってfly自身がeasyな訳ではないのですが、なぜか日本語で「イージーフライ」になってしまいました。
また、打者自身もセーフになることを狙ったバント「セーフティバント」も英語では「drag bunt」「a bunt for a hit」といいます。これもなぜか「安全なバント」になってしまっています。打撃練習で投げる「バッティングピッチャー」も英語に直訳すると「打つ投手」。バッティングの得意な投手と誤解されるそうですよ。英語では「batting practice pitcher」といいます。
英語として一見正しそう。でも文法的に誤っている野球用語
日本語の外来語にもよくみられる傾向だそうですが、野球用語にもいくつかみられます。捕手が投球を後逸する「パスボール」は「a passed ba11」。「レフトオーバー」は「over the left fielder」(英語は前置詞を前に置く)。「シーズンオフ」は「off season」(名詞を形容するときは前から掛かる)。「ベースカバー」は「cover base」(英語は動詞、目的語の語順)などなど。そして人称化の為のerでは、「リリーフ」が英語ではきちんと人称化の為にerをつけ「Reliever」と呼ばれます。
逆に「セットアッパー」は、本来erをつけることができないところにerをつけてしまっています。英語では「set up man」「setup pitcher)と呼びます。(※upは副詞なのでerはつけられない)。他にも「ピッチャーマウンド」は「pitcher's mound」(ピッチャーのマウンド)、「ワンハンドキャッチ」は「one handed catch」などがあります。※シングルキャッチは和製英語。
英語を組み合わせた和製野球用語
なんとなく意味が通じそうな言葉ではあるのですが、例えば「トップバッター」。英語では「leadoff hitter」「leadoff man」といいます。二塁打「ツーベースヒット」、三塁打「スリーベースヒット」もそうですね。英語ではニ塁打は「double」、三塁打は「triple」になります。なぜか日本ではベースの数を数えるようになってしまいました。因みに単打は「single」「a base hit」といいます。(※「シングルヒット」は和製英語)。
ベースといえば満塁のことを「フルベース」といいますが、英語のフレーズでは「bases full」になります。しかし、通 常は「based loaded」と呼ばれるのが一般的です。その他、微妙にニュアンスの違う和製英語として、打球が跳ねた「ワ ンバウンド」は「one hop」、ハイタッチは「high five」というよう言葉もあります。
日本独自の和製野球英語
イレギュラーバウンド」も和製の野球英語ですね。 irregular = 「不規則な」という意味で、日本語ではイレギュラーヒットを不規則安打とも呼んでいます。しかし英語では野手にとっていやな跳ね方をするバウンドということから、bad(悪い、いやな)+ hop(ぴょんと跳ぶ、バウンド)=「bad hop」と呼ばれています。和装英語の「イレギュラーバウンド」ですが、さらに略されて「イレギュラー」が使われることも多いですね。
打球でいえば、外野のフェンスに跳ね返ってくる打球ことを「クッションボール」と呼びますがこれも日本独特の言葉です。日本では、クッション部分に当たって跳ね返るのでこう言うようになったかと思われますが、英語では「carom」といいます。
練習メニューにも和製英語があります。打撃練習のことを「フリーバッティング」といいますが、英語では「batting practice。日本では自由に打つという意味でこの言葉が生まれたのでしょうか。そして、守備練習では「ノック」。この野球用語も日本独白の言葉です。コーチが選手の守備練習のために打球を打つ、というニュアンスが出ている言葉ですが、英語では「fungo」と呼びます。
当然、「ノックバット」も「fungo bat」と呼ばれます。また、ノックを打つ人のことを「ノッカー」と呼びますが、英語には日本語のノッカーにあたる言葉はありません。「シートノック」も「fielding practice」「situational fielding practice」と呼ばれます。
「スリーバント」は日本にしかない野球用語??
「スリーバント」という言葉は日本独白の言葉です。スリーバントはツーストライクでもう一度バントすると、それを失敗したらスリーバント、アウトになりますが、前述した「ノッカー」と同様に英語にはない言葉です。英語では2ストライ ク後のバントということで「bunt with two strikes」、「bunt after two strikes」「two-strike bunt」といい、スリーバント失敗は「a foul bunt on a third strike」となります。
「エンタイトルツーベース」も一見英語っぽいですが、日本独白の言い方ですね。自動的に二塁打の権利が与えられるという意味と思われますが、米国では各球場の特性に応じて二塁打としていることから。「ground rule double」と呼ばれます。
日本独白ではないですが、違う使い方をしているのが中軸の3~5番打者を指す「クリーンアップ」。英語でも「クリーンアップ」は使われますが、「cleanup hitter」と呼び4番打者のみを指し、他の打順の打者には使いません。通常、チームの中で最もパワフルなバッターで、一振りでベースをクリーンにする(走者を一掃させる)ことができるため、こう呼ばれます。ですから、アメリカでは「クリーンアップトリオ」は存在しないということですね。
最後に、これまでに紹介した以外の一見英語に聞こえる言い回しの言葉をいくつがあげてこの章を終 えたいと思います。
際どいタイミングのプレーの「クロスプレー」、英語では「bang-bang play」。アウトになるかならないかの、激しい打 ち合いのような際どいプレーという意味のようです。野手が、本塁に向かって送球する「バックホーム」も英語では「throw to the plate」。「ハーフスイング」は「check swing」、「ヘッドスライディング」は「head first sliding」。「ホームスチール」は「stealing home base」、「ピチャープレート」は「rubber」、「タイムリーヒット」は「an RBl hit」「an RBI single」「run-scoring hit」などなど。(※RBIは、打点 Runs Batted ln の略)
ほんと、日本で使われている英語のような野球用語のほとんどがアメリカでは通じないんですね。
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