三連覇の王者に善戦した大矢ベースボールクラブが準優勝！

2017-01-15

決勝戦〜強かった王者

大げさでなく、いかんともしがたい程の力の差を見せつけた兵庫伊丹が三連覇を達成した。とはいえ、大矢ベースボールクラブ（以下大矢ＢＢＣ）も必死に食らい付く粘り強さを見せ、引き締まった決勝戦となった。

先制したのは大矢ＢＢＣ。1回裏、二死無走者からエラーとヒットで塁を賑わすと次打者が相手のエラーを誘い1点を奪った。しかし兵庫伊丹は2回表、石井雄也と林直人の連続ヒットのあと6番上間洸太のライト前タイムリーで同点とすると、3回にも2本のヒットと四球で満塁と攻め立てる。

ここで2番木村洸太郎にレフト前タイムリーが生まれ逆転に成功した。しかし大矢ＢＢＣの先発伊波洋一（鏡原中学）は次打者を投ゴロ併殺打に斬ると4番石井をライトフライに打ち取り最少失点で切り抜ける。

「投手陣は粘り強く投げた」と、多和田忍監督が評したように集中力を切らさず試合を作り続けた。その粘りは打線にも好影響を与える。4回裏、大矢ＢＢＣは大久保明慶（与那原中学）が全力疾走を見せ内野安打で出塁すると、続く櫻庭卓人（仲西中学）がセンターを襲うタイムリー二塁打で追い付く。

「やってきたことが出たのも、声を切らさず元気を表に出し続けたから」と、投打で良くやったと多和田監督は試合後のナインを褒めたがその通り、見事な同点劇であった。

しかし選手個々の力量に勝る兵庫伊丹は6回、無死二・三塁とすると石井が2点タイムリー二塁打。さらに犠打で進めたのち上間にもタイムリーが飛び出し試合を決めた。兵庫伊丹の中井雅章コーチはチームの強さをこう語る。

「選手全員が本当に野球を楽しんでいる。例えば試合のオーダーは選手たちが決める。投手をやりたいヤツは手を挙げるし、外野しかやってこなかったヤツが捕手をする」中々聞かない事例だが、それによって選手個々に与える影響は大きくなる。来年、四連覇を狙ってくるその王者に対し、今度こそリベンジを果たす県勢の活躍を期待したいものだ。（當山）

準決勝

大矢ＢＢＣvs沖縄ヤングドリーム

準々決勝で友愛野球クラブ（福岡県ヤングリーグ）とシニアリーグ東海支部選抜の県外チームを下した両者が対峙。互角と思われた試合前だったが大矢ＢＢＣの一気呵成で勝負は決した。

2回表、大矢ＢＢＣは下位から始まったが四球とエラーとヒットで1点を先制してトップへ返す。ここで1番神里航平（仲井真中学）に2点タイムリーが飛び出す。さらに砂川昂太郎（那覇中学）と大城秀仁（松島中学）にも連続タイムリーが生まれ、大量5点を奪った。

大矢ＢＢＣは、続く3回にも二死一・二塁として神里の2打席連続タイムリーで突き放した。沖縄ヤングドリームスは5回に伊波義記（伊波中学）にタイムリーが、7回にも古謝聖也（あげな中学）にタイムリーが出たがこれまで。大矢ＢＢＣが県内対決を制し決勝へ進出したのだった。（當山）

兵庫伊丹ＶＳ安仁屋ヤングスピリッツ

昨年の決勝で対峙した両雄がセミファイナルで激突。リベンジしたかった安仁屋ヤングスピリッツだったが、兵庫伊丹のパワーの前に屈してしまった。 初回、兵庫伊丹は四球と西川黎と赤崎優大のヒットで満塁とする。ここで4番矢野巧晟がセンターとレフトの間に落とし先制。さらに併殺打の間に2点目を刻んだ。さらに兵庫伊丹は4回、7番植木佑斗、8番木村洸太郎、9番徳永翔太と下位の3連続タイムリーで3点を追加。7回には3本の長打を集めて5点を奪い快勝した。安仁屋ヤングスピリッツは1回裏、4番兼城陽のセンター前タイムリーで1点差に詰め寄ったが、見せ場はそこで終わってしまった。厳しいことを言うようだがこの差をどう思うか。高校野球のステージで歯を食いしばって、自分の能力をさらに高めていって欲しいと願う。（當山）