ビッグ開発ベースボールクラブ、前年優勝チーム・日本生命に惜敗
第42回社会人野球日本選手権
2016-11-15
社会人野球日本選手権は、都市対抗野球をはじめ、その年度中に行われる全国規模の大会で優勝したチームと各地区の最終予選を勝ち抜いた32チームによって行われる。夏に東京ドームで行われる都市対抗野球は、補強選手を補うことが出来るが、この日本選手権は補強選手制度のない、純粋に単独チームで日本一を争う大会。
沖縄からに出場するのは、2010年の沖縄電力以来6年ぶり。ビッグ開発ベースボールクラブは、全日本クラブ選手権を初制覇して大舞台にこぎ着けた。
初戦の相手となったのが、昨年の王者・日本生命。初出場のビッグ開発ベースボールクラブは強豪相手に互角に渡り合ったものの、得点を奪うことができず涙をのんだ。
ビッグ開発の先発は知念正弥(中部商業高―沖データコンピュータ)。立ち上がり、一番打者にいきなり安打を許すも後続を断ち無失点に抑える。
2回裏も先頭打者に安打を打たれ、犠打を挟み、一死一、三塁のピンチを招く。
しかし、ここも次打者を内野ゴロ併殺に打ち取りで無失点で切り抜けた。直後の3回表、1番神谷涼(具志川商業高)が、チーム初安打で出塁。
神谷は犠打で送られた後、内野ゴロの間に三塁まで進んだが、先制点を奪うことができなかった。
3回裏は、三者凡退に討ち取った知念だったが、4回裏、日本生命に得点を許してしまう。
先頭打者に四球を与えると次打者に安打を打たれ、無死一、三塁のピンチ。ここで犠牲フライを打たれ先制された。さらに二死後、タイムリーを浴び2点目を失った。
しかし、その後は、強力打線を封じる力投、味方の援護を待った。知念の力投に応えたかった打線だが、5回、6回、8回と安打で出塁するものの得点を奪うことができない。
4回の失点後は、日本生命打線を封じてきた知念だったが、8回裏に痛恨の一発を浴びリードを3点に広げられた。
最終回、ビッグ開発は、二死から3番渡嘉敷貴彦(中部商 - 帝京大 - ビッグ開発―信濃グランセローズービッグ開発)が右中間に二塁打を放ち抵抗をみせたが反撃はならなかった。
「沖縄で野球をしたい選手たちの受け皿になりたい」という下地剛監督の思いから2008年に創設されたビッグ開発ベースボールクラブ。
スカウト活動は一切ないというスター不在の雑草チームが、社会人強豪チームを相手に互角に戦った。社会人野球の全国大会では各企業の応援合戦も華やかだ。
今大会、応援団のないビッグ開発は、急造の社員応援団を結成し臨んだ。そして応援団には、沖縄の甲子園出場校のために甲子園球場で演奏してきた市立尼崎高校(兵庫)の吹奏楽部約40人も加わった。
社会人野球の聖地、東京ドームと京セラ大阪ドーム。選手たちとっては貴重な経験となった。
一回戦・10月30日
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ビッグ開発BBC | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
日本生命 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | x | 3 |
社会人野球日本選手権
第42回社会人野球日本選手権(2016)出場チーム
都市対抗大会優勝 | トヨタ自動車 | 13大会連続 | 16回目 |
全日本クラブ選手権優勝 | ビッグ開発ベースボールクラブ | 初出場 | |
東京スポニチ大会優勝 | 日本新薬 | 9大会連続 | 19回目 |
静岡大会優勝 | 東邦ガス | 2大会ぶり | 9回目 |
四国大会優勝 | 東京ガス | 3大会ぶり | 8回目 |
日立市長杯優勝 | 日立製作所 | 2大会連続 | 11回目 |
岡山大会優勝 | トヨタ自動車 | 13大会連続 | 16回目 |
長野大会優勝 | Honda鈴鹿 | 2大会ぶり | 11回目 |
京都大会優勝 | 三菱重工広島 | 5大会連続 | 16回目 |
ベーブルース杯優勝 | *中日ドラゴンズの優勝の為、準優勝・NTT東日本の関東地区1枠増 | ||
九州大会優勝 | NTT西日本 | 5大会連続 | 18回目 |
東北大会優勝 | JX-ENEOS | 3大会ぶり | 20回目 |
北海道大会優勝 | 日本通運 | 9大会連続 | 19回目 |
北海道代表 | JR北海道 | 3大会連続 | 8回目 |
東北代表 | JR東日本東北 | 2大会ぶり | 17回目 |
北信越代表 | フェデックス | 2大会連続 | 2回目 |
関東代表 | 東芝 | 2大会ぶり | 25回目 |
富士重工業 | 2大会連続 | 16回目 | |
新日鐵住金鹿島 | 4大会ぶり | 6回目 | |
鷺宮製作所 | 3大会連続 | 11回目 | |
NTT東日本 | 3大会連続 | 12回目 | |
東海代表 (トヨタ自動車2大会優勝で1増) | ヤマハ | 2大会ぶり | 23回目 |
王子 | 5大会ぶり | 9回目 | |
新日鐵住金東海REX | 4大会ぶり | 11回目 | |
JR東海 | 3大会ぶり | 13回目 | |
近畿代表 | パナソニック | 22大会連続 | 37回目 |
日本生命 | 5大会連続 | 33回目 | |
大阪ガス | 4大会連続 | 20回目 | |
新日鐵住金広畑 | 2大会連続 | 14回目 | |
中国代表 | JFE西日本 | 8大会連続 | 11回目 |
JR西日本 | 2大会ぶり | 5回目 | |
四国代表 | JR四国 | 2大会ぶり | 12回目 |
九州代表 | 三菱重工長崎 | 2大会連続 | 11回目 |
Honda熊本 | 3大会ぶり | 13回目 |
今大会出場チームに所属する県出身選手
トヨタ自動車 | 大城健二 | 首里中―東海大相模―東海大 |
日本新薬 | 仲間貴紀 | 宜野座高―名桜大学 |
東邦ガス | 宮良匡 | 八重山高―朝日大 |
東京ガス | 我如古盛次 | 興南高―立教大 |
日立製作所 | 伊禮伸也 | 興南高―関東学院大 |
Honda鈴鹿 | 安慶名舜 | 興南高―法政大 |
三菱重工広島 | 山城翼 | 糸満高―沖縄大 |
NTT西日本 | 大城卓三 | 首里中―東海大相模高―東海大 |
JX-ENEOS | 大城基志 | 宜野座高―名桜大学 |
富士重工業 | 當間一生 | 小禄高-日本文理大 |
外間正伍 | 興南高-東京農業大 | |
王子 | 伊礼翼 | 読谷高-九州共立大 |
天願陽介 | 八重山商工高-富士大 | |
JR東海 | 喜久川大輔 | 沖縄尚学高―関東学院大 |
パナソニック | 與座健人 | 沖縄尚学高―関西国際大学 |
福原健 | 北谷高―東京農業大学北海道オホーツク | |
日本生命 | 神里和毅 | 糸満高―中央大 |
JR西日本 | 湧川雄貴 | 中部商高―愛知産業大 |
三菱重工長崎 | 冨里悠 | 沖縄尚学高―富士大 |
Honda熊本 | 上原亘 | 沖縄尚学高 |
島袋圭亮 | 沖縄工業高ー九州共立大学 | |
佐久本匠 | 宜野座高 |