ビッグ開発ベースボールクラブ、前年優勝チーム・日本生命に惜敗

第42回社会人野球日本選手権

2016-11-15

社会人野球の年間王者を決める社会人野球日本選手権が10月29日から京セラドーム大阪で開催され、沖縄から、全日本クラブ野球選手権大会を制したビッグ開発ベースボールクラブが出場。初戦で前年優勝チーム・日本生命と対戦。善戦及ばず0対3で敗れた。

社会人野球日本選手権は、都市対抗野球をはじめ、その年度中に行われる全国規模の大会で優勝したチームと各地区の最終予選を勝ち抜いた32チームによって行われる。夏に東京ドームで行われる都市対抗野球は、補強選手を補うことが出来るが、この日本選手権は補強選手制度のない、純粋に単独チームで日本一を争う大会。

沖縄からに出場するのは、2010年の沖縄電力以来6年ぶり。ビッグ開発ベースボールクラブは、全日本クラブ選手権を初制覇して大舞台にこぎ着けた。

初戦の相手となったのが、昨年の王者・日本生命。初出場のビッグ開発ベースボールクラブは強豪相手に互角に渡り合ったものの、得点を奪うことができず涙をのんだ。

ビッグ開発の先発は知念正弥(中部商業高―沖データコンピュータ)。立ち上がり、一番打者にいきなり安打を許すも後続を断ち無失点に抑える。

2回裏も先頭打者に安打を打たれ、犠打を挟み、一死一、三塁のピンチを招く。

しかし、ここも次打者を内野ゴロ併殺に打ち取りで無失点で切り抜けた。直後の3回表、1番神谷涼(具志川商業高)が、チーム初安打で出塁。

神谷は犠打で送られた後、内野ゴロの間に三塁まで進んだが、先制点を奪うことができなかった。

3回裏は、三者凡退に討ち取った知念だったが、4回裏、日本生命に得点を許してしまう。

先頭打者に四球を与えると次打者に安打を打たれ、無死一、三塁のピンチ。ここで犠牲フライを打たれ先制された。さらに二死後、タイムリーを浴び2点目を失った。

しかし、その後は、強力打線を封じる力投、味方の援護を待った。知念の力投に応えたかった打線だが、5回、6回、8回と安打で出塁するものの得点を奪うことができない。

4回の失点後は、日本生命打線を封じてきた知念だったが、8回裏に痛恨の一発を浴びリードを3点に広げられた。

最終回、ビッグ開発は、二死から3番渡嘉敷貴彦(中部商 - 帝京大 - ビッグ開発―信濃グランセローズービッグ開発)が右中間に二塁打を放ち抵抗をみせたが反撃はならなかった。

「沖縄で野球をしたい選手たちの受け皿になりたい」という下地剛監督の思いから2008年に創設されたビッグ開発ベースボールクラブ。

スカウト活動は一切ないというスター不在の雑草チームが、社会人強豪チームを相手に互角に戦った。社会人野球の全国大会では各企業の応援合戦も華やかだ。

今大会、応援団のないビッグ開発は、急造の社員応援団を結成し臨んだ。そして応援団には、沖縄の甲子園出場校のために甲子園球場で演奏してきた市立尼崎高校(兵庫)の吹奏楽部約40人も加わった。

社会人野球の聖地、東京ドームと京セラ大阪ドーム。選手たちとっては貴重な経験となった。

一回戦・10月30日

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
ビッグ開発BBC0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
日本生命0 0 0 2 0 0 0 1 x 3
(ビ) 知念―玉城
(日) 佐川、小林、阿部―古川
本塁打 : 原田(日)
ニ塁打 : 渡嘉敷(ビ)、高橋(日)

社会人野球日本選手権

出場32チームの内訳は都市対抗野球大会優勝チーム、全日本クラブ野球選手権大会優勝チーム、JABA(日本野球連盟)野球大会全11大会の優勝チーム、各地区最終予選を勝ち抜いたチーム。今大会の最多出場はパナソニック(大阪)の37回目で、初出場はビッグ開発ベースボールクラブ(沖縄)1チームのみ。沖縄電力が過去3回の出場を果たしている。

第42回社会人野球日本選手権(2016)出場チーム

都市対抗大会優勝トヨタ自動車13大会連続16回目
全日本クラブ選手権優勝ビッグ開発ベースボールクラブ初出場
東京スポニチ大会優勝日本新薬9大会連続19回目
静岡大会優勝東邦ガス2大会ぶり9回目
四国大会優勝東京ガス3大会ぶり8回目
日立市長杯優勝日立製作所2大会連続11回目
岡山大会優勝トヨタ自動車13大会連続16回目
長野大会優勝Honda鈴鹿2大会ぶり11回目
京都大会優勝三菱重工広島5大会連続16回目
ベーブルース杯優勝*中日ドラゴンズの優勝の為、準優勝・NTT東日本の関東地区1枠増
九州大会優勝NTT西日本5大会連続18回目
東北大会優勝JX-ENEOS3大会ぶり20回目
北海道大会優勝日本通運9大会連続19回目
北海道代表JR北海道3大会連続8回目
東北代表JR東日本東北2大会ぶり17回目
北信越代表フェデックス2大会連続2回目
関東代表東芝2大会ぶり25回目
富士重工業2大会連続16回目
新日鐵住金鹿島4大会ぶり6回目
鷺宮製作所3大会連続11回目
NTT東日本3大会連続12回目
東海代表
(トヨタ自動車2大会優勝で1増)
ヤマハ2大会ぶり23回目
王子5大会ぶり9回目
新日鐵住金東海REX4大会ぶり11回目
JR東海3大会ぶり13回目
近畿代表パナソニック22大会連続37回目
日本生命5大会連続33回目
大阪ガス4大会連続20回目
新日鐵住金広畑2大会連続14回目
中国代表JFE西日本8大会連続11回目
JR西日本2大会ぶり5回目
四国代表JR四国2大会ぶり12回目
九州代表三菱重工長崎2大会連続11回目
Honda熊本3大会ぶり13回目

今大会出場チームに所属する県出身選手

トヨタ自動車大城健二首里中―東海大相模―東海大
日本新薬仲間貴紀宜野座高―名桜大学
東邦ガス宮良匡八重山高―朝日大
東京ガス我如古盛次興南高―立教大
日立製作所伊禮伸也興南高―関東学院大
Honda鈴鹿安慶名舜興南高―法政大
三菱重工広島山城翼糸満高―沖縄大
NTT西日本大城卓三首里中―東海大相模高―東海大
JX-ENEOS大城基志宜野座高―名桜大学
富士重工業當間一生小禄高-日本文理大
外間正伍興南高-東京農業大
王子伊礼翼読谷高-九州共立大
天願陽介八重山商工高-富士大
JR東海喜久川大輔沖縄尚学高―関東学院大
パナソニック與座健人沖縄尚学高―関西国際大学
福原健北谷高―東京農業大学北海道オホーツク
日本生命神里和毅糸満高―中央大
JR西日本湧川雄貴中部商高―愛知産業大
三菱重工長崎冨里悠沖縄尚学高―富士大
Honda熊本上原亘沖縄尚学高
島袋圭亮沖縄工業高ー九州共立大学
佐久本匠宜野座高
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