コザが5点差を逆転、初優勝

沖縄県高校定時制通信制夏季体育大会・軟式野球

2016-06-15

定時制通信制高校の軟式野球大会の決勝が6月4日、浦添市民球場で行われた。激しい点の取り合いになった試合は、5点差を逆転したコザが14対13で那覇工業を振り切り、初の優勝。常勝を誇った那覇工業の連覇を止めた。

1年前、野球部のなかったコザ高定時制に野球部を立ち上げたのが主将を務める運天陽平。部員集めに奔走し、初めて出場した昨年の夏の大会は一回戦敗退だった。あれから一年、諸事情も今大会はあり部員9人で挑んだ。

運天主将が「やる気のある部員が9人揃った」というメンバー。猛暑の中、3時間半におよぶ試合の間中、休むことなく声を出し続けた。

「俺たちは、声だけは出し続けよう。声を出しておけば勝てる」と自らを鼓舞する声、味方を励ます声が試合中、グランドに響き渡り、そして途切れることはなかった。

懸命に声を出すコザナインが、最終回の那覇工業の追い上げを振り払い、初の優勝を勝ち取った。

点の取り合いとなった決勝戦。14対11とコザの3点リード迎えた9回裏、那覇工業も必死に追いすがった。

先頭の3番新里翔平がセンター前ヒットで出塁。盗塁と暴投で三塁まで進むと4番仲本正弥の内野ゴロの間に生還、2点差とする。続く5番知念弾友雅が四球で出塁、次打者は倒れ二死となるも7番宮城和貴が右中間を突破する二塁打。

一塁から知念が還り1点差に詰め寄る。なおも二死二塁。しかし最後はコザの名城が踏ん張った。「弱小チームからスタートして優勝することできた」とナインはマウンドに駆け寄り、勝利の喜びを9人全員で分かち合った。

この試合、コザは中盤まで劣勢だった。6回を終えて8対3と那覇工業に5点のリードを許していた。

しかし、「まだいけると一人一人が全然あきらめていなかった」(運天主将)というコザは7回表、3番名城瑠星のタイムリーヒットや相手投手の制球の乱れに乗じて同点に追い付くと、1番仲里竜二がレフト前に逆転打。

さらにワイルドピッチもあり、10対8と逆に2点のリードを奪う。

コザは、8回にも2番安里太瑞輝のヒットを足掛かりに、4本のヒットと3つの四死球で4点を奪い、14対8とリードを広げた。

しかし那覇工業もあきらめない。8回裏に3点を還し、9回裏も1点差まで詰め寄った。

最終回の那覇工業の反撃をしのいだコザの運天主将は、「皆の勝ちたいという気持ちが強かったから、守りきった」と振り返った。

大会前から、一人一人の心の持ち方、意識、モチベーションが高かったといい「皆、勝ちたい気持ちを持って毎日練習していた」(運天主将)。9人の部員が一丸となって声を出して戦っている姿は見るものに感動を与えた。

9名中、最上級生の4年生が7名。最後の夏となる部員がほとんど。「全国大会もまた、チーム全員が一つになって戦いたい」と運天主将は、8月の全国大会を見据えた。

決勝

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
コザ 0 0 0 0 3 0 7 4 0 14
那覇工 1 0 4 0 3 0 0 3 2 13
(コ) 仲程、仲里、名城―座間味、仲里
(那) 大城、宮城、新里、安里、中村―知念、新里
三塁打 : 知念(那)
ニ塁打 : 仲里、名城(コ)、安里、宮城(那)

準決勝

 1 2 3 4 5
コザ 3 0 1 1 0 5
北部農林0 1 0 2 0 3
※90分ルール
(コ) 仲程、仲里、名城―座間味、仲里
(北) 山城―金城良
ニ塁打 : 金城良、金城晃(北)

準決勝

 1 2 3 4 5 6
那覇工2 2 0 0 1 2 7
泊通信 1 0 0 0 3 2 6
※90分ルール
(那) 宮城、大城、安里―新里、知念
(泊) 中村(那)、玉城(泊)

一回戦

 1 2 3
泊通信 7 0 6 13
中部農林6 2 4 12
※90分ルール

一回戦

 1 2 3 4 5
泊夜間0 0 0 2 0 2
那覇工2 1 0 0 4 7
※90分ルール

一回戦

 1 2 3 4
星槎国際2 0 1 0 3
コザ 3 6 5 4 18
※90分ルール

一回戦

 1 2 3 4 5
那覇商1 2 0 1 0 4
北部農林2 3 4 4 x 13
※90分ルール
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