八重山商工高校が3年ぶり3度目の優勝
第27回沖縄県商業高校野球大会
2016-06-15
決勝戦、両チームともに5回までは無得点。こう着状態だった試合は6回表、一変。八重山商工が打者10人で一挙5点を奪い、大きくリードする。
この回先頭の8番安里が右中間へ二塁打を放ち出塁すると、9番黒島のバントが相手野手のミスを誘い、安里が二塁から生還。さらに送球ミスが重なり黒島も一気に三塁を陥れる。
このチャンスに1番平良桐がライト前にタイムリーを放ち2点目。2番大濱安もレフト前ヒットでつなげ、無死一塁、二塁。続く送りバントは三塁封殺となったものの、4番平良海馬が嫌な雰囲気を吹き飛ばすセンターオーバーの二塁打。二塁走者に続き、一塁走者も生還、4対0とリードを広げる。
その後、二死二塁三塁から、7番前粟蔵がレフト前にもタイムリーが生まれ、この回5点目となった。投げても八重山商工の先発黒島が、浦添商業打線をヒット1本に抑え、凡打の山を築く。
こうなると誰の目にも八重山商工の勝利が見えて来る。しかし、勝負をあきらめない浦添商業が突如として反撃をみせた。
8回裏、それまで1安打に抑えられていた浦添商業の打線が爆発する。先頭の6番宮城がショート内野安打で出塁すると、ここから怒涛の攻撃。7番島袋、8番桃原、9番比嘉、1番砂川、2番志喜屋と6者連続でヒットを放つ。そして3番古堅の犠牲フライで、同点を追い付く。
次打者は倒れ二死となったが、5番大嵩がセンターオーバーの三塁打。二塁走者の志喜屋が還り、とうとう5点差をひっくり返した。
そして6対5と浦添商業が1点のリードで最終回、八重山商工の攻撃へと場面は移る。流れは当然、土壇場で5点差を一気に逆転した浦添商業、そのまま逃げ切るかと思われた。
ところが、八重山商工が意地をみせた。
9回表、先頭の8番玉城が四球を選び、逆転への足掛かりを作ると、送りバントで同点のランナーを二塁へ進める。
1番平良桐も四球を選び、走者は一塁、二塁。ここで2番大濱安がチームの期待に応え、レフト線を抜く鋭い当たりを放った。二塁走者の玉城に続き、一塁から平良桐も本塁へ還り、7対6と再びリードを取り返した。
さらに四球を挟み、4番平良海がこの日、2本目の二塁打。さらに2点を追加し浦添商業を突き放した。8回の浦添商業の怒涛の逆転劇、そして、流れを引き戻した八重山商工の最終回の攻撃。野球の「筋書きのないドラマ」を見せられた一戦だった。
工業高校大会でも優勝した八重山商工は、商業高校大会も制した。この夏で勇退することが決まっている伊志嶺監督の最後の夏の選手権が開幕する。この勢いで10年ぶりの甲子園の切符を目指す。
決勝
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
八重商工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 4 | 9 |
浦添商業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 6 |
準決勝
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
八重商工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 |
中部商業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
準決勝
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
宮古総実 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
浦添商業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 0 |
(7回コールド) |
1回戦
南部商業 | 2-6 | 宮古総実 | |
那覇商業 | 6-7 | 浦添商業 | (延長12回タイブレーク) |
八重山商工 | 9-0 | 名護商工 | (7回コールド) |
中部商業 | 9-1 | 具志川商業 | (7回コールド) |