シードの糸満、美来工科が敗退。実力伯仲の今夏、八重山商工が台風の目になるか

第98回全国高等学校野球選手権沖縄大会

2016-07-15

月刊おきなわ野球大好きが選ぶ、一回戦、二回戦のMVP

第98回全国高等学校野球選手権沖縄大会は、7月3日を終えてベスト16が決定。注目の山であった糸満、八重山、八重山商工のブロックを勝ち抜いたのは。この勢いのまま頂点まで勝ち進むのかどうか。その結果は8月号で掲載することになるが、ここでは1回戦と、2回戦(7月3日終了時)までの全試合の結果を振り返り、おきなわ野球大好きの高校野球担当である當山が各試合の最優秀選手(略してMVP)を選んでみた。また、平良が3回戦以降の展開を予想してみる。 (當山雅通・平良哲哉)

1回戦の結果

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
八重山農林0 1 0 1 1 0 3 0 2 8
那覇2 5 1 1 0 0 0 0 x 9
(八) 登野城、嘉弥真、登野城、東与那覇―宮城
(那) 川畑、松永、宮園、東江、川畑―崎原
本塁打 : 宮城(那)
三塁打 : 嘉手納、宜保(那)登野城、東与那覇(八)
ニ塁打 : 崎原、宜保(那)石垣(八)
MVP : 宜保 翔選手(八)

4回を終えて2対9とコールドもちらついた試合であったが7回に3点を返した八重山農は9回、登野城のタイムリーと押し出し四球で2点差に詰め寄り、最後まで諦めない姿勢を見せた。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
浦添工0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 2
宮古0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 3
(浦) 親富祖-兼島
(宮) 下地、友利洋-上原健
ニ塁打 : 兼村、石嶺(浦)
MVP : 知念 辰巳選手(宮)

10回裏、宮古はノーヒットでツーアウトながら満塁とすると知念がセンター前に運びサヨナラ勝利。浦添工の親富祖は173球の熱投。互角の戦いをみせてくれた。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
八重山商工0 0 0 0 0 3 1 0 4 8
八重山0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
(八重山商) 黒島、森田、平良海―前粟蔵
(八重山) 仲山、黒島、新里、黒島―又吉
本塁打 :  平良海(商)
三塁打 : 前粟蔵(商)伊志嶺(八)
ニ塁打 : 大濱安(商)川満拓、又吉(八)
MVP : 平良 海馬選手(八重山商)
5回まで僅か1安打の八重山商工は6回、二者連続四球で走者をためて平良が逆風を突く3ランホームランで先制。八重山もその裏、又吉、伊志嶺の連続タイムリーで1点差と詰め寄ったものの9回、大濱安と仲嵩のタイムリーで4点を奪った八重山商工が勝利を収めた。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
宮古総実0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
南部工0 0 0 0 0 1 0 5 x 6
(宮) 下地翔、下里―宮國
(南) 具志堅、盛田-長嶺
ニ塁打 : 具志堅、盛田-長嶺
MVP : 喜屋武 盛太選手(南)

南部工の先発具志堅は9回途中で降板したものの、被安打4、与四死球3、奪三振5と粘り無失点ピッチング。宮古総実の先発下地翔も6回1失点の好投で見応えのある投手戦を演じた。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
宮古工業0 1 0 0 0 1 0 1 0 3
読谷0 0 0 0 3 0 4 1 x 8
(宮) 松川、荷川取-宮城
(読) 宮本、島袋郁、大城吏-金城
三塁打 : 宮本(読)
ニ塁打 : 大城瞳(読)宮城(宮)
MVP : 宮本 元貴選手(読)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
久米島0 3 0 0 1 0 0 0 0 4
沖縄尚学0 0 0 0 7 2 0 0 x 9
(久) 安里太、宇地原-国吉
(沖) 諸見里、松川、河野-宮城
ニ塁打 : 比嘉優(沖)国吉、幸地(久)
MVP : 河野 哲平選手(沖)

2回、久米島は国吉の2点タイムリーと前里のタイムリーで先制すると、5回には吉永にもタイムリーが生まれ4対0と沖縄尚学を追い詰めた。5回、4つの四球とエラーが絡み大量失点を喫してしまったが、久米島の大健闘が光った試合であった。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
北中城2 2 0 0 0 0 0 0 0 4
具志川0 0 0 0 0 0 2 0 1 3
(北) 神田、國吉、平田-比嘉、安里
(具) 島袋結、島袋幸、小谷-上原
ニ塁打 : 中地(北)伊波、宮里(具)
MVP : 中地 丈一郎選手(北)

具志川は9回、二死一塁から途中出場の宮里が左中間を破るタイムリー二塁打で1点差に詰め寄る粘りを見せてくれた。投げては3回から登板し無失点の小谷の力投が光った。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7
南風原0 0 0 0 0 0 1 1
美来工科0 0 3 0 1 5 x 9
(南) 金城孝、福里-玉城
(美) 仲宗根、砂川、仲宗根-神山
三塁打 : 武内、目取真(美)
ニ塁打 : 砂川、山内慧、古謝(美)
MVP : 仲宗根 登夢選手(美)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
本部0 0 0 0 0 1 1 1 0 3
豊見城南0 0 1 1 4 1 0 0 x 7
(本) 仲田、宮里-宮里、上間
(豊) 金城勝、上良-瀬長
三塁打 : 大城勇、神山(豊)宮里、仲田(本)
ニ塁打 : 平安、大城龍(豊)
MVP : 大城 勇希選手(豊)

本部は6回、7回、8回で2本の三塁打を含む5安打を集めるなど、終盤熱いゲームを展開してくれた。豊見城南の大城勇は、第1打席の三塁打で火がつき5安打3打点の大暴れだった。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8
具志川商0 0 0 0 0 0 0 0 0
嘉手納2 0 0 0 0 0 2 3x 7
(具) 平、宮城、我那覇、宮城-横田
(嘉) 渡慶次、大城、仲井間-知花
三塁打 : 幸地(嘉)
ニ塁打 : 知花、仲井間、松田(嘉)田場、山城(具)
MVP : 仲井間 光亮選手(嘉)

1回戦

 1 2 3 4 5
辺土名0 0 0 0 0 0
前原3 0 5 0 2x 10
(辺) 辺土名-伊是名
(前) 山根、池原-中村利
三塁打 : 高江洲(前)
ニ塁打 : 仲村(前)
MVP : 平良 竜哉選手(前)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
興南0 2 3 0 0 0 0 0 0 5
首里3 0 0 0 0 0 0 0 0 3
(興) 比屋根、長濱-宮里
(首) 松嶺、森田-宮城義
本塁打 : 具志堅(興)
ニ塁打 : 上原(興)幸地、平良(首)
MVP : 具志堅 大輝選手(首)

4回以降、興南打線を僅か2安打に抑えた森田の粘投が光った。1年前から本格的にピッチングを開始したとは思えないほど、堂々としたマウンド捌きであった。比屋根は、制球に苦しみながらも2回以降は要所を締めるピッチングで主導権を渡さなかった。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
沖縄工業1 1 0 0 0 0 0 0 0 2
那覇西0 2 0 0 0 1 0 2 x 5
(沖) 稲嶺、新垣寛、上原-金城翔
(那) 赤嶺-高江洲
三塁打 : 仲地(那)赤嶺(沖)
ニ塁打 : 仲地(那)
MVP : 赤嶺 由生郎選手(那)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8
陽明0 0 0 0 0 1 2 8 11
開邦0 0 0 4 0 0 0 0 4
(陽) 屋比久-玉城颯
(開) 伊波、仲村、新垣-柳田
三塁打 : 伊波(開)
ニ塁打 : 佐久田(陽)
MVP : 佐久田 希幸選手(陽)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8
宜野湾1 1 1 2 0 3 4 12
球陽0 0 0 0 0 0 0 0
(宜) 比嘉、國仲-津波古
(球) 我如古-遠矢
三塁打 : 首里×2、金城(宜)我如古(球)
ニ塁打 : 首里、平良(宜)我如古(球)
MVP : 首里 竜佑選手(宜)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8
向陽0 0 0 0 0 0 1 1
名護1 5 1 0 2 0 x 9
(向) 伊良皆、喜納、金城武、喜納-知念
(名) 宮城公、上里、仲宗根-玉城輝
ニ塁打 : 仲間(名)甲斐、金城武、砂川(向)
MVP : 宮城 公鳳選手(名)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
北部農林0 0 0 0 0 0 0 1 2 3
コザ 0 1 0 1 3 0 1 0 x 6
( ) 岸本将-具志堅
(コ) 松堂-仲宗根
三塁打 : 蔵根(コ)
ニ塁打 : 松堂X2、比嘉勇、照屋(コ)又吉恵(北)
MVP : 松堂 航也選手(コ)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
首里東0 0 0 1 1 2 0 0 0 4
豊見城0 0 4 0 0 1 1 0 x 6
(首) 宮城、又吉-平良
(豊) 翁長-平田
ニ塁打 : 平田、金城(豊)城間(首)
MVP : 金城 良太郎選手(豊)
1点ずつ返した首里東は6回、城間と上地の連続タイムリーで一時同点に追い付くなど、春の県大会準優勝校を慌てさせたことは賞賛に値するだろう。豊見城は7回、ショートへの当たりで一塁へ転送される間に二塁から一気に生還した金城の好走塁が光った。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7
中部農林0 0 0 0 0 0 0 0
那覇商業0 0 1 2 2 0 2x 7
(中) 和宇慶、久志、宮里、伊藝、石川大-金城
(那) 上間-松永
三塁打 : 藏下、與那城(那)
ニ塁打 : 與那城(那)
MVP : 與那城 怜音選手(那)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
与勝0 0 0 0 0 0 1 2 1 4
小禄0 1 4 0 0 0 1 0 x 6
(与) 富名腰、伊禮、西門口、富名腰-玉寄
(小) 上原悠、阿波根-上地
三塁打 : 長嶺(小)玉寄(与)
ニ塁打 : 上地(小)花城(与)
MVP : 長嶺 有馬選手(小)

与勝は終盤、佐久川、玉寄、花城のタイムリーで4点を奪うなど、あと一歩というところまでいったのは見事であった。小禄上原悠は、6回まで僅か2安打に抑える好投で勝利に貢献した。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
知念0 0 0 0 0 1 0 0 1 2
名護商工0 2 0 0 0 1 1 0 x 4
(知) 大城、新垣-金城勝
(名) 田港-花城
三塁打 : 渡具知武(名)新垣(知)
ニ塁打 : 宮城隆(知)
MVP : 田港 朝希選手(名)
1点差に詰め寄られた名護商工だったが、6回の幸地のタイムリーに続き7回、渡具知武の三塁打で4点目を挙げるなど、少ないチャンスをものにした。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
北谷0 1 1 0 0 0 1 0 0 1 4
真和志1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 3
(北) 亀谷、島袋圭-伊佐
(真) 宮城-津波
三塁打 : 仲本(真)
ニ塁打 : 平田(北)仲本、宮城(真)
MVP : 伊佐 真弥選手(北)

北谷は10回、この日4本目のヒットを放った伊佐を二塁において、宮里がライトへタイムリーを放ち見事勝ち越し。選手権沖縄大会で実に9年振りとなる勝利を収めた。

1回戦

 1 2 3 4 5
那覇工業4 3 4 0 1 12
南部農林0 0 0 0 0 0
(那) 銘苅、川満-野原
(南) 大城涼、平良、嘉手苅、大城涼-上園
三塁打 : 川満、銘苅(那)
ニ塁打 : 銘苅、與座、久貝(那)
MVP : 野原 直選手(那)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
那覇国際0 0 0 0 0 0 1 0 1 2
浦添商業1 0 3 0 3 0 0 0 x 7
(那) 仲里、照屋、稲嶺、新里、島袋-米須
(浦) 仲地、大城功、仲地-平識
三塁打 : 佐川(浦)眞喜志(普)
ニ塁打 : 仲地(浦)金城貴(普)
MVP : 仲地 彪太選手(浦)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
普天間0 0 0 0 0 0 1 0 1 2
浦添1 0 3 0 3 0 0 0 x 7
(普) 仲里、照屋、稲嶺、新里、島袋-米須
(浦) 仲地、大城功、仲地-平識
三塁打 : 佐川(浦)眞喜志(普)
ニ塁打 : 仲地(浦)金城貴(普)
MVP : 仲地 彪太選手(浦)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
美里工業0 0 0 1 4 0 0 0 0 5
石川 0 0 0 0 0 0 1 1 0 2
(美) 辺土名―松川
(石) 當山、タイシンガー、-我如古
ニ塁打 :  知花、タイシンガー(石)
MVP : 辺土名 海選手(石)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
沖縄水産2 0 0 0 1 0 0 0 0 3
昭和薬科大学附属0 1 0 0 1 4 0 3 x 9
(沖) 與那嶺良、島尻、知念良、荒川、知念良-比嘉
(昭) 金城弘-太田
三塁打 : 國吉(昭)
ニ塁打 : 照屋、新垣駿、太田(昭)知念功(沖)
MVP : 金城 弘貴選手(昭)

昭薬大附は6回、金城弘のタイムリーで1点差に詰め寄るとエラーで同点。さらに内野ゴロと古堅の タイムリーで一気に4点を奪った。金城弘は5回以降、相手のヒットを僅か1本に抑えて、見事春の8強校を破った。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
西原0 0 1 0 0 2 0 0 2 5
KBC学園未来沖縄0 0 3 3 0 0 0 0 x 6
(西) 大城、川満、新垣-倉山
(K) 中本、宮城裕-新垣豪
本塁打 : 親泊(西)
三塁打 : 金城睦(西)
ニ塁打 : 神谷優、中本(未)平良涼、新垣(西)
MVP : 中本 康也選手(K)
1対6と劣勢の西原は6回、親泊の2ランホームランで息を吹き返すと9回には新垣の2点タイムリーで1点差に詰め寄る粘りを見せてくれた。中本と平良のそれぞれの2点タイムリーで序盤を制した未来沖縄は、嬉しい選手権沖縄大会初勝利を手に入れた。

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
沖縄高専0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
美里0 1 0 2 2 1 0 0 x 6
(沖) 仲地、伊野波、石川、根間-嵩原
(美) 浦崎-阿部
三塁打 : 伊野波、嵩原(沖)
ニ塁打 : 山内(美)
MVP : 浦崎 祐与選手(美)

1回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
宜野座0 0 1 0 0 2 0 2 0 5
中部商業0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
(宜) 玉城-奥間
(中) 森田、高橋、新垣、宮城-天願
ニ塁打 : 玉城、佐久田、仲田(宜)
MVP : 玉城 楓選手(宜)

1回戦

 1 2 3 4 5 6
北山0 5 0 3 1 10
南部商業0 0 0 0 0 0 0
(北) 玉城琉-比嘉
(南) 宮良、石川-金城
三塁打 : 内間(北)
ニ塁打 : 玉寄X2、宮城、藤島、金城(南)
MVP : 宮城 利紅選手(北)

大会ホームラン

第1号:宮城 圭吾(那覇)ー4回ーレフトスタンドーソローvs八重農ー(6月18日セルラー)
第2号:平良 海馬(八商工)ー6回ーライトスタンドー3ランーvs八重山ー(6月18日コザ)
第3号:具志堅 大輝(興南)ー3回ーライトスタンドー2ランーvs首里ー(6月19日コザ)
第4号:親泊 慎一郎(西原)ー6回ーレフトスタンドー2ランーvs未来ー(6月26日北谷)

2回戦の結果

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
糸満0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
八重山商工0 0 0 1 0 0 2 0 x 3
(糸) 平安-桃原
(八) 黒島-前粟蔵
ニ塁打 : 安里、前粟蔵(八)平安(糸)
MVP : 黒島 志門選手(八)

序盤は投手戦。しかし4回、八商工は先制。その後。7回、八商工が2点を刻む。春の優勝校糸満も8回、2点を返したがここまで。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8
嘉手納0 0 0 1 0 1 1 8 11
北中城0 0 0 0 1 1 0 0 2
(嘉) 仲地、大城-知花
(北) 神田、平田、神田、國吉、神田-安里
本塁打 : 仲地(嘉)
三塁打 : 仲井間×2(嘉)
ニ塁打 : 幸地、村濱(嘉)平田(北)
MVP : 仲井間 光亮選手(嘉)

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
読谷0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
宜野湾0 1 0 0 0 0 1 0 x 2
(読) 宮本-金城
(宜) 比嘉-津波古
ニ塁打 : 平良(宜)
MVP : 比嘉 亮太選手(宜)

春の3回戦で顔を合わせた両者。宜野湾は2回先制。さらに7回、大きな1点を刻むと比嘉が8個もの三振を奪う力投で宮本との緊迫した投手戦を制した。宜野湾は秋、春に続く3大会連続の16強以上を決めた。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
前原0 0 4 0 1 0 0 0 0 5
美来工科0 0 0 0 0 0 2 0 0 2
(前) 山根-中村利
(美) 仲宗根-神山
本塁打 : 山内慧(美)
ニ塁打 : 高江洲(前)山里(美)
MVP : 山根 蓮太選手(前)

こちらも春の準々決勝で顔を合わせた者同士。だがリベンジに燃える前原が3回、一挙4点を奪取した。対する美来工科も山内慧の2ランで追いすがるも序盤のビハインドが最後まで響いてしまった。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7
宮古0 1 5 0 0 0 1 7
陽明0 0 0 0 0 0 0 0
(宮) 下地、友利洋-上原健
(陽) 宮國、糸洲、中谷、屋比久-玉城楓
三塁打 : 佐和田、上原健(宮)翁長(陽)
ニ塁打 :  砂辺、濱川(宮)田盛(陽)
MVP : 佐和田 悠選手(宮)

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
名護1 0 0 0 1 0 0 1 0 3
那覇0 4 0 0 0 1 0 0 x 5
(名) 宮城公、上里、仲宗根-玉城輝
(那) 川畑-崎原
ニ塁打 : 嘉手納(那)上地、与那嶺(名)
MVP : 川畑 勇人選手(那)

先制された那覇は2回、4点を奪い逆転に成功した。追いかける名護も5回に1点を返すと8回には2点差に詰め寄る粘りを見せた。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7
興南0 0 4 0 0 5 1 10
豊見城南0 0 2 0 0 0 0 2
(興) 長濱、上原、比屋根-宮里
(豊) 金城勝、上良、金城勝-瀬長
三塁打 : 宮里(興)
ニ塁打 : 比嘉(興)平安(豊)
MVP : 比嘉 遥選手(興)

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
那覇西0 0 0 0 0 0 0 5 0 5
コザ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
(那) 赤嶺-高江洲
(コ) 松堂、照屋、松堂-仲宗根
三塁打 : 宮城律、仲程(那)金城(コ)
ニ塁打 : 宮城律、仲地(那)
MVP : 赤嶺 由生郎(那)

1点を追う那覇西は8回、5点を刻んで試合を決めた。コザは終盤、主戦の何名かにケイレン等のアクシデントが起きたのが痛かった。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
未来沖縄3 0 2 0 0 0 1 0 0 6
美里工業6 2 1 2 1 0 0 0 x 12
(未) 宮城裕、中本-新垣豪
(美) 辺土名、漢那-松川
三塁打 : 宮城那(美)神谷優(未)
ニ塁打 : 屋我(美)神谷優、新垣豪、下地晃、宜保(未)
MVP : 屋我 翔也選手(美)
3点を先制された美里工はその裏、4番大田浩二と屋我翔也のタイムリーで1点差に詰める。エラーで同点とすると9番宮城那行の右中間突破の2点適時打も出て大量6点を奪い試合をひっくり返した。互いに不調の投手陣を補うように打線が活発。両軍合わせて23安打の乱打戦を美里工が制した。

2回戦

 1 2 3 4 5
北谷0 0 0 0 0 0
浦添商業5 0 1 4 x 10
(北) 亀谷、島袋圭-伊佐
(浦) 大嵩、大嶺-金城
三塁打 : 金城、砂川(浦)
ニ塁打 : 古堅、宮城遼(浦)宮里(北)
MVP : 古堅 宗磨選手(浦)

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7
那覇工0 0 1 0 1 0 0 2
豊見城4 0 5 2 0 0 x 11
(那) 銘苅、川満-野原
(豊) 翁長-平田
本塁打 : 宮(豊)
三塁打 : 平田×2、石原(豊)
MVP : 平田 怜之輔選手(豊)

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
美里0 0 0 0 1 0 2 0 0 3
昭薬大附0 2 0 0 0 3 1 2 x 8
(美) 浦崎-阿部
(昭) 金城弘-太田
ニ塁打 : 太田、福嶺(昭)宮城、比屋根(美)
MVP : 金城 弘貴選手(昭)

金城弘貴、福嶺康大の8、9番で4打点を挙げ10安打を集めた昭和薬科大附属高校が勝利。第二次世界大戦で大きな犠牲を払った沖縄県への貢献を考え、人材育成をはかりたいと昭和49年に設立された同校が、選手権沖縄大会へ参戦して41年目の今年、堂々たる初のベスト16入りを果たした記憶に残る大会となった。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
小禄0 0 0 0 0 1 1 0 3 0 0 0 1 6
南部工業3 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 5
(小) 上原悠、前武當-上地
(南) 具志堅、盛田、島袋、和仁屋-長嶺
三塁打 : 崎原、長嶺(小)
ニ塁打 : 平良、具志堅(南)
MVP : 前武當 一斗選手(小)

南部工は1回に平良崇人の2点適時打、8回には具志堅光のタイムリーと長嶺龍佑のスクイズが決まり試合を優位に進めたが、三者連続安打などで土壇場の9回に同点に追いつき、上地浩夢の犠飛で逆転した小禄の底力が光った試合でもあった。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
名護商工0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
那覇商業0 1 0 0 0 0 0 3 x 4
(名) 田港-花城
(那) 上間、照屋-松永
ニ塁打 : 田里(那)
MVP : 上間 康貴選手(那)
沖縄県高校野球史初(少なくともこの40年間は無し)となった兄弟監督対決。那覇商は8回、先頭打者が死球で出塁する。「向こう(兄)も犠打だと思っていたのではないか」という勇人監督は次打者の田里海都をそのまま打席に送る。その初球、期待に応えた田里がセンター方向へ二塁打を放つと押し出し四球、適時打、犠飛と一気に相手を飲み込み試合を決めた。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
北山0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
宜野座1 1 0 0 0 0 0 0 x 2
(北) 玉城琉-比嘉
(宜) 玉城、伊藤-奥間
ニ塁打 : 玉城、佐久田(宜)
MVP : 佐久田 来樹選手(宜)

ヒットが出なかったのは2回のみでも、毎回走者を二塁以上に進めて終始試合をリードした宜野座は、攻守に渡り主役級の輝きを魅せた佐久田主将の活躍で接戦を制した。だが、悪送球で1点を奪った8回といい、最終回一死二塁と粘りを見せた北山も試合を引き締めた。

2回戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
浦添0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
沖縄尚学0 1 3 1 0 1 0 0 x 6
(浦) 仲地-平識
(沖) 諸見里-宮城
ニ塁打 : 知念×2、宮城、砂川(沖)
MVP : 諸見里 俊選手(沖)

大会ホームラン

第5号:仲地 玖礼(嘉手納)ー6回ーライトスタンドーソローvs北中城ー(7月2日コザ)
第6号:山内 慧(美来工科)ー7回ーレフトスタンドー2ランーvs前原ー(7月2日コザ)
第7号:宮 海翔(豊見城)ー3回ーレフトランニングーソローvs那覇工ー(7月3日セルラー)

3回戦の展望

 正直、ここまで勝ち上がってくるチームはどこも力があり、予測するのは困難である。ここは展望と称し、試合の見どころを述べてみたい。

八重山商工-宮古

黒島、森田ら集大成となる3年生が団結し秋と春の覇者を撃破し今一番勢いがあるのが八重山商工。切れ目のない宮古打線との注目の離島対決を制するのはどっちか。

嘉手納-興南

昨秋準決勝の再戦。共にここまで本塁打も飛び出し、2回戦は二桁得点をマークするなど打線が活発。比屋根、長濱の両サウスポーの出来が試合を左右するか。

前原-那覇

シード美来工科にリベンジを果たした前原は山根が独り立ちしたのが大きい。山根vs伊佐、田畑vs平良と両軍ともにエースと主砲の対決シーンは要注視だ。

那覇西-宜野湾

那覇西は大黒柱の赤嶺に全てがかかる。宜野湾エース比嘉との我慢比べとなるか。トップの金城から首里、平良らクリーンアップへ繋がる宜野湾打線。我謝の復調がカギとなる。

豊見城-那覇商

2戦17得点と打線が上向きの豊見城打線。春準Vからの更なる成長を感じさせる。対する秋4強の那覇商は左腕上間が安定。剛腕照屋へのリレーでシードを斬りたい。

浦添商-小禄

新人中央大会3位の浦添商はサイドハンドの大嵩が好調。打線も繋がり力強さを感じさせる。対する小禄はエース上原悠と南部工戦で復活した前武當の両腕で接戦に持ち込みたい。

沖縄尚学-宜野座

2回戦で本来のピッチングを取り戻したナンバーワン左腕諸見里俊。対するは打たせる制球力が持ち味の玉城楓。両軍とも1番の安里と佐久田の出塁率が高く、中軸がカギを握る。

昭和薬大附-美里工

防御率2.50の金城弘の活躍で今大会台風の目となり、同校初の16強入りした昭和薬大附だが、8打数5安打の大田を中心に、2試合24安打17得点の美里工打線を抑えるのは厳しいか。

 秋の準優勝興南、春の準優勝豊見城、同3位沖縄尚学、秋の4強嘉手納と那覇商。新人中央大会3位の浦添商、中部地区選手権大会優勝の美里工、高校商業野球大会優勝の八重山商工、秋8強の宜野座、春8強の宜野湾、秋春連続8強の前原と、各大会で成績を残してきたチームがさらに底上げしてきた感が強い。那覇、小禄、宮古、那覇西も結果が出ていなかっただけで、ベスト8入りする力は十分ある。旋風を起こしてきた昭和薬大附の戦いぶりも見どころだ。

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大会結果:シードの糸満、美来工科が敗退。実力伯仲の今夏、八重山商工が台風の目になるか トップに戻る