沖縄ヤングドリームスが見事初優勝

第9回沖縄県ジュニア育成会硬式野球大会決勝トーナメント

2015-01-15

甲子園春夏連覇を達成した島袋洋奨(ソフトバンク)らが叩いた中学生硬式野球育成会。その育成会のチームが集い競い会う「沖縄県ジュニア育成会硬式野球大会」の熱戦が述べ4日間に渡って行われ、沖縄ヤングドリームスが見事初優勝を遂げた

決勝

両軍ともに初優勝が懸かった試合は、ファイナルゲームに相応しい戦い

決勝

 1 2 3 4 5 6 7
沖縄ヤングドリームス2 0 0 1 0 0 1 4
ALL浦添A1 0 0 0 1 0 0 2
(沖) 儀保、山入端、平良、儀保ー宮里
(A) 玉城、宮城、徳永、照喜名ー諸見
三塁打 : 喜瀬(浦)
ニ塁打 : 宮里、佐渡山(沖)

「儀保や宮里、平良に代表されるように、今年のチームは力ある選手が揃った」とは、沖縄ヤングドリームス伊波誠監督。あげな中学の儀保海星・宮里龍のバッテリーや佐渡山光らは、KBC杯第17回新人大会で優勝。平良琉杏や山入端郁ら石川中学のメンバーは、第66回選手権大会でベスト4に進出した。そんなメンバーたちが一つになったチームは、育成会といえ強力な布陣となった。

その沖縄ヤングドリームスは、初回から試合の主導権を握る。相手のエラーで出塁した山入端を犠打で進めると、牽制悪送球と四球に二盗で二・三塁とチャンスを得る。ここで絶好調の4番宮里龍がレフト線を破るタイムリー2点打で先制した。一死のまま、なおも二・三塁と攻め立てたが、ここはALL浦添Aの先発玉城宗恭(首里中学)が、後続を一ゴロ、三振と踏ん張った。するとALL浦添Aはその裏、こちらも秀逸なバットコントロールを持つ3番平良彰梧が期待に応えるセンター前へのタイムリーで1点を返す。

3回裏のALL浦添Aは、マイケル・バトルズ(嘉数中学)に中前安打が飛び出し二塁走者が生還を試みるが、センター佐渡山からの中継がピタリと決まった相手の鉄壁な守りの前に屈してしまう。沖縄ヤングドリームスも4回表、一死一・三塁としてスクイズを決めに行くが、ALL浦添Aのベンチとバッテリーに見抜かれ三塁走者が挟殺される。しかし、8番石川晋(石川中学)の一・二塁間への当たりが内野安打となり1点を加えた。このままでは終われないALL浦添Aだが、5回表の守りも二死ながら満塁のピンチを迎える。しかしここは、捕手から二塁への牽制で走者を誘い出してアウトにする頭脳プレーで窮地を脱する。するとその裏、二死一塁から1番喜瀬慎斗(嘉数中学)の左中間突破のタイムリー三塁打で1点差に詰め寄った。

そんな両軍ともに引けを取らない好試合のターニングポイントは6回裏だ。ヒットと四球で無死一・二塁とされた沖縄ヤングドリームスが「彼しかいない」と自信を持って送り出した平良がその怪腕ぶりを発揮。浅いライトフライで走者を釘付けにすると、次打者をファーストへの小フライに斬り、飛び出していた二塁走者を刺して併殺と、これ以上ない結果を残した。沖縄ヤングドリームスは、7回表には3番佐渡山にタイムリー二塁打が生まれ貴重な1点をボードに刻むと、最後は再びマウンドへ上がった儀保が、走者二人を出して粘るALL浦添Aを振り切りゲームセット。チーム結成4年目で、嬉しい大会初優勝を成し遂げた。

沖縄ヤングドリームス伊波誠監督

「普段からやりたい放題の(笑)、明るく楽しいチーム。総合的な力は去年のチームが上かも知れないが、俺が俺がという強い個性の集まりを、儀保と宮里龍らが上手くまとめてくれたことで優勝に繋がった。6回の平良投入に迷いは無かった。子供たちにありがとうと言いたい」

個人賞

最優秀選手賞 : 平良琉杏(沖縄ヤングドリームス)
殊勲賞 : 平良彰梧(ALL浦添A)
敢闘賞 : 徳盛清吾(うるま育成会)平良俊幸(那覇Jr硬式野球育成会)

準決勝

決め手はエンドラン!一気呵成の大逆転でALL浦添Aが決勝へコマを進めた!

準決勝

 1 2 3 4 5 6 7
うるま育成会1 0 0 3 0 0 0 4
ALL浦添A0 1 0 0 5 0 x 6
(う) 国場、比嘉ー神山
(A) 玉城、宮城、照喜名、粟国ー諸見
ニ塁打 : 徳盛(う)

先制したのはうるま育成会だった。初回、先頭打者の徳盛清吾(与勝中学)がレフト前ヒットで出塁すると、ニ死満塁として4番仲村宏志朗(具志川中学)がセンター前へ弾き返した。

うるま育成会は続く2回にも三塁まで進めるも、これを凌いだALL浦添Aがその裏反撃に出る。センター前ヒットの仲松滉一郎(港川中学)を二塁へ進めて、7番佐久間翔之(港川中学)が右前へ運び同点に追い付いた。 うるま育成会は4回、3つの四球で満塁とすると、初球スクイズを成功させてまず1点。さらに徳盛にも2点タイムリー二塁打が飛び出して優位に立った。

しかしALL浦添Aは5回、相手の悪送球とタイムリーで2点を返し、なおも満塁と攻め立て、打席に平良彰梧(港川中学)を送る。「満塁でしたが走者は足が速く、打席の平良は当てるのが上手い」と、ALL浦添Aのベンチが下したエンドランのサインに平良が見事に応える。やや高めではあったが、思い切り良く引っ張った打球は三遊間を破る逆転の2点タイムリー!その後ワイルドピッチで三走が還って大量5点を刻み込むと、小刻みな継投で相手打線を封じて試合を決めた。

これぞ4番!値千金の一打で沖縄ヤングドリームスが初の決勝進出

準決勝

 1 2 3 4 5 6 7
那覇Jr硬式野球育成会0 0 1 0 0 0 0 1
沖縄ヤングドリームス0 0 0 0 3 0 x 3
(那) 新盛、前武當ー平良
(沖) 平良、山入端ー宮里
三塁打 : 宮里龍(沖)
ニ塁打 : 宮里龍(沖)

試合序盤、観衆の目を引いたのは、沖縄ヤングドリームス(以下沖縄ヤング)平良琉杏(石川中学)だった。初回、緊張からか二者に四球を与えるも二つの三振で切り抜けると、2回にも二者連続斬りと、最初からエンジン全開の奪三振ショーを見せつけたが、先制したのは2年振りの大会優勝を目指す那覇Jr硬式野球育成会(以下那覇Jr)だった。 3回、二死一・二塁として、5番野村幸矢(安岡中学)がレフト前へ運ぶタイムリーで那覇Jrが1点を刻む。沖縄ヤングは

4回、4番宮里龍(あげな中)に二塁打が生まれるも後が続かなかったが5回、8番平良のライト前ヒットを足がかりに、四球とエラーで一死満塁のチャンス。対する那覇Jr二番手の前武當大斗(石田中学)も、続く打者を見逃し三振に取るなど粘りのピッチングを見せたが、ここで再び打席に立った宮里龍が、今度は外の球を上手くおっつけて右へ持っていった打球はグングン伸びて、ライトの頭上を越える走者一掃の逆転タイムリー三塁打!チーム唯一の得点となった値千金の一打は、4番の名に相応しい目の覚めるような一撃だった。

投げては6回を投げて6奪三振と力投した平良の、あとを受けた山入端郁(石川中学)が最後を締めてゲームセット。本大会参戦3度目にして、念願のファイナル進出を果たしたのだった。

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