Lord to "選抜"!その第一歩となる九州大会出場校は八重山、興南の両校に決定!

第65回沖縄県高校野球秋季大会セミファイナル

2015-10-15

第65回沖縄県高校野球秋季大会準決勝は10月4日、セルラースタジアム那覇にて行われ八重山が秋春通じて初となる九州大会の出場を、興南が秋は5年振りとなる通算25度目の九州への切符を手に入れた。両校は、鹿児島県にて開催される第137回九州地区高校野球大会に、沖縄県代表として出場する。

八重山 vs 那覇商

激戦を制し八重山が初の九州大会

「九州大会へ出場するってこんなにも大変なのですね」と、八重山仲里真澄監督は苦しい展開を制したゲームを振り返った。

序盤を制した那覇商は初回、先頭の屋良朝哉が挨拶代わりの二塁打を放つと4番松永太地のタイムリーで先制する。

今大会初めて追い掛ける立場となった八重山は、初の九州大会出場が懸かるプレッシャーに空回りする選手の姿が見える中3回裏、一死一・二塁からキャプテン友利有也のタイムリーで1点。

その後中継が乱れる間に同点に追い付く。那覇商は4回表、クリーンアップの3連続タイムリーで3点をリードするが、八重山も5回裏、チャンスを作って同じく3、4、5番で打って返して同点にした。

こうなると新人大会覇者で自力に勝る八重山のもの。「どこかで使ってあげたいと思ってた」と、仲里監督もその力を認める途中出場の喜友名真矢が、那覇商の勝運を断ち切るスーパーキャッチを魅せると、7回裏には伊志嶺瑠希がセンターを襲う三塁打を放ち、川満拓也のライトへの犠牲フライでついに逆転。

さらにヒットと盗塁、そして相手の牽制悪送球で三塁を陥れた友利が、次打者の内野ゴロの間に生還し1点を加えた。

投げては「流れを変えるため」(仲里監督)と5回から3番手として投入した黒島投真が135Kmを越える力強いストレートを中心に力投。

8回表に、一死二・三塁とされ内野ゴロの間に1点を失ったが、那覇商打線を5インイング1失点に抑えて同校初の秋季大会決勝進出及び、初の九州大会出場へと導いた。

「勝因は凄く成長したナインたち。悪い状況を自分たちで考え打破して流れを変えた。これが高校野球ですよね。決勝も八重山らしく戦えたら。九州大会は僕初めてなので、経験豊富な伊志嶺監督(八商工)に色々学んでおきます。」(仲里監督)

八重山 vs 那覇商

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
那覇商1 1 0 3 0 0 0 1 0 6
八重山0 0 2 0 3 0 2 0 x 7
(那) 安里、上間、照屋-西平
(八) 仲山、新里、黒島-又吉
三塁打 : 伊志嶺(八)与那城(那)
ニ塁打 : 与那嶺(八)屋良、松永(那)

興南 vs 嘉手納

代打福元が逆転打、興南が5年ぶりの秋九州

「あれで逆に選手もベンチも燃えたよね。」と、興南我喜屋優監督が振り返ったシーンは、エースがさらなる向上を考えて編み出したクイックモーションだった。

6回表、嘉手納の主砲大石哲汰の打席で突然見せたクイックスローに、バットも体も動かなかった。三振、と思われた直後球審から「クイック・リターンピッチのため、今の投球をボールとして継続します」とのアナウンスが流れる。

- クイック・リターンピッチとは -
野球規則 2・64 QUICK RETURN Pitch 「打者の虚をつくことを意図した投球をいう。これは反則投球である」

このようにルールブックには明快に記されている。だが「さらなる向上のため、練習で取り組んできた」と話す比屋根雅也は少し納得いかない気持ちを、敢えて自らのパワーへと変えていった。

先制したのは嘉手納。1回、一死から古謝巧真、大石、大城堅斗の3連打であっと言う真に1点を奪う。

だがその後、上手く切り替えた比屋根は2回から5回までノーヒットに抑え込むが、嘉手納ナインが親しみと期待を込めて"社長"と呼ぶ仲地玖礼も3回から6回まで興南打線を無安打に封じる緊迫した投手戦となる。

だが7回裏、代打で登場した吉澤誠矢が出塁して二死二・三塁とチャンスを作ると、2人目のピンチヒッターとして打席に入った福元信馬がセンター前へとはじき返して一気に逆転する。

去った夏の選手権沖縄大会の決勝でも「代打二宮」で的中させるなど、無類の勝負師としての腕を見せる我喜屋名伯楽の見事な采配でもあった。

続く8回裏には、高那峻のタイムリーで大きな1点を加えると、8奪三振の力投を見せた比屋根が最後も締めて興南が春に続く2季連続、秋は5年振りとなる九州大会出場を決めた。

興南 vs 嘉手納

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
嘉手納1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
興南0 0 0 0 0 0 2 1 x 3
(嘉) 仲地-知花
(興) 比屋根-宮里
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