八重山、初の県制覇

第42回沖縄県高校野球新人中央大会決勝戦

2015-09-15

ライバルに遅れをとること11年。嬉しい初優勝を飾った八重山 

決勝

八重山 5-2 興南

来春選抜の選考に重要な秋の県大会のシードを確定した八重山と興南の両校が、新チームになって初の公式戦となる新人中央大会の頂点を争った。

先制したのは興南。2回、一死から5番宮里大湖がライト前ヒットで出塁すると牽制悪送球で三塁を陥れる。ここで次打者の仲村祐亮が粘りながら8球目をセンターへ運ぶ犠牲フライで三塁走者を迎え入れた。

一方、大会初優勝のチャンスを得た八重山も黙ってはいない。1点を失ったその裏、四球と与那嶺匡のライト前ヒットで一・二塁として犠打で手堅く送ると相手のワイルドピッチですかさず同点とした。

八重山先発の新里光平は4回、ワンヒットワンエラーで生まれた無死二塁からの、次打者の投前犠打を三塁へ送球するもセーフとなる自らのフィルダースチョイスでピンチを拡げ、さらに四球を与えてしまい満塁としてしまう。

「監督さんから気持ちで負けるな」と激励を受けた新里。3球目を空振りした打者に対し、飛び出した三塁走者を三本間にて挟殺するなど野手陣も盛り立てる。マウンドの新里も次打者を三振に斬るなど粘投で、無死満塁から1点も与えない最高の守りを見せた。

打線は同点以降、興南先発の上原麗男の前に三者凡退を繰り返してしまっていたが6回、伊志嶺瑠希のバットから生まれた二塁打と二つの死球で満塁とすると、二番手としてマウンドに上がった崎原大輔からも押し出しの四球を選ぶなど逆転に成功。

さらに7回、二死二塁から相手一塁手の悪送球の間に1点を奪うと、代打で送られた福島英泰が期待に応えるタイムリーを放ち試合の大勢を決める5点目をボードに刻んだ。

7回から新里をリリーフした黒島投真は、力強いストレートを主体に8回9回のイニングをノーヒットと興南打線を力でねじ伏せ、八重山高校として全ての大会で初となる※(選手権沖縄大会と一年生中央大会で準優勝あり)悲願の優勝を手繰り寄せた。

長年ライバルとして切磋琢磨している八重山商工がこの大会を制してから11年が過ぎたこの日、追い付くことが出来た八重山。

いや、来春選抜の切符を手に入れてようやく追い付いたと思えるのかも知れない。秋の第一シードとして望む彼らから、目が離せない。

決勝戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
興南0 1 0 0 0 0 1 0 0 2
八重山0 1 0 0 0 2 2 0 x 5
(興) 上原麗、崎原、大城-宮里
(八) 新里、黒島-又吉
三塁打 : 上門(興)
ニ塁打 : 伊志嶺(八)

3位決定戦

浦添商-宜野座戦

3回、死球の走者を二塁へ進めた浦添商は3番宮城健が7球目をライト前へ運び先取点を奪ったが、無失点とはいえ4回までのうち3度も得点圏へと走者を進められた宜野座に5回、一死一・三塁からのダブルスチールで同点を許した。

その後も7回、8回と三塁へ走者を置いた宜野座が試合を押し続けたが、浦添商も必死の継投で要所を締め試合は1対1のまま延長へ進んだ。

そして11回、浦添商は先頭の4番砂川翔弥がヒットで出塁してチャンスを作ると相手のエラーも絡み一・三塁とする。6番金城慶也の当たりはショートゴロだったが、良いスタートを切った砂川が生還(記録はフィルダースチョイス)し決勝点のホームを奪った。投げては二人の下級生の後を継いだ背番号1の大岳博斗が終盤の3回と2/3イニングを投げきり、打者12人に対し被安打2、奪三振4の無四球と素晴らしいピッチングで新人大会3位へとチームを導いた。

敗れた宜野座だが、代打を7人送りベンチ入りの20人中18人を使うなど、信条とする粘りと全員野球を貫き通した。最後まで投げきった内間拓馬も11回、浦添商に勝ち越し点を与えた直後の一死満塁の場面で10個目の三振を奪い、このイニングの失点を1のみに封じるなど203球の熱投は感動を呼んだ。準決勝で敗れた両者だが、その持っている技・力・体力・精神力は素晴らしく、シード校としてむかえる秋が非常に楽しみである。

3位決定戦

 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
浦添商0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 2
宜野座0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
(浦) 野原、宮城遼、大岳-金城
(宜) 内間-奥間太
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

大会結果:八重山、初の県制覇 トップに戻る