70代、白球を追いかける
第1回沖縄県古希軟式野球大会
2015-07-15
生涯スポーツとして野球を続けている70代の選手たちによる、第1回古希軟式野球大会が6月27日、奥武山の兵庫・沖縄友愛グランドで行なわれた。
大会は、3チームによる総当り戦で行なわれ、沖縄徳洲会野球クラブが記念すべき第1回大会の覇者となった。
試合巧者ぶりを発揮した沖縄徳洲会野球クラブ
記念すべき第1回大会を制したのは、沖縄徳洲会野球クラブだった。
徳洲会は、初戦の沖縄コッキーズを15対2、二戦目の名護マサーズSrを10対3と大差で破り、2勝0敗で優勝を決めた。
沖縄徳洲会野球クラブは、還暦チーム(60代)、実年チーム(50代)、成年チーム(40代)があり、そこに交じって、年間を通して50試合以上プレーをこなすメンバーも多い。
出塁すると、ほとんどの選手が盗塁を試みる。2試合で19盗塁と塁上を駆け回った。
守備も安定しており、失策も2試合で1つだけ。捕手の真栄田も2度盗塁を阻止するなど、ディフェンス面で他を上回った。
野球を楽しんで、健康長寿に
1985年には、全国1位だった沖縄県の男性の平均寿命は、2013年には、47都道府県中、なんと30位。県でも健康長寿沖縄を取り戻そうと啓蒙活動に力を入れている。
そんな中で、70代で活き活きと野球を楽しむ選手たちは、健康長寿おきなわ復活の先鋒とも言える。
今大会は、古希予備軍として68歳からの出場が認められたが、出場登録選手のほぼ8割が70歳以上、最高齢は81歳。
決して軽やかとは言えないまでも、選手たちは、元気にグランドを駆け巡る。
出場チームは、定期的に練習もこなしており、野球をするのが好きなことが、元気の源になっている。
60歳以上が参加する還暦チームも、現在31チームを数え、生涯スポーツとして野球を楽しむ人たちが年々増えてきている。
還暦野球、古希野球と「生涯野球で健康長寿」だ。
優勝 | 沖縄徳洲会野球クラブ | 2勝 |
2位 | 沖縄コッキーズ | 1勝1敗 |
3位 | 名護マサーズSr | 2敗 |
第1戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
沖縄コッキーズ | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
沖縄徳洲会野球クラブ | 4 | 7 | 4 | 0 | c | 15 |
先発投手は両チームともに齢77歳。沖縄の社会人野球隆盛期に野手として活躍した往年の名選手、コッキーズの名嘉原。
一方の徳洲会の宮良は、高校校時代はやり投げの選手。職域野球で投手を始め60年近いキャリアを持つ。ともに70代後半とは思えぬ投球をみせた。
試合は、1回表にコッキーズが4番大城のタイムリーで先制。
しかし、その裏、徳洲会が反撃。真栄田の三塁打など4本のヒットを集め4点を上げ逆点。2回裏にはコッキーズの守備の乱れに乗じてヒット3本で6点を奪い、勝負を決めた。
第2戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
沖縄徳洲会野球クラブ | 2 | 6 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 10 |
名護マサーズSr | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 |
徳洲会は、1回表、2死二塁から4番長堂がレフトへヒットを放ち、二塁奏者の池原が還り先制。
さらにレフトが後逸する間に三塁まで進んだ長堂を、5番下地がセンター前ヒットで向かい入れた。
徳洲会は、2回表には打者11人の猛攻。7本のヒットを集中させ6点を奪い取った。
名護マサーズも4回裏、仲村善の三塁打などで3点を返し、反撃のノロシを上げたが、5回以降はリリーフした徳洲会の宮良の前に打線が1安打に封じられ、得点できなかった。
第3戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
沖縄コッキーズ | 5 | 0 | 0 | 9 | 0 | 14 |
名護マサーズSr | 2 | 8 | 2 | 0 | 0 | 12 |
沖縄コッキーズが4回表に9点を奪い大逆点で勝利を収めた。
初回表に5点を先制したコッキーズだったが、2回裏、先発山里の制球が突如乱れ、4つの四死球を与えた後に3本の長短打を浴び一挙8点を失い10対5と逆点される。
さらに3回裏にも2点を奪われ、7点差。しかし4回表、県内で最初に結成された古希チーム・沖縄コッキーズが意地をみせた。
四球や相手のミスを挟みながら5番山里のタイムリー三塁打などで一点差まで追い上げる。
そして2死から怒涛の4連打。14対12と逆点に成功した。ここからコッキーズは名嘉原を投入。
名嘉原が2イニングを無死点に抑え、勝利を呼び込んだ。