第1代表は沖縄電力、第2代表にてるクリニックが決定。九州2次予選に挑む
第86回都市対抗野球大会沖縄県予選
2015-05-15
第1代表決定戦
沖電・伊波伸が、てるクリニック打線を寄せ付けぬ好投で完勝。
第1代表決定戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
てるクリニック | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
沖縄電力 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | x | 5 |
2年連続で都市対抗の本戦に九州代表として出場している沖縄電力。
初戦のエナジック戦では5点差を追い付き、9回サヨナラ勝ち。第1代表決定戦では投打がかみ合い、てるクリニックを5対0で下し第1代表の座を手にした。
沖縄電力は1回裏、1番儀間(前原高)がライトスタンドへ先頭打者本塁打。
さらに3回には、一死から敵失で出塁した儀間を2番比嘉(那覇高―沖国大)、3番照屋(宜野座高―浜松大)の連続ヒットで本塁に迎え入れた。
そして7回には、この回先頭の9番渡慶次(名護高)が右中間突破の3塁打を放つと続く儀間がライト前タイムリーヒット、犠打のあと、3番照屋がライトへ三塁打を放ち儀間を迎え入れて、さらに1点を追加。
なおも1死三塁の場面で沖縄電力は満塁本塁打が出ても同点にされないと5点目をスクイズで取りに行く。
途中出場の與古田(前原高)が投前にスクイズバントを確実に決め5点目、勝利を決定づけた。
てるクリニックは沖縄電力の先発伊波伸彰(中部商)の前に散発3安打となす術がなく無得点に封じられた。
沖縄電力の小川監督は第一代表決定後、「決勝は儀間の先頭打者本塁打で勢いづいたが、タイムリー欠乏症で残塁が多く、なかなか得点に結びつけられずにいる。
(九州予選に向け)一工夫が必要になる。投手陣が結果を出しながら安定してきているのは明るい兆し」と九州2次予選へ向け得点力の向上を課題にあげた。
第2代表決定戦
てるクリニック・左腕安里が粘りの投球で勝利を手繰り寄せた
第2代表決定戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ビッグ開発ベースボールクラブ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
てるクリニック | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | x | 3 |
昨年は、都市対抗沖縄予選、クラブ選手権九州予選とビッグ開発ベースボールクラブに大敗を喫したてるクリニックが今大会は2戦とも勝利しリベンジ、第2代表の座を射止めた。
第2代表決定戦の初回、てるクリニックは相手のミスに乗じて1点を先制。
ビッグ開発BBCは4回表に二死一、三塁から7番神里塁(北山高)がセンター前にタイムリーを放ち試合を振り出しに戻した。
その後も5回、6回、7回とビッグ開発BBCは得点圏に走者を進めるものも、あと1本が出ず追加点を奪えない。
すると、てるクリニックは7回裏二死走者無しから追加点を得る。
9番上原光徳(沖縄尚学)が四球を選び、1番大嶋(首里高―名桜大)がレフト前ヒットでつなぎチャンスを広げると、さらに連続四球を得て押し出しとなり待望の追加点。
てるクリニックは、続く8回裏にも二死走者無しから四球で出塁した宮城(沖縄尚学)が8番新里(中部商)の左中間へのヒットで一気に本塁を陥れ3点目を奪った。
てるクリニックへ勝利を呼び込んだのは先発左腕安里の粘り強い投球。再三ピンチを招くも決定打を与えずビッグ開発BBCを1点に封じた。
打線では、新加入した28歳の4番石垣(東洋大)が若い選手にも好影響を与えながら結果を残し、周りもつなぐ意識を持って打席に入っているという。
クラブチームというハンディの中「去年で勝ちの喜びを経験した選手たちが、自分たちより強い相手に勝つためにはどうすれば良いか考え、大会に向けて練習に取り組んできたのが結果となった」と照屋監督は選手個々の意識の高まりを勝因に挙げた。
第1代表決定トーナメント1回戦
5点差を追い付いた沖電が9回サヨナラ勝ち
第1代表決定トーナメント1回戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エナジック | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
沖縄電力 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1 | 6 |
3回に5点を奪われ苦しい戦いとなった沖電は5回に4番狩俣達(沖縄水産)の本塁打で反撃ののろしを上げると、 7回は田場(前原高)、大城(中部商―国士舘大)が連続タイムリー、8回には平田(中部商―国際武道大)の犠飛と照屋のタイムリーで同点に追い付いた。
そして9回裏二死二塁から與古田がライト前ヒットを放ちサヨナラ勝ち。エナジックは3回表に5本のヒットを集中させ5点を奪い優位に立ったが、4回以降は立ち直った沖電・狩俣穏に2安打と抑えられ得点を追加することが出来なかった。
4番石垣が2点本塁打を含む3安打の活躍
第1代表決定トーナメント1回戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
てるクリニック | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 7 |
ビッグ開発ベースボールクラブ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 5 |
てるクリニックは初回、先頭の大嶋の四球を足がかりに相手守備の乱れも加わり満塁とすると4番石垣のタイムリーヒットで先制。
さらに敵失や内野ゴロで得点を追加、立ち上がりに3点のリードを奪った。
3回には伊良波(宜野座高―沖縄大)のタイムリー三塁打に石川(興南―名桜大)もヒットで続き2得点。
7回には石垣がライトスタンドへ2ランを運び7対0と大きくリード。
ビッグ開発は、7回に山城則(前原高)の2点タイムリーなどで3点を返し、最終回も2点差まで詰め寄る粘りを見せたが及ばなかった。
第2代表決定トーナメント1回戦
第2代表決定トーナメント1回戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エナジック | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
ビッグ開発ベースボールクラブ | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 4 |
序盤3点差を逆転したビッグ開発がそのまま逃げ切る
2回裏に3点のビハインドをひっくり返したビッグ開発がそのまま逃げ切った。
ビッグ開発は1回表に内野のミスでエナジックに先制を許すと、2回には二死走者無しから四球を与えたあと3連打を浴び2点を失った。
しかし嫌なムードをその裏、払拭する。先頭の山城則がセンター前ヒットで出塁すると四球を挟み相手エラーで生還。さらに連続四死球を得て押し出しで2点目。
一死後、2番島袋(宜野座高―九州総合スポーツカレッジ)、3番當眞(中部商―日本ウェルネススポーツ専門学校)の連続タイムリーで逆転に成功した。
その後は、ビッグ開発の先発知念(中部商―沖データコンピュータ教育学院)と3回から登板したエナジック山下(都城東高)の投げ合いとなり、お互いに得点を許さない展開となった。
第86回都市対抗野球大会九州地区2次予選
6月6日から8日間(熊本県藤崎台県営野球場・山鹿市民球場)
都市対抗野球大会への九州枠は3チーム。1次予選を勝ち抜いた12チームが出場し、トーナメント・敗者復活方式で、第1代表、第2代表、第3代表の座が争われる。
●出場12チーム
福岡地区 ・JR九州(北九州市)・西部ガス(福岡市)・・九州三菱自動車(福岡市)・苅田ビクトリーズベースボールクラブ(苅田町)
長崎・佐賀地区 ・三菱重工長崎(長崎市)
熊本地区 ・ホンダ熊本(大津町)・熊本ゴールデンラークス(熊本市)
大分地区 ・新日鉄住金大分クラブ(大分市)
中九州地区 ・九州工科自動車専門学校(熊本市)
宮崎・鹿児島地区 ・宮崎梅田学園(宮崎市)
沖縄地区 ・沖縄電力(浦添市)・てるクリニック(那覇市)
昨年、沖縄で開催された第85回都市対抗野球大会九州地区2次予選では、第1代表にホンダ熊本、第2代表にJR九州、そして第3代表の座を沖縄電力が射止めた。また、昨年の日本選手権には九州からJR九州と西部ガス、ホンダ熊本が出場している。
今年の大会も県勢として注目されるのは、昨年の地元開催で激闘の末、本戦出場を決めた沖縄電力。3年連続5度目の本戦出場へ期待がかかる。
沖縄県第2代表のてるクリニックは昨年に続いての二度目の2次予選出場。昨年は初戦で九州三菱自動車を破った。クラブチームのてるクリニックにとって企業チームの壁は厚いが昨年以上の活躍を期待したい。
2次予選に出場する他県チームの県出身者の活躍にも注目したい。
監督として出場するのが、ホンダ熊本の玉城誠監督(豊見城南高)と九州三菱自動車の比嘉康哲監督(豊見城高-九州共立大)。玉城誠監督は就任1年目の昨年、第1代表の座を獲得した。
今年から九州三菱自動車の指揮をとる比嘉監督は、西濃運輸の監督時代にチームを都市対抗に3度導いた。
昨年の九州地区のベストナインは沖縄電力の狩俣達也外野手をはじめ、沖縄県出身者が4人選ばれた。
一塁手で選ばれたのが西部ガスの大城昌士(首里中―東海大相模―東海大)、遊撃手でホンダ熊本の佐久本匠(宜野座高)、そして西部ガスの天久朝治(石垣第二中―岡山・高梁日新高―九州国際大)がDHで選ばれた。
この3人に加え、他にもホンダ熊本の砂川卓也外野手(八重山高―東京情報大)、熊本ゴールデンラークスの与那嶺光外野手(南風原高―BIG開発)も出場する。
投手では、ホンダ熊本・上原亘(沖縄尚学高)、九州三菱自動車・知念広弥(小禄中―おかやま山陽高-金沢学院大)の両左腕の活躍が期待される。西部ガスのルーキー左腕・嘉手苅裕史(本部高―名桜大)も登板の機会を伺う。
昨年は、沖縄で開催され盛り上がりをみせた2次予選、今年は熊本県で東京ドームへのイスが争われる。