興南、八重山商工が一回戦敗退!これが夏の怖さ

第96回全国高等学校野球選手権沖縄大会が開幕!

2014-07-11

第96回全国高等学校野球選手権大会が6月21日に開幕し、一回戦29試合が終了した。 決勝戦の予定は7月20日。甲子園出場校はまだまだ決まらないが、ここではその一回戦で印象に残った試合をピックアップし、振り返ってみた。

Aブロック

沖縄水産 2対1 八重山

オープニングゲームの沖縄水産とハ重山の戦い。勝者は第1シードの沖縄尚学との挑戦権を得るとあって、1点を争う緊迫した展開となった。先制された沖縄水産は5回、ツーアウト走者無しから下位打線が死球とヒットで上位へ繋げると、1番上間がレフトヘ弾き返し二者が生還する逆転タイムリーを放つと、投げては城間が5安打8奪三振の力投で逃げ切った。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
沖縄水産0 0 0 0 2 0 0 0 0 2
八重山1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
(沖) 城間-大田
(八) 名嘉真-高宮城
ニ塁打 : 上間(沖),内原(八)

嘉手納 10対0 八重山商工

秋3位の八重山商工と秋春連続8強の嘉手納の戦いは、一方的な展開となった。嘉手納はツインバズーカ砲の知花由と大城璃の二人で3安打5打点をマークするなど10得点を奪うと、先発した若干1年生の仲地も5回を投げて無失点と投打で圧倒した。八重山商工は、エース馬場が投げられない状態なのが大きく響いてしまった。

 1 2 3 4 5 6
八重山商工0 0 0 0 0 0 0
嘉手納1 0 3 0 4 2x 10
(八) 具志堅、森田、大演-宮良雄
(嘉) 仲地、桃原-古謝脩
三塁打 : 知花卓、具志堅(嘉)
ニ塁打 : 知花由、大城(嘉)

浦添 4対2 具志川

浦添と具志川は春季大会一回戦に続く対戦。リベンジに燃える浦添は3回、ツーアウトから1番が四球をぶと、4番大浦の三塁打など長短3連打で3点を先制。その間僅か5球と、好球必打の姿勢が目立った打線が10安打を記録した。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
具志川0 0 0 0 0 0 0 1 1 2
浦添0 0 3 0 1 0 0 0 x 4
( ) 川野-天願
(浦) 屋良、岡田、屋良-交野
三塁打 : 大浦(浦)安座名(具)
ニ塁打 : 森田、宮城(浦)川野(具)

沖縄高専 8対7 中部農林

敗れはしたものの大健闘を見せたのが中部農林だ。初回に2点を先制すると、6回には満塁と攻めたで6番名嘉の当たりはセンターの頭上を越える走者一掃の3点タイムリー。さらに8回には主将小谷がレフトスタンドヘ大会第一号となる2ランホームランを放つなど、2008年以来6年振りの勝利を期待させた。

惜しくもサヨナラ負けとなってしまったが、持てる力を100パーセント出し切った悔いの無い夏となったのではないだろうか。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
中部農林2 0 0 0 0 3 0 2 0 7
沖縄高専2 0 0 0 1 0 0 1 4x 8
(中) 泉、門口、比嘉-門口、小谷
(沖) 新城、具志-上原
本塁打 : 小谷(中)
ニ塁打 : 名嘉(中)、上原、新城、川満(沖)

前原 2対1 興南

このブロックー番の好カードと謳われただけあって、引き締まったゲームとなったが押していたのは興南だった。8回二死満塁から代打の石川がタイムリーを放つなどヒットの数は10本を数えたが、得点はその1点のみとあと一歩の所を前原に抑えこまれると、同点の9回裏にはエラーで出塁を許してしまい最後はセンター前タイムリーでサヨナラ負けを喫してしまった。前原は出塁した仲嶺が果敢に盗塁を成功させると代打の伊波がサヨナラ打を記録するなど、庫れるような場面でも臆することのない精神力の強さも垣間見えた勝利だった。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
興南0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
前原0 0 0 0 0 0 0 1 1x 2
(興) 伊禧、喜屋武-福地
(前) 西野、内閣-徳盛

Bブロック

宜野座 2対1 那覇商

第4シード宜野座は3回、下位打線から一死満塁とすると渡久地がタイムリーを放ち先制。続く4回には主将営庭の二塁打を足掛かりに1点を加えた。投げては知念が9奪三振無四球ピッチングで相手を寄せ付けなかった。那覇商は7回裏、山入端に大会第二号のホームランが飛び出したが、その後の9打者が出塁することすら叶わず、宜野座・知念に押し切 られてしまった。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
宜野座0 0 1 1 0 0 0 0 0 2
那覇商0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
(宜) 知念-當眞
(那) 浦崎-山入端
本塁打 : 山人端(那)
ニ塁打 : 中島(那)、當眞(宜)

豊見城 3対2 宮古

豊見城は3回、一死一・三塁から金城仁のレフト前タイムリーで先制すると、次打者がスクイズを成功させ2点を奪取。8回には「あの打球がこの試合の勝敗を分けた」と金城監督が語ったレフト線ギリギリに入る三塁打で大きな1点を刻み込んだ。

宮古は最終回、代打の上地(日)に三塁打が飛び出すなど2点を加えあわやサヨナラという所まで追い詰めたが、スクイズが失敗に終わるなどあと一歩届かなかった。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
豊見城0 0 2 0 0 0 0 1 0 3
宮古0 0 0 0 0 0 0 0 2 2
(豊) 宮里-石原
(宮) 長尾-下地秀
三塁打 : 池田、上地(宮)、仲田(豊)
ニ塁打 : 津波(豊)、砂川勝(宮)

石川 8対6 本部

春季大会ベスト4の石川が自力で勝ると思われたが、本部が6回に3点を奪い同点に追い付き試合は一気に緊迫した展開へ。その嫌な空気を切り裂いたのは二人の男だ。まずはその裏の先頭打者として打席に立った當眞。まだ1年生だとは思えない振りの良さから三塁打が生まれるとヒットと相手のエラーで2点を勝ち越す。すると先発與那嶺の後を継いエース浜川優馬が「捻挫した足はまだ完治しておらず、いつもの自分を百点としたら今日は六十点」とは浜川本人の弁だが、この日の最速140キロのストレートで本部打線をノーヒットのと沈黙させて結びつけた。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
本部0 0 1 0 2 3 0 0 0 6
石川 1 3 0 2 0 2 0 0 x 8
(本) 宮城-島袋直
(石) 與那嶺、浜川-新垣
三塁打 : 與那嶺、徳山(石)、當眞(本)
ニ塁打 : 仲宗根隆(本)

宜野湾 3対2 小禄

宜野湾の先発野原が被安打9、小禄の島袋洋は同8本と互角の投手戦。そんな試合を分けた7回の宜野湾の勝ち越し点は二死二塁からの内野ゴロエラーによる得点。どこが勝ってもおかしくない均衡した試合であった。打線の巡りもあったが、小禄は序盤に出た二つの三塁打を得点に結びつけることが出来なかったのが悔やまれた。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
小禄0 0 0 0 0 1 0 1 0 2
宜野湾0 0 0 0 2 0 1 0 x 3
(小) 島袋-譜久村
(宜) 野原-比嘉優
三塁打 : 金城光、手登根(小)
ニ塁打 : 門口、砂川(宜)嘉数(小)

首里 4対2 美里

首里は3回、中真樹のタイムリーなどで2点を奪うと続く4回にも相手のエラーを誘い試合を有利に運ぶ。投げては182センチの長身右腕西岡がヒットを7本に抑え7奪三振で完投。9回には一死二・三塁と食い下がる美里打線に対し三振、セカンドライナーに打ち取った。美里は7回に下位打線の3連打で2点を返すなど粘ったが、西岡に振り切られた。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
美里0 0 0 0 0 0 2 0 0 2
首里0 0 2 2 0 0 0 0 x 4
(美) 比嘉-高江
(首) 西岡-佐久田
三塁打 : 山入端(美)
ニ塁打 : 屋宜、高江(美)

Cブロック

与勝 4対3 南部商

先制したものの南部商に逆転を許した与勝は、5回にファーストヘの内野安打で同点とすると6回にも新垣の二塁打をきっかけに三塁へ進めて、今度はセカンドヘの内野安打で勝ち越すなど。足攻、で試合をものにした。投げては6回から登板した2年の宇根が、13人の打者から10個の三振を奪う快投で1点差を守り切った。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
南部商0 1 1 1 0 0 0 0 0 3
与勝0 2 0 0 1 1 0 0 x 4
(南) 比嘉悠、野原-城間大
(与) 銘苅、宇根-島袋
三塁打 : 比嘉海(南)
ニ塁打 : 山城潤、新垣(与)

陽明 2対1 北中城

試合を終始優位に進めたのは北中城だった。春季大会防御率0.75でペスト8に大きく貢献した陽明は8回その具志堅から、5回に二死二塁から1番友寄がタイムリーを放ち先制すると、その後もヒットを浴びせ7回途中で降板させた。だが陽明は8回、その具志堅が足を攣リながらの執念のヘッドスライディングでナインを鼓舞。その後ベンチに下がった大黒柱の意気に応えようと9番仲里が引っ張った打球は相手のエラーを誘い同点とすると、9回には無死満塁と攻めたて最後は4番下地が、センター前へ運ぶサヨナラで、2002年以来となる12年振りの選手権大会の勝利を手繰り寄せた。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
北中城0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
陽明0 0 0 0 0 0 0 1 1x 2
(北) 下條、友寄-山川
(陽) 具志堅、伊禧-下地
ニ塁打 : 友寄(北)

知念 8対1 向陽

知念は初回、3連打を含む4安打で2点を先制すると、3回にも3本のヒットと三つの四死球を絡ませて3点を奪い13安打8得点でコールド勝ちを収めた。中でも4番仲程と6番仲里が2安打ずつ、5番松岡が3安打と中軸がしっかりと機能していた。

 1 2 3 4 5 6 7
知念2 0 3 0 1 2 0 8
向陽1 0 0 0 0 0 0 1
(知) 大城優、銘苅、具志堅-比嘉
(向) 仲里、藤原、親川-城間
三塁打 : 山内(向)
ニ塁打 : 豊見本(向)、兼城(知)

中部商 2対1 北山

中部商は4回まで1安打と北山先発の小浜(百)に抑えられていたが5回、8,9番の連続ヒットでチャンスを作ると3番嶺井のタイムリーで先制すると、続く6回にも同じく7、8、9番で満塁とすると1番知念がセンターヘ犠牲フライをあげて決勝点を刻むなど、下位打線の活躍が光った。投げては、先発の嶺井と仲本がそれぞれ4イニングずつを無失点に抑えて勝利に大きく貢献した。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
中部商0 0 0 0 1 1 0 0 0 2
北山0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
(中) 嶺井、仲本、前田-新垣宏
(北) 小浜百、黒島-宮城竜
ニ塁打 : 仲本、仲間(中)、安座間(北)

Dブロック

コザ 6対3 開邦

新人中央大会準優勝、春季県大会4強のコザが、8回まではまずますの試合運びを見せたと言えたが、開邦ナインの意地が最後に発揮された。

コザは4回、一死二塁から兼本が右前へ先制打を放つと、6回には仲宗根(理)の2点タイムリーなど打者10人を送る猛攻で4点を奪うと8回には4番吉山のタイムリーで試合を決定づけた。だが開邦は諦めていなかった。最終回一死からエラーで出塁すると2、3番に連続ヒットが飛び出して1点を返すと相手の隙をついたランダンプレーで悪送球を誘って加点。さらに4番本永が犠牲フライを打ち上げて3点を刻み込んだ。試合には敗れてしまったが、昨年開校初の16強入りを果たした先輩に恥じない粘りは立派だった。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
開邦0 0 0 0 0 0 0 0 3 3
コザ 0 0 0 1 0 4 1 0 x 6
(開) 與那嶺-玉城
(コ) 宮里-安谷屋

浦添商 3対1 沖縄工

浦添商は同点の3回、1番に座った新里がレフトスタンドヘのソロホームランで先制すると、そこから圧巻の5者連続長短打。だが沖縄工野手陣も中継を挟んでアウトにするなど、最小失点で凌ぐと試合はその後、沖縄工仲里健と浦添商砂川のエース同士による投げ合いが続いた。追加点が欲しい浦添商は8回、一死から天久がレフトヘ大きな三塁打を放つと四球を挟んでスクイズを敢行。仲里健も懸命にホームを阻止せんと放るが、セーフ(記録はFC)となり、待望の1点をもぎ取った。投げては砂川をリリーフした天久が沖縄工打線を抑え、二年振りの覇権奪回へ向けて緊迫した好ゲームを制した。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
沖縄工0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
浦添商1 0 1 0 0 0 0 1 x 3
(沖) 仲里-池村
(浦) 砂川、天久-前田
本塁打 : 新里(浦)
三塁打 : 天久(浦)
ニ塁打 : 長田(浦)比嘉、仲里健、新里(沖)

選手宣誓

私たち野球部員は、これまで野球にかけてきた想いと、これまで支えて下さった皆様への感謝の想いを、この晴れの舞台で、試練を乗り越えてきた仲間と、固い絆で全員野球・全力プレーで全てのチームに敬意を持って戦います。真夏の太陽にも負けない、甲子園という聖地に向かい、熱い・熱い大会にすることを誓います。

平成26年6月21日
沖縄県立真和志高等学校野球部主将
ネブレト・ジョデェシィ・瑠華

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