日本文理大学(大分県) 仲程 隆浩 

第47回明治神宮野球大会観戦記

2016-12-15

昨日までのグズついて、ひじゅる~(寒い)な日々とは一変し、絶好の野球日和となった11月12日、明治神宮球場に、まずは試合観戦に行きました。出場各校には、うちな~んちゅ~部員はそれぞれいるのですが、ベンチ入りし、かつ、試合に出る可能性が高い選手となると、さすがに数が限られて来ます。そんな中で、わった~(我々)が白羽の矢を立てたのが、大分県の日本文理大学の仲程選手です。部員数は約280名と言う大所帯の中で、2年生の現在、既に主に指名打者でガッチリとレギュラーの座を確保しています。  うちな~んちゅ~でありながら、公称186cmと言う身長は、日本文理大学のベンチ入り選手の中でも、チブル1つ抜き出ており、すぐに発見できました。

日本文理大学 VS 東海大学北海道キャンパス

 試合は、東海大学北海道キャンパスが押しまくる展開でした。先発の山根投手は、胸をまずグイッと突き出した状態から、スリークウォーターとサイドの中間位の位置から腕が送れて出て来ると言う変則フォーム。直球の表示は120km後半ですが、初めて対戦する投げ方であり、球が急に視界に入るようですので、打席ではとっても速く感じるハズ。

東海大学北海道キャンパスの打線も活発で、日本文理大学の多くの左投手に襲いかかります。送る所は送り、走塁も積極的。そんな怒濤の攻めを日本文理大学の守備が何とか最少失点で抑えると言う展開でした。して、わった~島の仲程選手ですが、秋のリーグ戦ではほとんどが指名打者であったのですが、明治神宮大会では指名打者制度が取られていませんので、5番左翼で先発です。

その打撃には、疑いも不安も全く無かったのですが、失礼ながら筆者は、指名打者と言うことは、守備に何らかの不安があるのか、日本文理大学の外野陣は、皆とんでも無い怪物揃いなのかと思っていました。ごめんなさい。

この先入観は、大きな誤りでした。仲程選手の守備は、とっても素晴らしい物でした。3回表、2死1・3塁のピンチで、福田選手の当たりは左翼左へのライナー性。「あぁ、ファールか。」球場のほとんどの人間は、そんな~思ったハズ。やしが、そんな~思わなかった人が1名いました。仲程選手です。

タタタタタ!打球に向かって加速し続けるその駿足を観た球場の面々は、「え?」「あり?」「まさかや~?」「おいおい?」「追い着いちゃうよ?」「あ~!」「うおおおおお!取った~!取りよった~!」に、表情と思考が数秒の間に劇的に変化ました。最後は横っ飛びで滑りながら、フェンス直前で補給。球場にどよめきが起こりました。

相手スタンドからも称賛の拍手が鳴り、相手の打者と走者とコーチは唖然。審判に、恐らく「ほら、チェンジだよ。」と促され、ようやく事態を飲み込めたように思えました。

プロでも、いや、大リーグでも、滅多に観ることのできない、素晴らしい守備でした。捕球もさることながら、その打球判断と走りも、上等でした。

更に、7回表、先頭の長田選手が左中間奥に大きな打球を放ちます。3塁をも狙えるかと言う当たりでしたが、仲程選手は、球に追い付いた後、矢のような送球を返し、打者走者は、2塁を廻った所で、慌てて戻る状態でした。え、肩も強いやしぇ!「こんなに守備の良い選手が指名打者って、日本文理大学ってどれだけ凄いのよ?」筆者の足りないチブルを驚きと疑問が駆け回ります。

 3塁への迅速なカバーも含め、守備では抜群の輝きを見せた仲程選手でしたが、変則フォームの山根投手を打ちあぐみ、1打席めは結構良い当たりの遊直で、2打席めは三振。やしが5回、山根投手が急に制球を乱し、3連続四球で無死満塁。ここで東海大学北海道キャンパス、2番手の水野投手を投入。

DeNAに2位指名された水野投手は、130km後半の直球を投げ、先発の山根投手よりは速いものの、こちらは一般的な投球フォームですので、日本文理大学の選手諸君も、こっちの方が打ち易いのでは無いかね~?やしが、中々安打を放つことのできない日本文理大学。そんな中、仲程選手の第3打席は、1・2塁間に打球が飛び、期待したのですが、相手2塁手の好守備にて、1塁アウト。惜しい!でもさ~、明らかにタイミングは合って来よったってば。して、第4打席。仲程選手の打球は、中堅前にクリーンヒット!うぉっしゃ~!ついに出よった~!ここは盗塁にも期待したのですが、後続を絶たれてしまい、走塁を観ることはできませんでした。

 試合は、1-3で2点差で最終回に。先頭の代打乙津選手が3塁腺を破る2塁打で出塁すると、続く1番の犬塚選手が中堅越の2塁打で1点差。更に、2死2・3塁で、3番高橋選手が打席に。ここで、2名出塁し、同点で仲程選手がサヨナラ安打を放てば、さぞかし盛り上がると思ったのですが、なかなか筋書き通りには行かずに、遊撃ゴロを懸命に走った高橋が内野安打にしたものの、突っ込んだ3塁走者が本塁でアウトになり、2-3で惜しくも日本文理大学は敗退しました。やしが、守備でも打撃でも、「仲程ここにあり!」を満天下に示せた試合であったと思います。

神宮野球大会

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
東海北海1 0 1 0 0 1 0 0 0 3
日本文理0 0 0 0 1 0 0 0 1 2
(東) 山野,水野-廣辻
(日) 弘中,清松,古村,坂本-柏木

仲程選手に直撃インタビュー

 選手専用口で待っていると、赤いユニフォームを着た、背番号29の長身選手が現れました。ぬ.....ぬ~やが(何だ?)このかっちょ良い選手はよ!身長は180cmを優に越え、体重は公称85kgでありながら、恐らくはそのほとんどが筋肉であるであろう鋼のような締まった体。(筋肉は、脂肪に比べて、遥かに重いのです!)筆者の倍位あるであろうその長さの足は、あの駿足を産み出す原動力だハズ。

そして何よりも、その容姿!うちな~んちゅ~にありがちなシ~サ~ジラ~とは対極を成す、切れ長の涼しい目。

決して、細い訳では無い切れ長の目が、小さな顔に絶妙なバランスで配置され、今やインフレが進み、た~(誰)にでも「イケメン」等と表現する軽い表現では、到底伝えることのできない、正に美男子!昔、琉球歌人のウンナナビーが、「風の音も波の音も静まれ」と、国王を読んだ、そんな雰囲気をかもしだしています。

時の流れも、呼吸をすることも、しばし忘れてしまう、圧倒的なその容姿は、野球選手としても1流ですが、俳優になっても、きっと1流になれるハズ。筆者の撮影した写真で、仲程選手の容姿がどこまで伝えきれるか不安ですが、皆さん是非その目で、間近で、ウィナグ(女性)も、ウィキガ(男性)も応援してみてください。

 前置きが長くなりましたが、筆者が会った野球選手で、5本の指に入るその容姿を伝えずにはいられませんでした。なお、筆者の容姿もなかなかです。(ゆくし)

試合を振り返って

大平「いやぁ、惜しい試合でしたね。先発の山根投手は、変則フォームでしたから、面食らってしまいましたかね?」

仲程 「ですね。タイミングが取り難かったです。」

大平「『球が来ない』と言う感じでしたかね?第2打席は、速いタイミングで振ってしまっていたような。」

仲程 「でしたね。経験不足でした。」

大平「第3打席は、惜しい当たりでしたが、第4打席に期待をさせる当たりだったと思います。」

仲程 「ですね、ようやくオーソドックスな投手である水野投手が出て来たので、やってやろうと思いました。ですが、安打数や、積極性、確実性で、相手は相当高いレベルだったと思います。水野投手は、ドラフト指名されたので、対戦を皆楽しみにしていましたが、負けてしまいました。」

レギュラーとして

大平「先発選手の紹介の時、仲程選手が『知念高校』と紹介されましたが、球場のほとんど観客は、『どこか、それ?』状態だったと思います。変にザワついていました。」

仲程 「ですね。自分なんかの頃は、8強まで行ったのですが、所詮は県大会でそこそこ上位って言う所ですから、全国での知名度は低いでしょうね。」

大平「私の時代は、まぁ、今でもそうかも知れませんが、知念と言えば、野球では無く薙刀(なぎなた)が有名でしたからね。」

仲程 「あ、それ、今でもそうですよ。」

大平「伝統ですね。でも、日本文理大学は、九州の大学野球の雄として、全国から猛者た~が集まって来ている訳ですよね。そんな中で、有名とは言えない公立高校出身の仲程選手が、260名の部員の中でレギュラーの座が取れた秘密があれば、是非教えてください。」

仲程 「これはもう、単純です。圧倒的な練習です。260名の部員の誰にも負けない量と質の練習を続けて来たから、レギュラーが取れたと確信しています。」

大平「なるほど。でも、それ程凄まじい練習をしながらも、大きな怪我が無かったのは、適切な指導を受けていることと、持って産まれた体の柔軟性や丈夫さがあると思います。」

仲程 「ですね。色々な人に、物に感謝しています。」

大平「公立高校の野球部での練習と、強豪大学の練習では、当然違いがあると思いますが、そこいら辺の違和感や戸惑いはどうでしたか?私も、公立高校の野球部から大学でも硬式野球部に入ったのですが、なに分、驚く程弱い野球部でしたので、想像がつきません。」

仲程 「ん~、そこは、日本文理大学に進学を決めた時点から、色々と情報収集し、それに合わせた自主トレや、イメージトレーニングをしていまたので、何とかなりました。ただ、有名高校の野球部出身者が多いので、若干の焦りは感じていました。ですが、それを克服するのは、練習しか無いと思い、練習に力を入れました。」

大平「素晴らしい!とかく、環境のせいにしたりして、文句を言う人間が多い中、現状を理解し、自らの努力で克服すると。実力もさることながら、それを間近で見ていたら、260名の部員は皆、2年生レギュラーに納得していると思いますよ。」

仲程 「いえいえ。自分は未だ未だです。所で、大平さんも公立高校だったのですか?」

大平「はい。○○高校です。」

仲程 「おおっ!自分の父親も、○○高校出身ですよ。」

大平「うおおおおお!」

大分の食事

大平「日本文理大学は、多くのうちな~んちゅ~がいて、野球部にも多くいますから、結構心強いと思います。食べ物はどうですか?さすがに、大学の近くに沖縄料理の店は無いでしょうし、スーパーでも沖縄の食材は売っていないのでは?」

仲程 「そうですね。その通りです。でも、自分は好き嫌いは無いですし、食事では全く困っていません。まぁ、たまに沖縄そばを食べたいな~って思うことはありますが、我慢してから、年末年始に食べて、より一層沖縄そばの美味さを痛感しています。」

大平「好き嫌いが無いのは素晴らしい。きっと、ご両親の育て方の賜物と思います。丈夫な体も、それが大きな要素と思います。」

仲程 「食事は問題無いのですが、やっぱり沖縄と比べて内地は寒いですね。この前の冬は結構雪も降りましたから驚きました。九州でも、こんなに雪が振るのか、と。寒さの克服も、課題の1つですね。

再開を願って

大平「今回は惜しくも敗退してしまいましたが、仲程選手は未だ2年生ですから、来年も再来年も、東京ドームや神宮に来てくれることを期待しています。」

仲程 「ですね。ただ、九州地区は、他の地区もそうでしょうけど、実力伯仲の強豪大学が揃っていますから、より一層気を引き締めて頑張ります。他の選手も頑張っているし、これからも頑張ると思いますが、自分はそれ以上に頑張って練習します。」

大平「全国大会にまた来る時は、また取材させてくださいね。待ってます。」

 試合に負けた直後で、気分は落ち込んでいたと思いますが、礼儀正しく対応してくださった仲程選手。心技体に加え、容姿も秀でた素晴らしい選手でした。今回は叶いませんでしたが、次回は是非、勝利後のインタビューを行いたいと思います。チバリヨ~、隆浩!

Profile

仲程 隆浩 (なかほど たかひろ)

1996年生まれ 186cm 85kg 知念→日本文理
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