美来工科と沖縄尚学の2強を他のライバルたちが追う秋
第66回沖縄県高校野球秋季大会の展望
2016-09-15
Aブロック
新人中央大会初優勝した美来工科が頭一つ抜ける。その美来工科を始め新人中央大会へ進んだのは名護と宮古総実。
美来工科は打率5割を越える古謝や勝負強い山内慧を筆頭に強力打線のチームに仕上がった。守りにおいても、要である神山を中心として隙が無い。
名護は興南打線を8回まで2失点に封じた仲宗根が柱。本塁打を放った4番仲間を中心とした、ソツの無い打線も魅力。
この2校が勝ち上がれば3回戦で顔を合わせるが、南部工や豊見城南も近年力を付けており美来工科、名護と言えども楽観視は出来ないだろう。
新人中央大会初出場ながら、初戦で二桁得点を挙げてベスト8へ進んだ宮古総実も面白い。高校工業野球大会で自信を掴んだ沖縄工や、前チームから主力を務める選手が多い首里東らの戦いぶりも楽しみだ。
そして打倒美来工科の筆頭に挙げられるのがKBC学園未来沖縄。一年生からスタートし各校の先輩方とぶつかってきたチームだけに、周りが同級生となるこの秋は見もの。主砲神谷優の打撃は一見の価値ありだ。
Bブロック
新人中央大会へ出場したのは宜野座と美里工、那覇の3校。
宜野座は首里戦で登板した垣花と宮古総実戦での大兼久の2枚看板を筆頭に、前チーム同様固い守りから攻撃のリズムを掴む。美里工は中軸を担う伊佐を中心に、チームカラーである打撃力に秀でる。
那覇は、前チームからの主力である宜保と崎原が打線を牽引。投手陣も東江に計算が立つが、美里工、那覇の相手は予断を許さない糸満、具志川。
さらにこのブロックには那覇商、浦添、前原、北山と有力校が揃う。新人中央大会を逃した宮古のリベンジにも注目だ。
Cブロック
この世代ナンバーワンとなる選手層の暑さを誇る沖縄尚学が頭一つ抜ける。河野と與座のダブルエースに課題が見えるものの、それを補って余りある破壊力抜群の打線に、相手投手は恐怖さえ覚えるだろう。安里大、知念大、砂川リチャードの上位は失投を逃さない。
同じく新人中央大会に出場した知念は、八重山との試合で二桁安打6得点を挙げた打線の爆発力で上位進出を狙う。エース大城が宜野座カーブをどこまでモノにしているかも楽しみ。
宜野湾は美来工科との試合で4回まで互角に渡り合った。
その他、実績を踏んできた選手が多い本部と名護商工の北部勢に、コザ、読谷、与勝の中部勢と力のあるチームが揃った。
その中でも一番の好カードである浦添商と沖縄水産は、最後まで目が離せない好ゲームが期待される。古豪復活を託された名将上原忠監督の手腕にも注目だ。
Dブロック
シード八重山に勝るとも劣らない力を持つと思われるチームは次の9校にものぼる。
西原、興南、中部商、石川、小禄、豊見城、首里、八重山商工、嘉手納がそう。
ノーシードで挑む名門興南は柱となる投手が出ていないのが不安。前チームからの主力上原麗や、一年生中央大会準V左腕の川満らがその不安を一掃出来るか!?
新人中央大会ベスト8の石川と、夏ベスト4入りした前チームからエースを務める上原悠や斬り込み隊長の大城旭率いる小禄の一戦は好カード。
石川は、勝てば公式戦初のタイブレークを戦った豊見城との再戦。その豊見城はエース金城良の出来がカギを握る。
宜野座と接戦を演じた古豪首里も上位候補。八重山商工は部員9人とギリギリながら、美来工科や沖縄尚学の選手と比べても遜色無い輝きを放つ平良海に注目。
甲子園を経験した比嘉花、新垣和、村濱ら嘉手納打線との夏の再戦も見ものだ。