高校球児たちの熱い夏が今年もいよいよ開幕!

第98回全国高等学校野球選手権沖縄大会の展望

2016-06-15

夏の甲子園をかけた、第98回全国高等学校野球選手権沖縄大会が6月18日から7月17日までの1ヶ月の日程で開催される。その注目の抽選会が6月7日、北中城公民館にて行われた。シード校は、糸満、豊見城、沖縄尚学、美来工科の4校。抽選番号1,2,3番に糸満、八重山商工、そして八重山が連なり、序盤から強豪校が星のつぶし合いを演じる組み合わせとなった。各ブロックの行方を探ってみた。

Aブロック

 会場がどよめいた!抽選番号1番の第一シード糸満の隣の山に、何と商業大会優勝で秋8強の八重山商工と、新人中央大会、秋季県大会を制覇した八重山が入ったのだ。

春季県大会優勝で九州地区高校野球大会ベスト4の糸満には、平安常輝と大城翔太郎と投打の柱が健在。名将上原忠監督が沖縄水産へ異動したが、八重山商工から赴任してきた真玉橋治先生が新監督として指揮を揮っての九州大会4強。部長時代を過ごした教え子たちとの一戦が見られるか!?

しかし、それに待ったを掛けるのが八重山だ。黒島投真を中心としたチームワークは抜群。春の県大会こそ悔しい敗退を喫してしまったが、その黒星がさらに彼らの能力を高めるきっかけとなっていることだろう。春の優勝校と秋の優勝校が夏にぶつかるのは、2012年の第94回大会の準決勝(秋V糸満-春V沖尚。このときは沖尚が8-2で勝利)以来となるが、果たして実現するのだろうか!?

 さらにさらに!このブロックには昨年度の大会優勝校であり、秋準優勝の興南が入った。

秋と春は、さすがに疲れが見えた浮沈艦エース比屋根雅也の復活具合が全てを握る興南だが、打線も上門洸輝主将を中心に、具志堅大輝、宮里大湖らが夏に上げてくることが予想される。

相手も気が抜けない古豪首里とあって、こちらも注目カードのひとつだ。そして秋4強、春8強の嘉手納は、選手1人1人の質の高さがウリ。強力な打線に重盗など足を絡めた攻撃も他校の脅威となる。

ソツの無い野球にパワーをつけてきた本部や、秋の県大会で興南と1点差ゲームを演じた豊見城南も力を有する。以上の8校のうち、どこが勝ち上がってきても何ら不思議ではない死のブロックがこのAブロックだ!

Bブロック

 春の県大会で4位に入ったシードの美来工科。粘り強いピッチングを身上とするエース仲宗根登夢を中心に固い守りで何度も接戦をものにしてきた。武内由伸、砂川魁、田崎憲吾の上位打線は迫力がある。

前身である中部工業(1979年優勝)以来となる聖地への視野も現実味を帯びてきた。だが、その美来工科に待ったを掛けそうなのが前原だ。

秋春連続ベスト8の実力もさるものながら、山根蓮太と平良竜哉という柱が心強い。春の準々決勝でぶつかった両者の再戦は、一瞬たりとも目を離せない名勝負となるだろう。

さらに、秋の大会で豊見城を破った那覇と、春の大会で美来工科に1点差の惜敗を喫した名護もこちらに入った。沖縄水産と延長15回再試合ゲームを演じた那覇西に、嘉手納や美里工らと互角のチーム力を持つコザも侮れない。

そして読谷と宜野湾もこのブロックに入った。春の大会で戦った因縁めいたチーム同士の再戦、というのがこのブロックのテーマとなるかもしれない。

Cブロック

 9年振りの春準優勝で意気上がる豊見城。エース、4番、そして主将と一人三役を務める大黒柱が翁長宏和。だが彼一人のチームであったなら、決してここまで来れなかっただろう。

女房役の平田怜之輔、春の県大会で2本塁打をマークした清水喜大、内野の要・嶺井友貴らが側をしっかりと固めているからこその成績だ。且つ春の準決勝、そして決勝戦と、接戦を前にしても全く動じない精神力の強さも身につけた。

ストップ・ザ・豊見城に近いのは次の6校か。部員数100名を超える南部の雄知念に、秋の大会4強の那覇商、商業大会準優勝の浦添商、打線が活発な宮古総実の4チームに加え、ともに好投手を擁する小禄と与勝の1回戦カードがそれだ。とはいえ、このブロックは他と比べると、やはり豊見城が一歩リードしている感が強い。

奇しくも故・栽監督(小禄、豊見城、沖縄水産で指揮)の映画が公開されたこの年に、1978年以来となるTOMISHIROのユニフォームが聖地への帰還を果たすのか!?それともライバルたちがひと泡吹かせるのか!?

Dブロック

 春の県大会3位の沖縄尚学がシード。昨年もこの位置から準決勝へ進出し、興南をあわやというところまで追いつめたのは記憶に新しい。

当然今回のチームもそれだけ力を増し加えてきているのが予想される。

ヒットメーカー安里大心に、副主将知念大河、仲西莉音、砂川リチャードの打線は県内随一。そんな強力打線でも、一抹の不安があったのが打点不足。その解消のキーマンとなりそうなのが上原光貴。

勝負強さはチーム一を誇る右の好打者が活躍すれば、おのずと2年振りの夏の頂点が見えてくる。そんなこのDブロックには、1回戦屈指の好カードがズラリと並んだ。

秋8強同士の中部商と宜野座、那覇南・南部地区優勝の未来(KBC学園)と秋16強の西原、そして新人中央大会で延長14回の激闘を繰り広げた石川と、中部地区高校野球選手権優勝の美里工がそれだ。

この世代3本指に入る素質のタイシンガー・ブランドン大河を、制球力抜群の辺士名海がどう抑えるか。さらにもうひとつ。

浦添の上原正昭監督と、県内初の元プロ野球選手による高校野球の監督となった普天間の指揮を執る新里紹也氏は、ともに沖縄水産の出身。栽氏の血統を引き継ぐ勝利者はどちらになるのか!?その沖縄水産(春8強)もこのブロックだ。(當山)

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