来年4月創部に向け、部員募集

沖縄カトリック高校、硬式野球部設立へ

2016-08-15

宜野湾市にある沖縄カトリック高校に、来年4月から硬式野球部が設立される。監督を務めるのは、故・栽弘義監督率いる豊見城高校で3度の甲子園出場の経験を持つ岸本幸彦さん。

高校2年の春は、控えメンバーで、ベスト8。準々決勝で原辰徳(元巨人監督)らを擁する東海大相模に9回二死走者無しからの逆転サヨナラ負け。

今も語り継がれる試合をベンチから目の当たりにした。主将となった3年時は、赤嶺賢勇投手(元巨人)らと共に春、夏連続で甲子園に出場。

秋の九州大会で準優勝を果たし、翌センバツに出場。センバツでは、一回戦で土佐(高知県)に3対2で敗れたが、夏の大会では、初戦で鹿児島実業を下し、続く三回戦では春の準優勝校の小山(栃木県)を打ち破りベスト8へ進出。準々決勝の相手は石川県の星稜。

150キロ右腕の小松投手(元中日)と対戦、敗れたものの、それまで弱いと言われた沖縄の高校野球のイメージを一変させた。

甲子園に3度出場した岸本さんは、高校野球の指導者を目指し、大阪体育大学へ進学(後に上原浩治=大リーグオリオールズを始め、プロ野球選手を輩出する野球部)。

大学では、最優秀新人賞も受賞。そして、学生時代には、滋賀県の石山高校で野球部監督を2年間務めた経歴も持つ。卒業後、沖縄に戻るも、高校野球監督の夢を叶えることができず、中学校で補充講師を務めた後は、琉球銀行健康保険組合入社を経て、沖縄尚学高校事務局で今年3月まで勤務。

沖縄尚学高校では、甲子園のアルプススタンドで応援する機会も多く、そこで湧き起ったのは、かつて抱いた高校野球指導者への夢。大学野球部の同級生たちも高校野球の指導者への道へ進んだ者も少なくなく、ついつい自分と比べてしまう日々だった。

そんな岸本さんだったが、高校野球の指導者の夢を捨てきれず、機会があれば、県内外の高校野球部の練習を見学するなど、野球の勉強を続けてきた。

そして、意を決し、高校野球指導者の道を探ったところ、受け入れてもらったのが、沖縄カトリック高校。今年4月から教師として席を置き、来年4月の創部へと準備を進めている。

岸本さんが甲子園に出場したのは40年も前。当然のことながら、練習方法や野球に関する常識も変わってきている。今、強い味方となるのは、現在、母校の大阪体育大の監督を務める同級生。

新しい練習方法やトレーニング方法のノウハウを伝授してもらいながら、創部後は臨時コーチとして、沖縄にも来てもらう予定だ。

岸本さんの、これからの指導方針の根底にあるのは、故・栽弘義監督と過ごした3年間。張りつめた緊張感の中での練習。最新の練習方法を取り入れながらも、あの40年前の空気がピンと張った練習を再現させたいと考えている。

そして、もう一つは、選手との対話を重視すること。かつて、沖縄高校野球界に小禄、南風原で九州大会へ3度出場した国吉真介氏という指導者がおり、国吉氏のミーティングの素晴らしさを教え子たちから耳にした。その、部員を包み込むような監督の言葉、それを自身が体現したいと考えている。

沖縄カトリック高校では、現在、野球が好きで、来年、高校進学を目指す中学3年生を対象に野球部員を募集している。部員数の予定は、1学年15名から20名。

岸本さんの思いの中には、高校3年間一生懸命に練習に頑張った部員は最上級生時に全員をベンチ入りさせ試合に臨みたいという気持ちがある。それと同時に、来年4月に入学する部員は、1年生の夏の大会から試合に出場できることから、多くの経験をつむチャンスがある。他の高校では経験できない機会が準備されている。

もう一つ、岸本さんが描く沖縄カトリック高校野球部は、中学生の頃にスタメンメンバーを外れた部員や地区予選の一回戦などで敗れた学校の部員など、中学野球で悔しい経験をした選手に来てほしいほしいということ。

そして、栽監督直伝の厳しい練習で、県内のエリートチームに勝って甲子園を目指したいと思いがある。例え甲子園に行けなくても「野球」というスポーツを通じ、社会人としてのマナーや精神力、忍耐力を身に付けることのできる練習の場をつくりたいと考える。

沖縄カトリック高校は、県内外の国公立、有名私立大学への進学実績を持つ高校。野球のみでなく、学力の指導もあわせて行う方針だ。

来年4月の創部に向け、新たな歴史を作る生徒を募集している。野球が大好きな中学生、中学時代は控えだったけど高校でも一生懸命に野球をやりたいと思っている中学生、問い合わせてみてください。

問合せ先:沖縄カトリック高校 岸本監督 098-897-3300。携帯090-1940-2294。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

野球関連ニュース:来年4月創部に向け、部員募集 トップに戻る