山田選手が3年前から愛用

ヤクルトスワローズ山田哲人選手が使うグラブ「Donaiya(ドナイヤ)」

2016-03-15

昨シーズンは、トリブルスリー(3割、30本、30盗塁)を達成し、今季は初のゴールデングラブ賞を取ることを目指すヤクルトの山田哲人選手が、社員1人のグラブメーカー「Donaiya(ドナイヤ)」(東大阪市)とアドバイザリー契約を結んだ。通常は、プロ野球選手の要望を聞き、特注品を提供するのだが、山田選手が使用するのは、市販されている既製品。山田選手は2013年からドナイヤのグラブを自費で購入して使用していた。ドナイヤは、村田裕信社長が、大手スポーツメーカーの開発担当などを経て「中学生や高校生の子にもプロといっしょのグラブを使わせてあげたい」という思いで、2010年9月に誕生させた。

プロが使うグラブを使ってほしい

ドナイヤのグラブに使用している牛革は、元ヤクルトの宮本慎也氏も現役時代に使用していた革。

大手のメーカーではプロ選手に提供するグラブにしか使用しない素革を使用し、最高品質のグラブを既製品として販売している。

ドナイヤではプロ野球選手にも無償提供をしていないが、個人的に購入している選手も多い。県出身のヤクルト比屋根渉選手もその一人。

昨年の後半からは、試合でもドナイヤのグラブを使っている。クライマックスシリーズ、日本シリーズでも左手にドナイヤのグラブをはめて出場した。

大手のメーカーでは、〇〇モデルとして販売はされているが、それと全く同じものを選手が試合で使っているかというと、革も全然違うし、型も違ている。

しかし、山田選手も比屋根選手も使用しているのは、店頭で販売されているグラブ。

つまり、プロ野球選手が実際に試合で使っているグローブと全く同じものを、中・高校生や一般の人が使えるというわけだ。

硬式グラブだけでなく軟式グラブも外の革はプロ仕様。プロ野球選手の使っているグラブというコンセプトで最初に硬式用を製作したので、軟式用もおのずとハイレベルなオンリーワン商品となった。

宮本慎也氏が褒める高品質

現在、山田選手が使用している「DJIM」というモデルができたときに、宮本慎也氏にみてもらうとニコっと笑い「まあまあ」だなと言ってくれた。

村田社長は、サラリーマン時代に宮本氏から10年あまりにわたりグラブについて教えてもらったが、新しいグラブを持っていくたびにダメ出しをされ続けていた。

それが、初めて褒めてくれた。名手宮本氏に初めて褒めてもらったグラブの特徴は、プロが気にする受球面の親指、小指のハラの部分にできるシワが無いこと、そして手のひらに吸い付くようなフィット感、つややかな革質。

素革なので革本来の香りがすることから、プロ野球のコーチや選手も村田社長の顔を見ると「匂いをかがせてくれ」と寄って来る。硬式グラブの製造は国内の工場に委託し、全てのグラブにプロ品質の素革を使用するため、少量生産で行っている。また、工場で生産されたグラブは全て、村田社長自らが手にはめ検品を行っている。

ユニークなネーミング

「ドナイヤ」。名付け親は同社の製品開発にも携わった現楽天コーチの池山隆寛氏。

当初の予定は「ドリームエージェント」、マークはDの大文字とAの小文字を組み合わせた。

マークは商標をとるのに1年ほどかかるので先に申請。商標登録もおり、いざ会社を立ち上げて「ドリームエージェント」という社名にしようとすると、使用できないことが判明。

知人、友人にDとAを使ったネーミングをいろいろと提案してもらい、その中から20個ほどを選び申請した。

ダイヤモンドオールスターやドリームエースなどに交えて池山氏の提案した「ドナイヤ」は20番目の候補だった。

すると想定外に池山氏の案以外は全て使用できず、「ドナイヤ」だけが残った。

「弁理士さんは、大阪っぽいし、何よりインパクトがあるのでいいじゃないですかと言う。それで行こうとなって。今では、僕と会った人は皆ドナイヤで良かったねって言ってくれます(笑)」。

問合せ スポーツTAKE1 TEL098-851-4165 豊見城市根差部396-1

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