火花を散らしあったあの18年前に、まるでタイムスリップしたかのようだった。

第1回S54沖縄高校球児大同窓会

2015-02-14

合言葉はエスゴーヨン!昭和54年生まれの、永遠の野球小僧たちが西原マリンパークへ集結。当時、各高校に分かれて真剣勝負を繰り広げたあの時を超えて、もう一度集った仲間たちが、野球を通した友情を分かち合った。

第79回全国高校野球選手権大会でベスト4入りした浦添商業高校(以下浦添商)と、秋季県大会と最後の夏となる選手権沖縄県大会の決勝で浦添商の前に立ちはだかった沖縄水産高校(同沖縄水産)の二強を筆頭に、中部商業高校(同中部商)、那覇商業高校(同那覇商)などなど。沖縄県高校野球の聖地であった奥武山公園野球場をわかせたレジェンドたちが時を超えて集まった。

昭和54~55年生まれの同級生たちがこの2015年に年男となることを機会に、大好きな野球で繋がるメンバーと同窓会を開き懇親を深めたいと、小渡匠(豊見城南高校)と松田長作(那覇商)が中心となり、SNSを通じて声掛けを開始。北は前原高校から南は沖縄水産まで、総勢14校述べ40人が一同に集まった。

試合に先駆け、宇榮原宗人(知念高校、以下知念)と、兼元勇太(那覇商)がキャプテンとなりチーム分けを開始。殆どの選手が軟式野球チームに所属しており、まだまだ体が動くこととあって練習から真剣な表情が伺えた。

試合は初回、チーム宇榮原が死球と安打、そしてエラーを誘い無死満塁といきなりの大チャンスを得る。だが、このピンチでエンジンに火が入った喜瀬亮治(沖縄水産)が、後続を三振や内野フライなどに斬り得点を許さない。対するチーム兼元の先発石川拓人(那覇商)も、要所を締めるピッチングを披露し、両軍のスコアボードにはゼロが並んだ。

その緊迫した試合が動いたのは5回。下地康之(浦添商)の出塁を機に、トップに座る主将宇榮原のバットが火を噴く。ライトの頭上を軽々と越えていった打球は、あわやランニングホームランかと思われたが、急遽決められたグランドルール適用で二塁打に(笑)。二・三塁となったが、続く町田智彦(知念)が、真ん中高めを捉えてセンター前に運ぶタイムリーを放ち先制した。だが追うチーム兼元もその裏、小渡が外のストレートをセンター前へと弾き返して同点に追い付く。 その後は、両軍のショートを務めた稲嶺孝幸(沖縄水産)と當間重盛(小禄高校)の好プレーが出るなど締まったゲームへと戻り、このまま引き分けかとも思われた7回表に、この日一番の見せ場が待っていた。

DANTO(A級)でも活躍した金城智之(浦添工業高校)が、真ん中高めに入った甘い球を逃すはずが無かった。「(センターの頭を)越える!行けると思った」という、会心の当たりで悠々と生還。その貴重なランニングホームランの1点を守り抜いたサウスポー宮城英俊(中部商)が、最後の打者を投ゴロに抑えて自らベースを踏み勝利を手に入れた。 「我々は社会的に中核の仲間入りをするところ。ここで得た横の繋がりが、個々の仕事に必ず活きる」とは小渡氏。将来、少年野球への寄付や社会への還元を目標としてこの活動を続けていくと松田氏は語った。

合言葉はエスゴーヨン。その崇高な思いと永遠に続く友情に応えるかのように、突き抜ける青い空が彼らを暖かく、最後まで見守り祝福していたこの日でもあった。

第1回S54沖縄高校球児大同窓会

 1 2 3 4 5 6 7 8
Team Uehara0 0 0 0 1 0 1 0 2
Team Kanemoto0 0 0 0 1 0 0 0 1
(Team U) 石川、宮城-澤岻、下地
(Team K) 喜瀬、儀間、兼元、上原-喜舎場、兼元
本塁打 : 金城(U)
ニ塁打 : 加藤、宇榮原(以上U)、喜瀬、當間、喜舎場(以上K)

エスコーヨン沖縄高校球児大同窓会 参加名簿

祖根 覚前原
喜舎場 睦博中部工業
宮里 連中部商業
宮城 英俊中部商業
佐久川 洋二浦添商業
下地 康之浦添商業
澤岻 学浦添商業
金城 智之浦添工業
砂川 惠一郎昭和薬科大附属
赤嶺 裕之首里東
池原 正人首里東
島袋 裕首里東
玉城 正人首里東
仲宗根 智首里東
久高 友泰首里
石川 拓人那覇商業
上原 孝紀那覇商業
兼元 勇太那覇商業
儀間 和也那覇商業
具志 和雅那覇商業
高志保 圭那覇商業
松田 長作那覇商業
當間 重盛小禄
新垣 大宣豊見城
加藤 良豊見城
佐藤 弘明豊見城
比嘉 司豊見城
照屋 浩輝豊見城
島袋 全康豊見城
小渡 匠豊見城南
金城 一行豊見城南
金城 憲啓豊見城南
宇榮原 宗人知念
町田 智彦知念
稲嶺 孝幸沖縄水産
喜瀬 亮治沖縄水産
田島 朝日沖縄水産
富田 朝也沖縄水産
名嘉 三成沖縄水産
屋嘉比 祐史沖縄水産
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