セルラースタジアムで6月21日より、―第27代沖縄縣知事・島田叡氏―パネル展を開催

島田叡氏(戦中最後の沖縄県知事)顕彰碑、奥武山に建立

2015-06-01

セルラースタジアム野球資料館には常設展示コーナーも設置

沖縄・兵庫友愛スポーツセンター跡地に顕彰碑を建立

沖縄戦中に最後の沖縄県知事を務めた島田叡氏の功績を称える事跡顕彰碑の除幕式が6月26日(氏が消息を断ったとされる日)、沖縄の野球の聖地ともいえる奥武山の地で執り行われる。

島田 叡(あきら) 氏は、沖縄がまさに激戦地になること必死の状況下の1945年1月に死を覚悟で沖縄県知事に就任。

6月に糸満市摩文仁で消息を絶つまでの5ケ月間、苦難な戦況化で、住民を守るため、県外への疎開業務や台湾からの食料の確保に尽力し、多くの県民の命を救った。

その島田氏の足跡を残し感謝の気持ちを伝えようと県内の野球関係者らによる「島田叡氏事跡顕彰期成会」が設立されたのが一昨年の11月のことだった。

島田氏は野球殿堂博物館(東京ドーム)に、戦没野球人の一人としてその名が刻まれているほどの野球人。

旧制第二神戸中学校(現・県立兵庫高校)、第三高等学校(現・京都大学教養部)、東京帝国大学(現・東京大学)では野球部に所属し「俊足、強肩、巧打の花形選手」として活躍したことが知られている。

また、1964年には、島田氏の兵庫県の母校の島田叡氏事跡顕彰会からトロフィー「島田杯」が贈られ、現在は県高校野球の新人中央大会で優勝した学校にトロフィー「島田杯」が授与されている。

沖縄県野球連盟や県高校野球連盟を始めとする各野球団体など、県内の野球関係者が中心となって発足した「島田叡氏事跡顕彰期成会」では、沖縄の野球の聖地ともいえる奥武山に顕彰碑を設置することや、野球資料館内への「島田コーナー」の設置、多目的グラウンドを島田氏にちなんだ名前にすることなどを目指して、署名活動や募金活動を行ってきた。

そして、多くの賛同を得て集まった寄付金と県からの補助金を得て氏の没後70年にあたる今年、顕彰碑の建立が実現の運びとなった。

顕彰碑は、奥武山運動公園内、モノレール奥武山駅近くにある「沖縄・兵庫友愛スポーツセンター跡地碑」の近くに建立される。

その他にも島田叡氏事跡顕彰事業の一環として、現在、モノレール奥武山駅の横にある多目的広場の名称も「沖縄・兵庫友愛記念グランド」と命名され名表碑が建立されるほか、沖縄セルラースタジアム那覇にある野球資料館には常設の「島田叡展示コーナー」が設けられる。

またプレイベントとして沖縄セルラースタジアム那覇の玄関ホールでは6月22日~30日まで、「―第27代沖縄縣知事・島田叡氏―パネル展」が開催される。

事跡顕彰碑・建立の碑文

 一九四五年一月、風雲急を告げる沖縄に島田叡(あきら)は、大阪府内政部長から第二十七代県知事として赴任した。

その頃の沖縄は、前年の「十・十空襲」の被災につづき、住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦が始まろうとする直前でした。それは死を賭した「決断」の着任でした。

 以来、五か月に及ぶ苦難な戦下の沖縄で県政を先導し、献身的にしかも県民の立場で疎開業務や食糧確保につとめ、多くの県民の命を救いました。

 最後の官選知事・島田叡は、沖縄戦で覚悟の最後を遂げ、摩文仁の「島守の塔」に荒井退造警察部長をはじめとする旧県庁殉職職員(四六九柱)とともに祀られてします。沖縄県民からいまも「沖縄の島守」として慕われている所以です。

享年四十三歳(兵庫県神戸市須磨区出身)。

 また島田叡は、高校、大学野球でフェアプレーに徹した名選手でありました。

野球をこよなく愛し、すべてに全力を傾けるそのスポーツ精神は、県政の運営にも通底しつながっていたと思われます。

一九六四年に、故郷・兵庫県の「島田叡氏事跡顕彰会」から沖縄へ「島田杯」が贈られました。

そのことが高校球児に甲子園への夢を育み、大きな励みになりました。

一九七二年、「本土復帰」の年に兵庫と沖縄両県は友愛連携を結び、兵庫県民からの寄贈「沖縄・兵庫友愛スポーツセンター」をはじめとするさまざまな交流事業を展開してきました。

 この島田叡知事のご縁でもたらされた兵庫・沖縄両県のこれまでの交流の歴史と絆は、私たち県民の誇りです。

島田叡知事の心を表す「友愛の架け橋」は、これまでも、これからも沖縄県民に引き継がれ、次世代を担う若者たちにとって大きな宝になるものと信じます。

 ここ沖縄県野球の聖地・奥武山にこの碑を建立し、県民のための県政を貫き、県民とともに歩み、沖縄の地に眠る島田叡氏の事跡を顕彰すると同時に、併せて世界の恒久平和を心より祈念します。

二○一五年六月吉日
島田叡氏事跡顕彰期成会
会長 嘉数 昇明
―第27代沖縄縣知事・島田叡氏―パネル展
日時;平成27年6月21日~26日
    午前10時30分~午後4時30分
場所:沖縄セルラースタジアム那覇・玄関ホール
  〇―わずか五か月足らずの在任期間―沖縄縣知事・島田叡氏の事跡
  〇―摩文仁丘の巌に立ちし島守のかみー「島守の塔」の建立
  〇―全力を傾けベストを尽くすスポーツ精神―野球人・島田叡の球魂
  〇―島田叡氏を縁とする深い絆―兵庫・沖縄友愛連携の絆
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