沖縄電力 VS 明治大学

オープン戦観戦記

2015-03-14

沖縄電力 VS 明治大学

プロ野球の沖縄キャンプが終了して3月に入ると、県内各地に社会人や大学のチームがキャンプのため訪れています。練習試合も多く組まれていて、3月3日、沖縄セルラースタジアム那覇へ沖縄電力対明治大学の練習試合を観戦してきました。雨が降るという天気予報のため13時開始予定が30分繰り上がり、最後まで観られるかなと少し心配な面持ちでしたが、試合終了まで青空が踏ん張ってくれて無事観戦できました。

明治大学の上原投手が登板。沖電打線も後半、意地をみせた。

明治大学には、今秋のドラフト候補にも挙がっている県出身の左腕・上原健太投手(あげな中―広陵高)がいます。上原が投げる姿を期待して球場へ。すると、上原投手が先発のマウンドに上がりました。バックネット裏を見るとプロ野球のスカウトがずらり。スカウトも注視する中、上原は初回、沖縄電力の先頭打者宮國(宮古高)を三振に打ち取ると、三者凡退に切ってとる見事な立ち上がりをみせました。一方の沖縄電力は、左腕の伊波伸彰(中部商高)がマウンドへ。しかし伊波は普段のキレがなく、2回裏、明治大学に長打とタイムリーを打たれ先制を許してしまいます。しかし、この回のキャッチャーの山川(興南高)が守りで魅せてくれました。2塁へ矢のようなストライク送球で、2者連続で盗塁を阻止。ピンチが広がるのを防ぎました。ところが沖電は3回裏にまたもやピンチ。いきなり先頭の1番小倉(岡山・関西高)にライト前に運ばれます。続く2番高山(日大三高)の当たりもライト前へ。これはライトの渡慶次が頭から飛び込み好捕しましたが、3番石井(履正社高)にこの日2本目のヒットを打たれ一死一、二塁に。そして二人の走者を置いて迎えた4番菅野(東海大相模高)にバックスリーン横に痛恨の一打を浴びてしまいました。171cmと小柄ながら2年から4番に座るだけあって逆風をものともしない一打、この当たりには驚きました。東海大相模出身の菅野、同じく相模出身の巨人菅野とは全く縁戚は関係ないそうです。伊波は、4回以降は6回まで、明治の攻撃をなんとか凌ぎ0点に抑えましたが、いつもに比べて調子は良くなかったようです。

 明治の上原は6回まで沖電を2安打に抑える完璧なピッチング。球速は140kmとMAXの151kmと聞いていただけに少しもの足りなさ感じましたが、カーブやチェンジアップなど変化球を織り交ぜた丁寧なピッチングで沖電打線に的を絞らせない感じでした。それでも、なんとか社会人の意地をみせて試合を盛り上げてほしいなと思っていると沖電打線が7回表、ついに反撃開始。先頭の3番照屋(宜野座高―浜松大)がレフト前にチーム3本目のヒットを放つと4番大城(中部商高-国士舘大)、5番田場(前原高)も続きクリーンアップが3連打。田場は上原から2本目のヒット。主砲の狩俣達也(沖縄水産)が出ていない中で、田場はやっぱり頼りになるなと勝手に感心していました。沖電は無死満塁として、この日一番のチャンスを迎えました。マウンド上の上原は疲れがみえてきたのか、続く6番平良(糸満高)に押し出しの四球を与えてしまいました。そして7番渡慶次(名護高)。都市対抗九州予選の第三代表決定戦で同点本塁打を放った選手。渡慶次は追い込まれたあと、バットを折られながらもレフト前に2点タイムリー。一発ではなかったですが、しぶとい勝負強さをみせてくれました。そして、なおも無死一、二塁という場面でしたが、上原が後続を三振、三振、二ゴロと抑え、沖電は同点に追い付けませんでした。7回を投げた上原はここでマウンドを降りました。7回を投げ、6安打3失点7奪三振でした。 1点を追いかける沖電は最終回、ヒットと二つの四死球で満塁のチャンスを築き、打席には2番金城(八重山商工高)。甲子園で左右の打席で本塁打を放った映像が記憶に残っています。この日は左腕の上原に対して右打席で3打席凡退。投手が右に代わり初めて左打席に入りました。その打席で暴投があり同点となったあと、とうとう金城のバットが火を噴きました。金城が放った打球はライナーで右中間を真っ二つ、2点タイムリー三塁打。やっと出た一打に金城も三塁ベース上でほっとした様子を見せました。沖電の投手陣は、7回から2イニングを投げた左腕池間(中部商高)が小気味好い投球で一人の走者も許さず無失点、最後に登板した狩俣穏(宮古高―沖縄国際大)もきっちり抑えました。明治は野球有名高出身者がメンバーに名を連ねていましたが、沖縄電力が社会人の面目躍如といったところでした。沖縄電力は4月に行なわれるJABA四国大会に出場します。この大会で優勝すると日本選手権への出場権を得ることができます。是非、初優勝の朗報を聞かせてほしいものです。

明治大学は沖縄で初のキャンプ。東京六大学では早稲田(浦添)、法政(嘉手納)、慶応(石垣)も沖縄でキャンプを行なっています。東大も2月にバッテリー組が沖縄合宿(石嶺球場)を行ないました。東京六大学以外にも富士大、東海大、東農大オホーツク、社会人ではHONDA鈴鹿 三菱重工長崎 NTT東日本なども沖縄でキャンプを張っています。プロ野球のキャンプのあともレベルの高い野球が見られるのは嬉しいですね。

オープン戦(3月3日:セルラースタジアム那覇)

 1 2 3 4 5 6 7 8 9
沖縄電力0 0 0 0 0 0 3 0 3 6
明治大学0 1 3 0 0 0 0 0 0 4
(沖) 伊波伸、池間、狩俣穏-山川、宮里
(明) 上原、星、島田-坂本
本塁打 : 菅野(明)
三塁打 : 金城(沖)
ニ塁打 : 石井(明)
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