都市対抗野球、沖電の初戦の相手はホンダ鈴鹿

都市対抗野球大会

2014-07-11

7月18日より東京ドームで開催される第85回都市対抗野球大会。大会は、前回優勝チームとして推薦出場するJX-ENEOS野球部と、全国各地区の予選を勝ち抜いた33チームによるトーナメント方式で行われる。2年連続4回目の出場となる沖縄電力は、大会4日目の21日第3試合(18時試合開始)で、ホンダ鈴鹿(鈴鹿市)と対戦する。また、県出身の玉城誠監督が率いるHonda熊本は23日第2試合(14時開始)に三菱日立パワーシステム横浜(横浜市)と対戦する。

沖縄県勢、初勝利を目指す

昨年、4年ぶりの出場を果たした沖縄電力は初戦でJR北海道(札幌市)と対戦。JRの好投手・戸田に打線が3安打と封じられ完封負けを喫しってしまった。再び都市対抗に出場し勝利を目指す沖縄電力は打力の向上を課題にあげ、ウェートトレーニングを重視、体感強化を図った。その結果、長打力もアップし、九州予選ではその成果をみせることができた。小川勝司監督は「今回は2年連続の出場なので、大会へ向けての調整も流れを分かった上で昨年の経験が活かされている。選手たちも九州予選の疲労がとれて、動きも良い。九州予選から個々が気持ち的に保たれていて雰囲気もいい」と順調に調整ぶりを語った。

初戦の相手は、5年ぶり20回目の出場を決めたホンダ鈴鹿(鈴鹿市)。都市対抗野球で優勝経験(1994年)もあるチーム。ここ近年は低迷していたが、今回、5年ぶりに東海地区代表の座を勝ち取った。「投手力が充実したチーム。チームのスタイルもうちと同じ。攻撃陣がどう先発を打ち崩すかがカギですね。攻撃陣が早めに点を取れれば勝機はある」と小川監督。

沖縄で開催された九州予選に多くの人が応援に駆けつけてくれたことにも触れ、「多くの方が球場に足を運んでくれて、盛り上げてもらった。全国で勝利することで感謝の気持ちを伝えたい」と昨年の初戦敗退の悔しさを晴らし県勢初勝利を 誓った。

大会3連覇を目指す JX-ENEOS・大城との対戦を期待

沖縄電力が一回戦を突破すると待ち受けているのが、大会2連覇中のJX-ENEOS(横浜市)とJR東海(名古屋市)の勝者。

JX-ENEOSは昨年、一昨年と2年連続で都市対抗を制覇している強豪。そして、JX-ENEOSのエースは大城基志(宜野座高-名桜大)。大城は、橋戸賞(最優秀選手賞)を2年連続で受賞。これは、50年ぶり史上2人目となる快挙だった。沖縄電力 が初戦を突破し、王者JX-ENEOSに挑み、大城投手と対戦するゲーム が実現することを期待したい。

Honda熊本は西部ガス大城昌史を補強

玉城誠監督が率いるHonda熊本からは、九州予選で活躍した佐久本匠(宜野座高)をはじめ、砂川卓也(八重山高-東京情報大)、緑間俊(具志川商高-亜細亜大)、上原亘(沖縄尚学高)の4人の県出身者が出場する。また、補強選手として西部ガスの大城昌史(首里中-東海大相模-東海大)がメンバーに加わる。

Honda熊本は4年連続9回目の出場。選手、コーチとして何度も都市対抗を経験している玉城監督が初めてドームで采配をふるう。

初出場のJR西日本の湧川雄貴投手にも注目

中国地区の代表を勝ち取ったJR西日本(広島市)のエースが県出身の湧川雄貴投手(中部商業高-愛知産業大学)。予選では4試合に先発し大黒柱としてチームを都市対抗本戦へと導いた。

JR西日本は、昨年8年ぶりに硬式野球部を復活。復部2年目で都市対抗初出場を決めた。メンバーのほぼ全員が昨年、今年の入社と平均年齢22.4歳の若いチーム。湧川雄貴が投手陣を牽引している。

沖縄電力・狩俣達也、狩俣穏

九州予選の第3代表決定戦で決勝ホームランを放つなど、九州予選での打率は5割2分と脅威の打棒でチームを代表決定に導いた4番の狩俣達也選手。一方、同じく第3代表決定戦の5回2死満塁の場面で登板しピンチを断ち切ると、続く6回以降は西部ガスの強力打線をノーヒットに抑える快投をみせるなど、予選6試合中5試合に登板し代表決定の原動力となったエースの狩俣穏選手。チームの屋台骨を支える二人の狩俣選手に話を聞いた。

-沖縄で初めて行われた都市対抗の九州予選でしたが、いかがでしたか?-

達也 県外でやるより地元のほうが、応援も多くやりやすいというありましたね。今まで見てもらえなかった人に見てもらえたので嬉しいかったですね。第3代表決定戦の決勝のときは5000人も応援に来ていただいて、ありかたいですよね本当に。

-県予選決勝での本塁打から始まり、九州予選でも素晴らしい活躍でしたね-

達也 県大会の決勝からようやく調子が上がってきたのかなという感じでした。九州予選では打率も5割2分ありました。すげーですね(笑い)、自分でもびっくりしました。九州予選では、自分だけが調子良いとかではなく、全体的に今大会は調子がいいなというバッターが多くて、その分、4番の重みというのをあまり感じずに自然と打てました。それが今回の結果につながったのかなと思いました。

-予選6試合中5試合に登板、4試合が救援、1試合に先発し完投と大車輪の働きでした-

そうですね、調子も良かったです。初戦はちょっと調子が悪かったんですが、2戦目のJR九州との試合あたりぐらいから良くなってきました。ストレートもマックス146キロ出でいました。球種は、カットボール、スライダー、ストレートなのですが、どの球種でもストライクがとれるので、それがけっこう大きいかなと思います。

-第3代表決定戦の準決勝では三菱重工長崎を相手に先発し、2失点完投勝利。負ければ予選敗退という試合での先発でしたがプレッシャーはなかったですか?-

プレッシャーはあることにはありました。けれども、去年から、結構そういう大事な場面で投げさせてもらっていたので、そういった経験があったので、あまり緊張せず投げられました。前の日の熊本ゴールデンラークスの試合で高坂晋太郎さんが先発して好投し、良い流れを持ってきてくれたので、自分もそれで気持ちが入って良い結果がでたのかなという気はします。

-翌日の第3代表決定職決勝では、1点ビハインドの5回2死満塁のピンチでマウンドヘ上がりました-

 そのときはもう気持ちで投げました。前日に完投した疲れはあったのですが、疲れも感じないくらい気持ちが入っていました。

-試合は序盤から押されぎみの試合展開でしたね-

達也 先制点を入れられて、そのままずるずる6回まできていましたが、1点差でもあり、絶対うちのチームは逆転できる力はあると思っていたので、そんなに焦りというのはなかったです。それに、穏がいいピッチングをしてくれるのは分かっていたんで。

-そして、穏投手がピンチを切り抜けた直後の6回表に渡慶次選手の同点本塁打が飛び出し、7回には達也選手が決勝本塁打を放ちました-

達也 前の回に渡慶次がホームランを打って同点に追い付いてくれたのが一番大きかったのかな。7回は先頭打者だったので、気持ちはもう行くだけだという感じで、思い切り振ったのがきれいな角度で行ってくれました。良かったです、本当に。

-達也選手にとって3回目の都市対抗出場ですか?-

達也 自分自身は、20歳のときにJR九州の補強で1回行っているので、4回目になります。でも、東京ドームではまだヒットを打っていないですね。東京ドーム自体、打席にあまリ立っていないようなイメージがあります。補強で行ったときも、初戦に1対Oで負けてしまって、補強選手は結局誰も出れずに終わってし まって。その次がインフルエンザ。昨年は、3タコでした。全然結果が出てないんですが、今回チームの調子自体も上がり調子で来ているので、その勢いをそのまま崩さずに東京ドームでも思い切りやればちやんと結果につながるのではないかと思います。

-穏選手は、2回目ですね-

昨年は、3対0で負けたのですが、自分は先発して7回まで投げて2失点でした。スタンドも大きくて広いので、雰囲気も全然違いましたけど、ドームのマウンドは投げやすかったというイメージです。

-1昨年に続き2年連続の出場ですが-

達也 2年連続なので、そこはちょっと気持ちの面も変わってくると思います。去年は、たぶんガチガチになっていたのが、思い切りできるプレーに変わってくると思います。思い切り全員がプレーできたら、結果はついてくるかなと感じています。

-初戦の相手がホンダ鈴鹿に決まりました-

達也 4、5年前に1度大会で対戦して負けているのですが、あのときとメンバーも変わっていると思うので、今のところ状況はまったく分からない状態なので、いろいろと回りの情報を聞いて探りながらやっていきたいなと思っています。 穏がピッチングで活躍してくれたらチームはいい流れになるので(選手に向かって)。チーム全体の調子も上がってきているので、思い切り試合をして結果を残したいと思います。

狩俣達也 (かりまた・たつや)

外野手。1986年7月24日生まれ。27歳。179センチ87キロ。右投右打。沖縄市出身。室川小(室川新星)-安慶田中(沖縄ポニーズ)一沖縄水産。沖縄水産では1年夏までは投手。故障もあリ1年秋より野手に転向し主軸を務める。最後の夏は決勝で金城宰之左(元広島)を擁する中部商業に4対1で敗れる。2010年と13年に九州地区連盟のペストナインに選出。

狩俣 穏(かりまた・やすき)

投手。1987年10月11日生まれ。26歳。180センチ80キロ。右投右打。宮古島市出身。銭原小(鏡原)一銭原中1宮古高-沖縄国際大。小学校で野球を始めると同時に投手。宮古高校では、3年の夏にベスト4に進出。優勝した沖縄尚学と対戦し3対2で敗れた。沖縄国際大学では入部一年目からマウンドに上がりエースとして活躍した。

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